家庭内暴力の問題をもつカップル約150組を対象にして、長期にわたって実施された実験に基づく本で、調査者のすさまじい根気と熱意が感じられる本。
やはり、課題は、なぜ妻は逃げないのか、と、夫に暴力を振るわせないようにするのはどうすればいいか。
長い年月をかけて暴力の被害にあった女性は、自分の生活は暴力があるのが当然になっていて、「間違ってるから逃げろ」と言われても、それは自分の過去を否定することや生活を危険にさらすことにつながるから、なかなか逃げられない。夫も、暴力をやめたいと思っていても、いろんな呪縛や、刷り込まれた差別の感情から抜け出せないから、暴力を振るい続ける。
それにしても、世の中って、家庭内暴力にあふれてる・・・・きがするのはわたしだけだろうか。統計だけでも相当悲惨だけれど、実際に、多くの女性が被害にあっている社会って、基本的には平和じゃない。