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遺伝子治療ーGendicine中国

2007-03-30 | 癌全般
継続的なしゃっくりの原因が食道癌であるとわかったカーラさんは、医師から治癒は見込めないことを宣告された。拡がっていく癌に対して1年余り効果の見られない治療をした後、中国で行われている遺伝子治療Gendicineの記事を目にした。医師らは研究室で遺伝子を特定し、その遺伝子が欠損している遺伝子コピーを持つ細胞に注入する。遺伝子の欠陥や欠損が癌化の原因となるとされる。Gendicineの遺伝子治療はさまざまな方法で投与されるが、カーラさんは静脈投与を行い、今のところ良好な効果が見られている。

遺伝子治療で病気を治す研究は米国では30年前から行われているが、FDAにはいまだ治療に承認されていない。一部の国々では承認されているものの、科学界は米国の承認ペースは適正を保っているという。33年間遺伝子治療の研究を続けてきたカリフォルニア大学サンディエゴ医学部のセオドア・フリードマン医師は「遺伝子治療はここから始まった治療法であり、最先端である。臨床研究は15年ほど前に開始されたが、この段階までくるとその治療を安全に開発を進めるのに倍の時間がかかる。他の化学療法などは、幅広く応用されるまでに30年の臨床研究を要した。

Gendicineも中国では安全性と有効性が証明されている。中国は製品に対する承認は速いが、米国では、まだそこまではいっていない。米国は、薬に関しては規制は厳しく、しかも、遺伝子治療には人の遺伝子構造を変えてしまうため、倫理的問題をはらみ、どのような状況設定でなら認められるかのコンセンサスを必要としている。適切な遺伝子治療適応の基準の設定が必要である。」という。

北京にあるBeijing Haidian病院の'遺伝子治療と腫瘍外科センター'のリー医師によると、2004年3月センターの開設以来、50人の外国人を治療したという。遺伝子治療とは総合的治療(化学療法、放射線療法、温熱療法、漢方療法)のひとつであり、リー氏によると、遺伝子治療は本来中国人を対象に開発されているため、海外からの患者への投与は中国人ほどの効果は見られないという。外国からの患者では、劇的な改善が見られる期間は中国人患者の半分であり、成功率も中国人患者のほうが高い。そして、治療は通常療法と同じく初期であるほど良好であるという。

North Countyタイムズ紙2005年11月記事より抜粋


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