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みずけん戦記

せめてもう少しだけ、走らせてくれ。

サイクルモード戦記2010、1日目の3

2010-11-21 23:04:47 | 自転車
 昼飯を食べる前、アパレルや装備品関連のブースをフラついていたところ、何やらかっちょええサングラスが置いてあるブースを見かけた。

 覗いてみると、ここは恐らく超有名であるパリミキ、正式にはメガネの三城のブースであり、何でもこの度自転車雑誌「CYCLE SPORTS」とコラボってサイクル専用メガネなんつうものを御造りになったという。

 拝見すると、白と赤のツートンカラーという今までに無さそうなカラーリング、ツルが下に折れるという風変わりな構造など、新しいものを創造したろうという意志が感じられて中々面白そうだった。
 他に、耳を塞ぐんでなくこめかみあたりに接触した状態で骨伝導というやり方で音楽が聴けるというイヤホン(という表現でいいのか?)がメガネと一体化しているというものもあった。この辺は以前絹代さんがブログで紹介されてたかな…
 一応自転車に乗りながら音楽が聴けますよーとうたってはいたが、まあ個人的には自転車に乗ってる時はどうだろうな…とは思う。ランニングの時なんかは従来のイヤホンより良さそうだけどね。

 そんな最新テクノロジーを見た後は、飯だ飯だ!ってな具合で、一旦外に出てパスタなんぞを食っていた。


 昼食後は、ひたすらマッタリとブース内を散策。というのも、今回小径車に的を絞った反動であんましロード、MTBを見る気がしなかった上、今年も世の自転車人気を反映してどこのブースも試乗待ちがごった返しており、どーも頑張って乗るような状況ではなかったので…

 で、そのままフラフラと特設ステージにたどり着き、さっきも名前が出た絹代さんと最近自転車界を賑わす美女達の、いわゆるガールズトークなんつうものが繰り広げられるということで、そのヌーボな?トークショーを立ち見した。

 その中の一人、美崎悠さんは以前BSの自転車番組でお見かけしたことがあったのだが、実は175cmの長身であり、それ以上に脚が長い人で、ステージに彼女の自転車が飾られていたんだが、これがまたサドルの高いこと…
 ご本人曰く、「大抵のスポーツなどで、自分に合うモデルが少ない中、自転車は元々男向けがメインなので175cmの規格に合うモデルが多い」との事で、それが良かったと言ってた。

 いや、ぶっちゃけ男でもあれだけ脚の長い人は滅多にいないとおもうけどね…俺なぞ隣に並んだらどんだけ悲惨な画になることか

 もう一人、棚橋麻衣さんはFMラジオのパーソナリティをされたりしてる方で、日本女子体育大学あたりをお出になってるヴァリヴァリの体育会系なんだそうである。
 自転車も結構最近始めたらしいのだが、絹代さんあたりに言わせると上り坂でもガンガンいこうぜらしい。確かにトークを聴いてても元気そうな人だった。

 しかし、それだけの二人をして「ボス」とまで言わしめるのが絹代さんの凄いところで、まあ3ケタkm位はそんなに珍しくもなく走ったりしてるし、自転車に関わってる年季が違うしね…

 そんな三人のガールズトークだったので、並のDJのノンストップミックスもかくやというガソガソトーク?で楽しませて頂いた。

 結論としては、女子がこれだけ元気だと自転車男子?もそうそうヘッポコな調子ではいかんなあという…
 彼女らと比べて互角レベルと言えるのは自転車で走った後の飲み食い位だからなあ…男子スイーツ部とか本当にあったら真っ先に部長候補のエリート街道だぜ


 そうして、地味ーに自転車関連の情報を入手しつつ、土曜日終了。

 俺は家に帰らず、予約してあった船橋のホテルにチェックイン。
 研修施設の、研修生向けの部屋の一部を一般客が泊まれる部屋として用意したという宿で、値段もそこそこだったので全く期待せずに行ったのだが、これがまあ恐ろしく立派なお部屋。
 お陰で、泊りがけで自転車研修にやってきたビジネスマンっぽい気分になって、サウナで汗をかいて(研修もビジネスも関係ねえが)おネンネ。
 研修施設らしく、PCからの印刷サービスも充実しているため、堂々と自転車の試乗誓約書を出力し、部屋で予め必要事項を記入。
 次の日悠々海浜幕張に舞い戻り、今度こそ開店直後の良く回る台もとい自転車に座るベと意気揚々と向かった俺を待っていたのは、開店待ちの?行列だった…

サイクルモード戦記2010、1日目の2

2010-11-14 21:34:02 | 自転車
 実は近々、折り畳み自転車というものを買おうと思っている。
 理由は、短く書くとロードで輪行することに疲れたから

 …まあ、その辺は詳しくは買った時に書くが、ともかくそういう目的意識を持って今回のサイクルモードには挑んだ訳なんよ。

 なんだが、個人的に今本命としているメーカーは東京には出展せず、せぬものはしゃあないので比較も兼ねて他のメーカーの物に乗ろうと、まずはドッペルギャンガーのブースに無料配布のバッグをもらいに行ってきた。

 イヤ、ちゃんと折り畳み自転車には乗ってきたけどね。
 ここでは、待ち時間の少ない「215」という20インチながら前後にサスペンションも付いたMTBモデルを試乗させて頂いた。
 
 ドッペルギャンガーは、お値段そこそこで様々なデザインの自転車を提供している他、ヘルメットやフロントバッグなどのグッズも諸々販売しており、どれも独特なセンスが光る個性的なメーカーなんである。
 で、215の方だが、やはり値段なりの仕事はしてくれる自転車という印象だったな。少なくともそこらのホームセンターとかで売ってるメーカーもよく分からんような物と比べたら(つうかああいう自転車には乗ったことないけど…)全然心配なく乗れる。
 ただ、サイクルモード名物?MTB専用の木製の段差を越える時にちょっとドキドキしたかな。まあ小径車だから段差等によるブレには弱いかも知れん。普通に砂利道を走る位が丁度いいかもね。

 で、ちゃっかり去年に続いての大盤振る舞い、無料ショルダーバッグも頂き、次は今回の折り畳み車系メーカー注目度No.1であるDAHONのブースに行った。

 もうそろそろGIANTとかルイガノ位のメジャーどころと扱って良いだろうか?3万台のリーズナブルなモデルから、折り畳みの枠を超えたスーパーマスィーンまで幅広く世に送り出しているDAHON社。

 今日びブームとなっているロードバイク系メーカーのブース程ではないが、それでもDAHONブースの試乗コーナーには待機中の人たちがワンサカ。
 その中をかき分け、俺は「Dash X20」というモデルを予約した。

 実のところ、俺が欲しい折り畳み自転車というのは、折り畳みでありつつもドロップハンドル若しくはブルホーンと呼ばれるタイプを装備するような、ロードバイクに近いタイプのモデルである。まあハンドルは後から替えることもできるけど。

 でもってそのDashはドロップハンドルをデフォルトで装備した、見るからガンガン走りそうなモデル。値段も折り畳みにしてはかなりなもんだけど…

 ファミレス方式?で、乗りたいバイクの列に名前を書いておき、自分の番が来たので呼ばれ、いざDash。
 乗ってまず驚いた。
 このガッシリとしたハンドルの握り心地、ソリッドな乗り心地、とても20インチの自転車に乗ってる感覚とは思えない…

 つうか、乗りながらフレームとかをチラ見すると、何か接合部の固定レバーがない??
 もしかして俺折り畳みじゃないモデルに乗っちゃった?

 と思いつつも、座って回しても勿論、立ち漕ぎしてもほとんどフラつくという感じがないし、FSAのフロントリングに105+アルテグラという同価格帯の普通のロードバイクに装備されてるような変速機は確実にシフトチェンジしてくださる。
 これで余裕で重量10kg切ってるんだから…まあ…さっきのドッペルちゃんと比べるのは酷だが…


 やっぱり世の中カネが物を言うんだなあ…と若干擦れた感想を抱きつつ、試走完了。

 当然気になったので、スタッフの方に「この自転車ってもしかして折り畳めないやつ?」と聞いてみたところ。

 スタッフの方はトップチューブ、要する自転車のサドル近くのフレームにある六角穴を指差し、「ここを六角レンチで回して折り畳みできるんです」と教えてくれた。
 「奥のブースに畳んだものがありますよ」
 早速ブースに行って見ると、違うモデルだったが畳まれた状態の自転車があり、確かに同じ所でちゃんと折れていた。

 これは、DAHONが開発したLockJaw(ロックジョー)という折り畳み方式で、6mmの六角穴付ボルトを捻って折ったり戻したりが確実にでき、しかも目立たないというものらしい。で、レバー等を使ってないので多分従来の方法よりも軽く作れると。

 おじさん久しぶりに驚かされたぜ…まあこのシステムを使ってるモデルはいい値段がするので、購入候補となるかは微妙だが、値段以上の価値はあると思ったな。


 と最新ぎじゅちゅに男泣き?したところで、他の折り畳み自転車を…と言いたいところだったが、昼になり腹が減っては戦が出来ぬということで一旦外出。ま実は外出前に一つネタを仕入れたんだがこれは次回に回す。

サイクルモード戦記2010、1日目の1

2010-11-07 23:07:31 | 自転車
 むぁちに待った自転車の大展示・試乗会であるサイクルモードがやってきた。
 ちなみに、大友克洋さんのイラストもかっちょええサイクルモードのサイトによると「日本最大級の自転車エンターテインメントショー」らしい。

 今日びは自転車流行りのため、さほど興味ない人もテレ東を初めとしてニュースなどでも話は聞いたかもしれないこのサイクルモード、真の自転車海苔がどうたらと(←既に間違えている)書いているこのヘッポコ大将がチェックしてない訳がないと。

 しかも、今年は思い切って幕張近所に宿まで取って土・日の二日かけて行ってきた次第なんだこれが。


 まー二日あることだし…と土曜の朝は多少余裕こいて、開場の10時を30分以上過ぎて幕張に到着。
 淡々とメッセに着いて、淡々と試乗に関する誓約書を提出し(予めフォーマットをダウソして書いておいた)、淡々と行列に並ぶ。

 …ん?待てよ、もうとっくに開場しているハズなんだが…

 と思ってたら、どうもサイクルモードの隣でWINTER SPORTS FESTAなんつうイベントが11時から開催されてるということらしかった。
 うっ…朝一からまたうっかりをやってしまったかまあウインタースポーツの方も別に興味なくは無かったのだが…つうか今調べたら完全無料で入れたらしいので寄ってみれば良かったかもだ。

 ともあれ、本家?サイクルモードの方は流石にスンナリと入ることができた。

 入ることはね。


 しかし、会場内はもう人がごった返しており、至るところに黒山の人だかりができる超盛況っぷりを見せていた。

 メジャーどころのブースの試乗はもうとっくに大行列ができていたが、俺には今回テーマというものがあった。


 実は、今年中をメドに折り畳み自転車を買うベエと画策しているところなんである。

 きっかけは8月に埼玉方面に自転車修行に行った際の変速機アクシデント
 それでなくとも、普通サイズの自転車は担いで連れて行くのは中々骨の折れる仕事なんである。じゃ連れて行かなきゃいいじゃんなどという横浜弁には耳を貸さない俺であるが。

 もっと快適に、旅先での便利な移動手段である自転車を、リスクを減らして連れて行くにはやっぱしソレ用のもんがいいと思ったのさ。

 という訳で、そうした折り畳み・小径車を得意とするメーカーのブースが集まるところに向かい…

 気がついたら折り畳み車を作ってないブリヂストンのブースでイベントを見ていた俺

 いやイベントを最後まで見るとタオルがもらえるって言われたので…頂く・もらう・タダに滅法弱い俺様はあっさりテーマそっちのけでプレゼンを見ていた。

 これは、ブリジストンの老舗ロードレースチーム「ブリジストンアンカー」の飯島、清水選手達を迎え、「自転車の選び方」をテーマにしたものだった。

 確かに、今年あたりは今だかつてない自転車ブームの中、これから自転車を始めたいという人が多数いそうな状況であり、そうした新規顧客を引き込むのは当然の戦略ではある。
 ただ、どちらかというとヴァリヴァリのロードバイクを扱うアンカーブランドの方のプレゼンだったので、結構初心者素人瞬殺系のバイクが多数紹介されていたかな…もちろん気軽に街乗りできる自転車も紹介してたけどね。


 などと書きつつも、タオルをもらってウハウハの?俺は、ようやっと目当ての小径車めぐりを開始できたって所で一旦切っとくかな!

嵐の?名古屋旅行

2010-10-31 23:27:12 | 自転車
 実はこの土日、車で名古屋に行ってきた。

 なぜ名古屋かっつうと、まあ行ってみたかったからとここでは書いておこう

 前からこの日に宿を取り、名古屋で何を食ったろうか思案していたんだが、週前半にどーーもこの土日、台風が来るらしいということが分かってきて。


 宿は予約したものの、車にせよ新幹線にせよ台風でストップ(車の場合は高速が通行止めになる)したら困るしなあ…と思案していたのだが。

 何事も、タイミングを逃すと中々取り戻せない(時に、二度とね)ということは、最近痛切に感じていることであり、土曜朝思い切って車を出した。
 念のため、後部座席にはシャウラを載せて。


 やはり、出だしからガッツリ雨が降る中、何だかんだで相当久しぶりの東名高速をワイパー全開でひた走る。

 途中、御殿場あたりの山の中で50キロ制限が始まり、この次の段階には行かないでくれよ…と祈りつつ、超それなりの速度で走行。

 太平洋を台風がひた走るというシチュエーションの下、一番その「次の段階」にリーチがかかるのが、静岡市の手前にある由比の辺りの、駿河湾のド真ん前を走る見晴らしのよい区間。
 だが、雨風は相変わらず強いものの、通行止めどころか50キロ制限もかからず、80キロ制限の中無事海の前区間を走りぬけ。

 愛知県に入って程なく、雨が降りしきるなか80キロ制限も終わり、もしかして…?と思ったらバッチリ雨が上がった。

 案ずるより産むが易し、無事台風の左脇をすり抜け、既にアスファルトが乾き始めている名古屋に到着した。

 ホテルに着いてまず聞いたのは、駐車場の場所。
 この日ホテルの駐車場は満杯で、已む無く近くのコインパーキングに停めてきた。まあ24h1,000円だったけど。

 で、次に同じフロントの人に聞いたのは、自転車の置き場所
 まさか同じ客からこの二つがたて続けに来るとは想像しなかったろう…と思いつつも、自転車は屋根のある所に停めさせて頂けることになった。

 ということで、無事チェックインし、次の瞬間には自転車で名古屋の街に飛び出した俺。

 もちろん目的はうまい物である。

 宿のある金山駅周辺から北上し、テレビ塔もあり名古屋随一の通りである久屋大通をひた走…ろうとしたのだが、丁度夕暮れ時だったこともあり、タクシーやら車やら歩行者やら自転車やらが入り乱れ、まあ大変だったこと…
 なもんで久屋大通から脇に逸れ、逸れまくった結果和食麺処 ひらのやに到着。即みそかつ定食をオーダー。
 すると、1,100円という値段でまさかのきしめん付。味もよろしく、フラフラ走ったのも無駄ではなかった…と自分を必死に肯定したのが夕べのことであった。


 今日は朝から自転車に乗り、質素な朝食として大須観音近くのめいふつ 天むすをセレクト。
 つうか多分これは普通昼飯なんだと思うけど…

 実は行列の出来る店だったりするんだが、朝一だったためスンナリ買え、おいしく天むすを食べる場所を探すために自転車を転がすという、どんだけメタボ解消する気満々なんだという走りで名古屋港の方まで行こうと思ったが、アッサリ道中の白鳥(しろとり)庭園で自転車を停め、入園。

 中は良く手入れされており、時代劇のお茶屋さんの如く紅い布を敷いた長椅子に座り、天むすの包みを開けると、中から炊きたてのご飯と、それに蒸された海苔の香りが辺りに広がった。
 普段何気なく食べるおにぎりの香りが、こんなに素晴らしいものだとは…
 青い空も垣間見える空の下、心落ち着く日本庭園を眺めながら食べる天むすは、プリプリとした極上のえび天と絶妙な味のきゃらぶきとの相性も良く、あっという間に5個平らげてしまった。

 その後は庭園の中を散策。たまにはこんな質素で贅沢なひとときも良いなあ…と、食欲が落ち着いた後なので悟ったような心境で滝など眺めていた。

 で、名古屋港どこへやらでサッサと車に戻った俺は、さらにこの後とある自転車屋に寄ったんだが、この話は次の機会にとっておくことにしよう。


 結局、優雅な朝食とは打って変わってマックのドライブスルーで昼飯を買い、アイコンチキンだかをガツガツ食いながら東名高速を突っ走り、夕方に帰宅。


 結局名古屋に行った目的がなんだったのかというのはともかく、結果としてはしっかり名古屋名物でカロリー補給できてしまったという感じである。少なくともこの記事を書いた俺はそう思った。

じゅうじゅちゅ?の3連休、終盤戦

2010-10-24 23:04:07 | 自転車
 やっと3日目ね。

 今月始め、日産スタジアムのサイクルパークフェスティバルでかなりボロボロの成績に終わった俺様。
 そんな俺だが何を隠そう、来月も同様のエンデューロレースにしゅちゅじょうする予定でいる。

 そのレースとは、川崎マリンエンデューロという、アクアラインにも程近い工業地帯で今年初開催されるもの。

 もうそのロケーションで大凡見当はついていたが、コースを見ると成る程稀に見るド平坦なレイアウトであり、走れる人達はみんなで列車(空気抵抗を減らすためかなり近接して縦列で走ること)を組んで時速40km近くで突っ走る高速ステージになることは容易に予想される。

 まあ俺は走れない人東日本代表なんで、いっそのこと分かる人には分かる?ネタとしてマイヨブラン・アポアルージュでも着て行くかなーと思ったりしてるんだが…

 ともあれ時期的にもいい季節だし、せいぜい走りこんでおこうかなと。

 いう思惑もあり、3連休最終日は東京アースライドというイベントに参加した。


 このイベントは、家から自転車でお台場の会場に行き、(自動車の代わりに)自転車に乗ることでどれだけCO2が削減できるかということを通して、エコを実感したれというもの。

 イベント云々を抜きにしても、個人的には東京に行くのは久しぶりであり、前述の大会に向けての走り込みには丁度いいかなということで1国を一路東京へ。

 途中、多摩川で軽い休憩がてらベンチでごろ寝という(軽いか?)植木等さんばりのプレイを挟みつつ、まずは東京タワーのふもとにある芝公園へ。

 説明が前後したが、今回の東京アースライドは最終目的地はお台場潮風公園なのだが、そこに行く前に都内に設けられたチェックポイントでスタンプをもらう必要がある。
 南からお台場に行くには、どのみち一旦都心南部を通らなければならない(自転車でレインボーブリッジを通過できない)ため、芝公園はちょうどよい休憩地点にもなる。
 つってもさっき十二分に休んじゃったからここではゼリー飲料を飲む程度にとどめたけど…都会の中でありながら木々に囲まれた芝公園でスタンプをもらい、次に日比谷公園にあるチェックポイントに。
 スタンプは一つでOKだったが、折角通り道なので立ち寄り、またスタンプをゲト。

 さあ後は目的地まで一本道だ…と走り出し、築地市場の脇を通過するあたりから、段々自転車の数が増えてきた。
 結局、お台場に自転車で向かうにはこの築地→豊洲ルートか、湾岸線沿いのルートの二択になっちゃうからね。


 去年に引き続き、今年もお台場の潮風公園に設けられた会場内は自転車とその持ち主達でごった返していた。

 会場内に設けられたステージでは、これまた去年に引き続き白戸太郎さんと絹代さんがお台場に到着した人を迎えてトークを繰り広げていた。

 俺はというと、ステージを尻目に受付で渡すことになっていたカードをバッチリ紛失。記載事項(走行距離を自動車で走った時のCO2排出量)は前日調べて覚えていたので伝え、何とか完走証を頂けた。

 はっはっはまあ人間一つくらいうっかりはあるよね…なんてうそぶきつつ、ステージに向かおうとすると、ステージ近くは仕切りが設けられ、何でも参加者に先に郵送された手ぬぐいを見せることで、つまり走ってきた人だけが近くに行けるシステムなんだって。

 …はて…

 手ぬぐい…?


 ああ~そういや郵送されてきた案内の中にそんなのが入ってたなあ。ちゃんと自宅のPCデスク上に置いておいたアレだな!


 …本当すいません…

 もはやイベントの趣旨に真っ向勝負を挑むような行為に走っていた俺だが、その割に郵送された封筒は持っていたので、何とか中に入らせて頂くことができた。本当心の広いスタッフの方々には感謝…

 ステージは少し前に浅草キッドの玉袋筋太郎さんが到着し、その後自転車界のご意見番的な方である疋田智さんがステージで色々話をされていた。
 フト俺が入れてもらった仕切りの外側に、ちょっと今日は自転車で来ませんでした的な?方々が多数いるのが気になった。

 一方、ステージの袖ではアースライドのジャージを着た女の子達が出番待ちをしている。

 ああ。そういえば、今回の東京にはアイドリング!!!っちゅうアイドルユニット(くれぐれも検索先をお間違えなきよう…)が登場するってたな。
 合点がいった。
 つまり、サイクリングして来た人がアイドリングする人達の勢いに押しやられないように仕切りを設けたということなんだな。

 後に彼女らのライブが始まった時は、見事その隔離政策のために後方に追いやられつつもアイドリングファンはかなり盛り上がってたしなあ…つうか彼らもアースライドに参加して男を見せて欲しかったもんよ。

 マそんなことを書きつつ、全く男を見せないというか男を下げまくっている俺様は、マンハッタンポーテージという、自転車用メッセンジャーバイクなどのバッグ類のメーカーのブースに立ち寄った。
 そこでは、スタッフ(だという事実は後にブログで知ったんだが)がDJでいい感じの曲を流しているのが気になって寄ってみたんだが、ここでアースライド参加者だけができる抽選会をやっていると聞き、ダメ元でくじを引いた。

 スタッフのおねいさんにくじを開けてもらうと、中に何やら数字が書いてある?

 と次の瞬間鳴り響く鐘の音。
 何なんか当たったの?と状況が読めない俺に、「おめでとうございまーす」と紅いメッセンジャーバッグが差し出された。

 ま、まさか当たるとは…
 こんな所で運を使い果たして帰り死んじゃうんじゃないか?と非常に小者な発想をしつつも、浮かれてシャーベットを買って会場の端のテーブルで一休みとしゃれ込んだ俺。

 バッグをテーブルにドカッと置き、カチカチに凍ったシャーベットを、プラのスプーンでコリコリやっていると、テーブルの向こう側の椅子に誰かが座った。
 イヤ、この時は目はシャーベットに行ってたので顔までは見なかったんだが…
 バッグが邪魔だろうと思い、ソソクサとどかした俺。
 「すんません…」
 「ああお構いなく。」

 で再びシャーベットを…
 イヤ待て!

 思わず加トチャンばりの二度見で確認したが、間違いない。
 テーブルの向こう側に座っているのは、まさに玉袋筋太郎さんその人である。

 「今日はどちらから?」
 変わらずシャーベットをコリコリやっている俺に、タバコをくゆらせつつ玉袋さんが話しかけて来られた。
 まさか向こうから話しかけてきて下さるとは思わなかったが、自分の来た場所の話をし、玉袋さんは帰りは自転車を車に乗せて帰るとのこと等、ちょっとではあるが会話を交わした。

 何というか玉袋さんの気さくさにちょっと感動した俺であったな。

 そんないい一時を過ごしたお台場潮風公園。
 ステージではアイドリングの皆さんが歌を歌いつつ、その遠くでファンの皆さんがノリノリで場を盛り上げつつ、その自転車とあまり関係ない盛り上がり方に周囲のブースの人達が戸惑う中、俺は←こんな感じの顔で一人満足げに会場を後にしたのであった。

 俺は玉袋サンのように用意周到でなかったため、自転車での帰宅だった訳だが、まあ生きて帰って来られたから良しとしよう<とことん小者のアースライドだったという…

ゲゲゲの日産エンデューロ戦記2010

2010-10-03 23:12:53 | 自転車
 俺は悩んでいた。

 横浜にある日産スタジアム、言わずと知れたかつてワールドカップの決勝の地でもあるこの競技場で毎年行われる、自転車の耐久(エンデューロ)レースである「サイクルパークフェスティバル」。

 2006年末にセント・ニコラウスのコスプレをして以来(こう書くと凄く偉い人の真似をやったんだなー俺)、一応「和」をテーマにして見て楽しい、走ってバタつくというステキな服を着てきた。

 しかし、今年はクドイようだが9月初めまでそれどころではなかったというのがあり、一方ネタも決して尽きるほどやった訳ではないものの、ある程度金をかけずにやるにはそろそろ苦しくなってきたということもあった。


 ここで話はうって変わるんだが。

 今年の4月から、NHKの朝の連続テレビ小説でゲゲゲの女房というのをやっていた。
 個人的に水木センセイに興味があり、ヒロイン松下奈緒さんにもモゴモゴ…というのがあるような無いような感じで観ていたのだがこれが良かった。
 こないだもTBSで水木センセイご夫婦が出られてたりというゲゲゲな昨今の中、これだと思った訳よ。

 早速ネットで黄色と黒の縞のチャンチャンコ、および目玉の親父キーホルダーを購入。

 まあ自転車レースである以上ゲタは履けないし、ヘルメット着用なので判りづらいかな?と思いつつも、それらを持って日産スタジアムに馳せ参じた俺。


 俺は午後の2時間の部にエントリーしていたため、10時過ぎにダラダラと現着したのだが、そこでは既に3時間の部にエントリーしていたカッパが颯爽とスタジアムを走っていた。
 ああごくありふれた日産スタジアムの光景だなぁ…っつうか今年もカッパ出場してたんかい!!!と1年ぶりの妖怪仲間?との再会に、のっけからむしろ度肝を抜かれた俺ではあったが…

 エントリー、試走、チャンチャンコにゼッケンの取付け等前準備を悠々と済ませ、何故か頭から下は黒のハロウィンぽいコスに身を包んだカッパの背中に漢の哀愁を見つつ、時間が来たためスタジアムに入場。

 遊びにきてくれた某友人の見守る中、紺のシャツにハーフパンツ、上には例のチャンチャンコという、即席ながら鬼太郎のコスチュームらしきものに身を包み、2時間の部スタート。


 思えばこのンヶ月、レースを抜きにしても2時間ぶっ通しで自転車を漕ぐなんてのはお盆に埼玉に遊びに行った時位しかない。
 タダでさえ毎年実力の差を痛感させられている所で、走りこみが減っている今年にそうそう皆様に食いつけるはずがない。

 という訳で、いつもは夜に墓場で運動会をやっている?鬼太郎、昼に自転車に乗るのは不得手とばかりにガンガン周りに置いていかれる…
 イキのいいママチャリライダーも、もっとイキのいいお子さんロードレーサーも爽やかーに前を通り過ぎていった。
 くっそー来週からはもっと自転車乗り込んでやる…と思いつつも、とりあえずは楽しく走りきるのが俺の本分。その上で見ている皆さんに楽しんで頂くためのコスである。

 しかし、毎年書いている気がするが、ここのコースは出だしに危険なカーブが連続しており、今年も2連ヘアピンの出口で落車の現場を見かけたりした。
 そして今年は、スタジアムに戻る手前の急な上り坂でのアクシデントを何度か見かけた。
 というのも、そこが日産のコース唯一の上りであり、そこまでド平坦だったところで急に頑張りすぎて脚がつってしまうという人がおられたようなんである。

 スタッフの方は、3時間の部でそういう出来事を目撃していたらしく、2時間の部のスタート前にそういった旨の説明がなされていたが。

 ちょっと苦言になってしまうが、ここでのレースは去年今年に始まったものではない訳で、その辺はノウハウを伝承しつつもう一歩踏み込んだ対策(大きめの減速表示を出すとか、そもそもHPとか案内に具体的な危険ポイント情報を分かりやすく書いておくとか)をやってもらった方が良いのではないか。
 流石に年一回しかやらない自転車レースのために、コース自体をいじるというのは無理ではあろうが、これだけ事故の類を目撃するレースもあまりないような気がしてるので…


 まあそんなことを書きつつ、一番苦言を浴びそうな男が一人、思い出したように目玉の親父を取り出しつつ、「あー腹減ったなー」と通常営業過ぎることを思いつつ、地味に2時間を走りきった。
 今年は流石に地味過ぎたのか、MC絹代さんも鬼太郎の存在には気づかなかったようで…まあこれでよかったのかも知れん。


 レース後、再び合流した友人と、絹代さんに挨拶するため表彰式を見ていたが、何と言うか表彰を受けている方々の姿がまぶしかったこと…
 どんなことにせよ、人より突き抜けたものを努力して手に入れた人達というのは輝いているもんであるね。つうか2時間ソロのトップ3など見た目ではプロの選手に引けを取らない、見事にスリムな自転車体形だったりするんだよねー

 中でも、小さいお子さんレースで受賞した子の家族などは絵に描いたようなしあわせ自転車ファミリーといった風情で、羨ましいなどと言うことすらはばかられるような格差を感じてしまった俺


 ともあれ、絹代さんとも挨拶できたし、2時間もとりあえず無事に走りきれたし、今日のことを胸にこれから自転車修行に精進することにすっか…

 と思った次の日早速脚が終わっていてひたすら悶絶の鬼太郎、人間世界での戦いはまだ始まったばかりなのであった…

自転車の秋ですねー

2010-09-26 22:40:48 | 自転車
 いよいよ来週にアンカー 日産スタジアム サイクルパークフェスティバルが開催される。

 俺にとっては、ここ何年か連続出場している秋の風物詩。

 しかし、今年は去年に引き続きソロでのエントリーなのだが、例年以上に自転車に乗っていないのが実情ではある。何しろ、9月初旬まで電験のお勉強というやつに力を入れていたのでね。

 そして、そのお勉強の影響で、走り以上に!?準備できてなかったのが厳しい耐久レースを走りきるための最高のウェアである。ええ俗世間にはそれコスチュームっていうらしいんだけど。


 先週は、21時ごろ就寝、6時起床という超健康的な生活を余儀なくされた(宿の周りに何もなかったんで)出張が休日関係なしの日程であったため何もできず、今日。


 もういい加減準備しないとな…という訳で、自転車に乗りつつもアッサリお近くの駐輪場に停め、東京都内某所にコスチューム関連を探しに行ってきた。(ここで賢明な読者諸氏は某所がどこか大よそ見当ついたと思うけど…)
 我ながらどんだけ分かりやすい選択肢ミスをやってるんだろうなあ…とは思ったが、その結果めぼしいものにはありつけず、しかも帰りは雨に降られ、もう来週の土曜が本番だっつうのにみすみす自転車を雨にさらすという、まさに最悪の展開にはなっていた。

 ともあれ、もうここでジタバタしても始まらないので、今週は自転車は適当に乗りつつ体力温存といきたいところ。まあどのみち今週も出張あるしね。
 できれば、先週祝日出勤した分金曜に休みもらえれば一番いいんだけどな…

どことなく不完全燃焼の夏休み

2010-08-22 23:27:01 | 自転車
 初めて自転車にて埼玉上陸?を果たし、ついでに一泊して朝。

 この日は、せっかくこっち方面に来たので、久しぶりに佐野ラーメンが食べたいと思い、北方に針路を取ることに…

 しつつ、出発地から佐野までは流石に距離があるため、ちっとばかし輪行して楽しようと思ったのがいかんかった。

 最寄り駅で輪行袋に自転車を詰め…いや、まさにその詰める作業をやっている最中、通行人の会話が耳に入った。


 なんでも、「電車が運転見合わせしている」とか何とか…

 うっ…TVドラマなら手に持った車輪を落としてしまうようなタイミング(尤もそんなドラマは無いと思うが)で情報を入手してしまい、しょうがないので一旦輪行し、近くのマクドに袋詰めの状態で持って行き、朝マックを食べ、ケータイで電車情報をチェック。
 すると、やはり電車は止まっているらしく、よしんばここで電車が運転再開したとしても、混雑していて自転車を持って乗れる状態ではないだろう…と読み、結局朝マックを食べたらまた自転車を袋から出した。

 全くもって無駄な労力を費やし、再び自転車を組み結局自走にて行ける所まで行ってみべえと走り出した。

 ところが、上記の労力がプラスにならないまでも0であらば良かったんだが…
 走り始めてすぐ、なーんとなく自転車から変な音がしているような気がして、一旦自転車を止め、後輪の方を見てみると。

 どうも変速機の角度がおっかしいんだ…

 これはあまり考えたくないが、宿から駅までの間では何事も無かったはずなので、さっき輪行袋に入れたり出したり動かしたりしている時に何かやってしまったかも…

 しかし、一応走れはするので、とりあえずだましだまし適当な自転車ショップがあるところまで走ることにした。まあある程度ちゃんとしたショップに持っていけば何とか直してもらえるかとその時は思っていた。


 そして、北方の久喜(くき)という街にサイクルベースあさひがあるという情報をケータイにて入手した故、そこに立ち寄り店員に見てもらった。

 するってえと、「これは変速機というか、それをフレーム(自転車本体)とつなげている部分から曲がってますね。ここのパーツは自転車固有のものなので買った店でないと如何ともしがたいです」とのお答えが。

 も、もはやこれまでか…

 既に時間は12時を回り、ここから佐野までの距離を考えると今の自転車では行けない気がしてきて、というか気力を無くし、何となくダラダラと東に向かい、栗橋という町のベイシアという大型スーパーに寄り、モスバーガーを食い、その後はやはりダラダラとやって、最終的にはやはり輪行にてK県まで湘南新宿ラインで地元に帰った。


 次の日。

 早速、自転車を買った店であるワイズロード環八R1店に持って行き、メカニックの方に見て頂くと、どうもフレーム側のパーツはもとより変速機自体も曲がってしもうたらしく、即やってくれるとのことで変速機を購入・取付までその場でやって頂いた。

 変速機の方は、今までついていたシマノのTIAGRAから105という、一つ上のグレードのものにしてもらい、結果としてグレードアップしてめでたしめでたし?となった。

 かのように思えたが、この次の日走ってみたら、3速4速あたりがどうも調子が悪く、踏み込むと一瞬空回りしてしまう。
 何だか塞翁が馬という言葉がしっくりきそうな展開だが、電験が終わったらもう一度ワイズに持っていかなければと思っている。


 そうこうしているうちに、気がつくともう電験の試験日は刻一刻と迫り…次回は久しぶりにそのネタを書くことにしよう。

無理矢理6輪旅行記in広島4「無理矢理最終章」

2010-08-08 23:01:39 | 自転車
 広島県は三次市の、高谷山にある展望台。

 そこからの景色は、まさに息を飲む素晴らしさであった。

 まあ、やはりここまで自転車で、自分の脚で登ってきたという事実がいいスパイスになったのかも知れないが。


 写真を撮りつつ三次の街並みを眺め、俺は疲れた身体をしばし休ませることにした。

 画像の真ん中あたりに見える、馬洗川と西城川の合流した川を渡るアーチが特徴的な橋が、巴橋。
 画像では見えづらいが、この川はさらに画面下方で江の川(ごうのかわ)と合流する。

 三次の地理的特徴の一つがこの川たちであり、別のところから来た、つまり水温に差がある川が合流する関係でこの街は霧が出易いそうで、朝一でここに登ると朝霧に包まれた三次の街が見えるとのことである。
 そういう気候も手伝ってか、ここは昔から不思議な話が伝わっており、古くはあの水木しげる先生も漫画化したという「稲生物怪録」、最近では「朝霧の巫女」という、三次を舞台にした伝奇があるらしい(恥ずかしながら俺はいずれも未見)。

 一方俺は、展望台に置いてあった寄せ書き帳をチラ見し、いかにもカップルらしき二人の連名で「感動しました!また二人で来ようね」的なラブラブそうな書き込みを見るにつけ、「『自転車を空輸してきて、折角だから自走で登っちゃいました、てへ☆』とか書いてる人いねーかな…いるわけねーよな…」と、世間と自らの行動のギャップに愕然としながらも、「さー感動した後は当然昼飯ですよねー」と、さっきまでの感動はどこへやらでケータイで麓の食事処を検索。

 三次では、何でもサメのことをワニと呼び、要するにその「ワニ料理」というのがあるらしいんだが、ちょっとそういうお店が見つからなかったため、普通の洋食屋「TAKIYA」にお邪魔した。

 TAKIYAは前回の仙台旅行の時のEVANS'89程の大当たりでは無かったが(失礼)、手ごろな値段でドリンクバーもついており、料理も割とおいしかった。穏やかな雰囲気のお手ごろな洋食屋という感じだったかな。

 その後は、三次市内でないと中々売ってない淡雪という、フワフワとして口の中でとろける、儚ささえ漂うフシギなお菓子を購入し、車を置いてある尾関山公園へサイクリング。


 三次から尾関山方面に向かう道すがら、うだつのある古い家が並ぶ通りがあり、うだつの上がらない男関東代表としては、これで多少なりとうだつが上がれば良いのだが…と思いつつ自転車で通り抜け、公園に帰還。


 その後は、車で山道をドライブし、そのまま宿へ…と言いたいところだが、そこはホレ6輪旅行と書いたからにはもうちょい自転車に乗らにゃあいけん、ということで広島空港周辺にある広島中央公園のサイクリングコースに寄り、もちろん再びシャウラを下ろしサイクリング開始。

 だが、なんぼサイクリングと言っても、実は全日本の自転車ロードレースなども行われるこの全長12.3kmのコース、起伏も激しく一筋縄では行かない。

 既に午前のヒルクライムで脚を使い果たした感のある俺は、下ったと思ったらまた登りという油断のならないコースを、時折飛行機が直近で轟音を響かせる中何とか走りきった。
 ここは自転車持込であれば、100円を任意で払うことで何周でもできるんだが…流石に1周でお腹一杯オメオメと引き下がり、そのまま空港近くのホテルにチェックイン。

 次の日の帰りの便が7時35分という早朝便しかとれなかったため、この日にレンタカー屋に車を返し、帰りは自転車で…と思ったら親切な従業員のおねいさんがこの車でホテルまで送って下さった。

 流石に手馴れた感じで車を操るおねいさんの運転でホテルに向かう間、ちょっと話をしたんだが、どうも前述のサイクリングコースでは全日本だけでなく地元の人が参加するレースもちょくちょくやってるらしく、自転車を空輸してくるのはそう珍しいことではないらしい。
 道理で行きの時に輪行袋を持参しても、驚きもしない訳だ…

 謎が解けたところで、ホテルの露天風呂でほっと一息つき、空港でかったあなご飯をガツガツ食い、就寝。

 次の日は朝陽が煌く中、自転車で広島空港に行って、また輪行袋に入れて空輸。
 もちろん、羽田に着いたら着いたでまた自転車を組立て、何事も無かったかのように羽田から家まで爽やか汗ダクサイクリングをして、文字通り家に帰るまでが6輪旅行といった風情で最初から最後まで旅行を満喫したのであった。

無理矢理6輪旅行記in広島3「タカタニヤマノボレ」

2010-08-01 23:47:11 | 自転車
 広島二日目、朝の栄養補給を軽く?済ませた俺は、早々にホテルをチェックアウトし、再びデミオに乗り込み市街地を後に。

 ちゃっちゃっと広島高速、広島自動車道と乗り継ぎ、山陽の山あいを抜ける中国自動車道を走り、広島県三次市へ向かった。


 まず、読みが分からない人の方が多いと思うが、三次と書いて「みよし」と読む。

 正直、俺も今まで知らない街だったんだが、広島に田舎を持つ友人から話を聞き、是非一遍行ってみようと思っていたところである。


 三次インターチェンジで降り、軽くルートミスをして市内をくるっと回り道し、思ったよりは都会と見えた街をドライブ。

 市内めぐりは自転車でやろうと思っていたので、まず駐車場探しだ。
 市の中心にある三次駅。ここのド駅前の駐車場もそこそこ安かったが、「えっとできれば無料かそれに近いお値段が宜しいかと…」と貧乏人根性炸裂の俺様、引き続きクルクル市内を巡り、尾関山公園に到着した。

 ここはとりあえず駐車場がフリー(桜の時期はまた違うのかも知れないが)だったので、本当は公園利用者以外の利用はアレなんだがデミオを停めさせて頂き、駐車場近くの庭を見、ご不浄をお借りし、「では公園利用者となったところで…」デミオの後ろからチャッチャッと取り出したるは残りの2輪、シャウラ君。

 苛烈なお天道様の光に焼かれるまま、ドリンクの入ったボトルをケージにセットし、イザ三次サイクリングに出発。


 三次という街の特色の一つは、川が多いことである。
 メインの川である江の川(ごうのかわ)と、その支流である馬洗川、西城川等が絡み合い、混ざり合うこの地はその川の水温の差からか霧が出やすいらしい。
 その、江の川のほとりを自転車で走っているうち、高谷山(たかたにやま)という山へ登る道の入り口が見えてきた。

 これも友人から聞いていたのだが、三次市は四方を山に囲まれており、三次市内を一望できるスポットが幾つかある。
 事前に友人から拝借したガイドマップには、高谷山に霧の海展望所と書いてあった。

 「うーむ…折角三次に来て自転車に乗っているんだから、ここは一つ展望所まで登ってみるか!」とそらもう軽~い気持ちでシャウラのハンドルを山に向け、ペダルを回した。


 「あっ…俺の脚オワタ?」とフト思ったのは、山道に入って実に60秒後位のことであったな

 とにかく斜面が急なんである。
 しかも、急激に上がってきた心拍数に応えんと深く息をすれば、まるで喉が焼けるかのような熱気が辺りに漲っていた。

 すぐに出てきた看板には、展望所まであと4.何キロと書いてあった。
 こ、これは厳しいなんてもんじゃあない。

 とりあえず行ける所まで行ってみよう、ぐらいの気持ちで登り続けるが、ここんとこ登りは怠け切っていたためかギアを一番軽くしてもペダルが重い重い。

 この頃この地域を襲った大雨の影響か、一部通行止めになっていた道を迂回しつつ坂を登るが、道のりは果てしなく遠く感じられた。


 この感覚、久しぶりだ。

 真上に太陽があるせいで、日陰がほとんど無い山道を登るうち、身体全体が熱を発するような感覚が襲ってきた。
 だるいという状態を通り越して、意識が脳から逃げ出しそうになるギリギリのタイミングで、日陰を見つけ一旦休憩。

 マズイな。

 一応保温(保冷)仕様のボトルであるものの、すっかりヌルくなったスポーツドリンク、しかしそもそもその量が少なくなってきた。

 どうにも自販機が無さそうな山奥の道の中、完全に水がなくなったら流石にアウトだろう。

 だが、ここで引き返してはどうにも詰らん。折角ダウンヒルをやるなら一番上からが楽しかろう?というもっと詰らん理由から、再びヨレヨレと山の上に向かってペダルを踏ん張った。

 照りつける日差しの下、ペダルを回せばあっという間に心拍計は160台後半の数字を刻む。
 ひと漕ぎ、ふた漕ぎ。目の前をイタチか何かが通り過ぎ、脇の草むらに消えた。
 さらに漕ぎ、トカゲが鈍い光を放ちつつ走っていった。
 右、左、ペダルを回し、こんな時にフト、何故か足元の蟻ン子に目が行く。踏まないように。
 漕ぐ度に、身体がストーブにでもなったみたいに熱を放つ。少なくとも俺にはそう感じられた。
 汗と一緒に、意識が蒸発しそうになる、ギリギリ一杯のところ。

 この旅の前後、俺は自宅で衛星放送のツール・ド・フランスを観ていた。
 あれに出る選手達は、見た感じスンナリとどんな坂も登っていくように見えるが、やはり自分で登ってみるとその辛さが身に沁みる。

 喉が焼けるような、心臓が弾みすぎてハジケそうな、この強烈な感覚を味わえば、ツールの見方も変わるんじゃないか?

 アンディ・シュレックも、アルベルト・コンタドールも、こんな感覚といつも戦っているんだろうなあ。もちろんアイツらと俺とは次元が違い過ぎるんだろうが。

 そんなことを考えるような考えないような状態で、意識が飛ぶギリギリのところを保ちつつ、ひと段落。
 坂がなだらかになったところに、民家と、草刈機を操る地元の人、そして飲み物の自動販売機。

 九死に一生を得たような心持で、冷えたペットボトルを一本購入し、一口二口飲みつつボトルにも補充した。

 この先はあと少し…でも無かったりはしたんだが、にわかに日が翳り、一方山の木々は一層と生い茂りその結果日陰の多い道を走ることとなった。

 これでなんとかイケる。

 幾分気持ちが楽になりつつ、心拍数は相変わらず170手前を保ちつつ、ついに車が何台か止まっている場所が見えてきた。

 や、やっと展望台だ…

 そう思って自転車を降りると、高谷山ガイドマップかなんかの看板の近くに、展望台はこの先徒歩3分とあった。

 うっ…ここでもうちっとだけ歩かせるというのは…かなりプレイの仕方を心得ているなコンチクショウと思ったが、さりとて再び目の前の坂道を自転車で登るのは勘弁だったため、ヒイヒイ言いながら歩いた。


 展望台への坂を登り切ると、木々が立つ空地の奥にまるで古代の神殿のように、展望台が姿を現した。


 …てなところで、展望台からの景色は次回に回すことにして今回は高谷山の神殿ならぬ展望台の写真を載せておこう。