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抗酸化物質他の栄養素は化学療法や放射線療法に干渉しない

2007-04-04 | 癌全般
目的:癌の分野において、一部では、化学療法や放射線療法中の患者は抗酸化物質他の栄養素のサプリメントを摂取すべきでないとされる。影響力のある癌専門施設の腫瘍医らは、放射線療法や一部の化学療法は活性酸素を作り出すことで殺傷力を生じるため、抗酸化物質によってそれらの治療が無効化される、また、葉酸はメトトレキセートに干渉すると考えている。このことは、化学療法や放射線療法中に一般的に用いられる2つの抗酸化処方薬アミフォスチンやdexrazoxaneの使用と相反する。
デザイン:化学療法や放射線療法と同時使用する抗酸化物質と他の栄養素に関連するすべてのエビデンスを評価するため、1965年から2003年11月までのMEDLINEとCANCERLITのデータベースを、ビタミン、抗酸化物質、化学療法、放射線療法のワードで論文の抄録を検索した。化学療法と/または放射線療法と同時に栄養素の使用を報告したすべての研究(280 peer-reviewed articles including 62 in vitro and 218 in vivo) が無差別に対象とされた。
結果:50の人におけるランダム化および観察試験が行われ、8,521人の患者がベータカロチン、ビタミンA、C、E、セレニウム、システイン、ビタミンB群ビタミンD3、ビタミンK3、グルタチオンを単独または併用で使用していた。
結論:1970年代から、280のin vitro/in vivoピアレビュー研究が行われ、そのうち人における50試験で8,521人の患者のうち、栄養素を投与された5,081人において処方でない抗酸化物質や他の栄養素が癌治療に干渉することは一貫してなかった。それどころか、それらは、癌治療の殺傷力を高め、副作用を減らし、正常細胞を保護した。15の人における試験では、処方でない抗酸化物質他の栄養素を摂取していた3,738人の患者は実際に生存率が向上した。
PMID: 17283738 全文Altern Ther Health Med. 2007 Jan-Feb;13(1):22-8. シモーヌ予防癌研究所Lawrenceville, NJ, USA.

抗酸化物質は放射線外部照射治療の妨害にはならない原文記事2006/11

*癌の情報Tipsでは、報告をそのまま記載していますが、いずれの結果をも保証したり支持したりするものではありません。情報提供目的であることを念頭にご参照ください。


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