ジェンダーから見るカンボジア

南国のカンボジアからの日記、ジェンダー視点でカンボジア社会を分析します

夫が妻に暴力をふるうとき

2016年04月12日 | カンボジアの女性指導者たち


家庭内暴力の問題をもつカップル約150組を対象にして、長期にわたって実施された実験に基づく本で、調査者のすさまじい根気と熱意が感じられる本。



やはり、課題は、なぜ妻は逃げないのか、と、夫に暴力を振るわせないようにするのはどうすればいいか。

長い年月をかけて暴力の被害にあった女性は、自分の生活は暴力があるのが当然になっていて、「間違ってるから逃げろ」と言われても、それは自分の過去を否定することや生活を危険にさらすことにつながるから、なかなか逃げられない。夫も、暴力をやめたいと思っていても、いろんな呪縛や、刷り込まれた差別の感情から抜け出せないから、暴力を振るい続ける。

それにしても、世の中って、家庭内暴力にあふれてる・・・・きがするのはわたしだけだろうか。統計だけでも相当悲惨だけれど、実際に、多くの女性が被害にあっている社会って、基本的には平和じゃない。





DV・不安神経症パニック障害

2016年04月12日 | カンボジアの女性指導者たち


タイトルだけみて、買ってみたら、DVのことはちょっとしか記載してなかった、医療従事者向けの専門書・・・



DVのことより、パニック障害で、22年間自宅からまともに出られなかった女性の話とか、おそろしい現代病について紹介されてて、勉強になった。


アメリカでは女性殺人だけをとってみると、半数がパートナーによる殺人だったそうで、この本のおもしろいところは、様々な国の統計が紹介されているのはおもしろい。が、ちょっと「え??』っていうのもあって、鵜呑みにしてはいけないかも。親しい関係にある中での暴力のリスク要因として、まず経済困窮があげられていて、それもどうかと思う。経済要因以前に、社会が男性に女性に対して暴力をふるうことを容認しているかどうか、がまず基本ではないかな?