みずけん戦記

せめてもう少しだけ、走らせてくれ。

無理矢理6輪旅行記in広島4「無理矢理最終章」

2010-08-08 23:01:39 | 自転車
 広島県は三次市の、高谷山にある展望台。

 そこからの景色は、まさに息を飲む素晴らしさであった。

 まあ、やはりここまで自転車で、自分の脚で登ってきたという事実がいいスパイスになったのかも知れないが。


 写真を撮りつつ三次の街並みを眺め、俺は疲れた身体をしばし休ませることにした。

 画像の真ん中あたりに見える、馬洗川と西城川の合流した川を渡るアーチが特徴的な橋が、巴橋。
 画像では見えづらいが、この川はさらに画面下方で江の川(ごうのかわ)と合流する。

 三次の地理的特徴の一つがこの川たちであり、別のところから来た、つまり水温に差がある川が合流する関係でこの街は霧が出易いそうで、朝一でここに登ると朝霧に包まれた三次の街が見えるとのことである。
 そういう気候も手伝ってか、ここは昔から不思議な話が伝わっており、古くはあの水木しげる先生も漫画化したという「稲生物怪録」、最近では「朝霧の巫女」という、三次を舞台にした伝奇があるらしい(恥ずかしながら俺はいずれも未見)。

 一方俺は、展望台に置いてあった寄せ書き帳をチラ見し、いかにもカップルらしき二人の連名で「感動しました!また二人で来ようね」的なラブラブそうな書き込みを見るにつけ、「『自転車を空輸してきて、折角だから自走で登っちゃいました、てへ☆』とか書いてる人いねーかな…いるわけねーよな…」と、世間と自らの行動のギャップに愕然としながらも、「さー感動した後は当然昼飯ですよねー」と、さっきまでの感動はどこへやらでケータイで麓の食事処を検索。

 三次では、何でもサメのことをワニと呼び、要するにその「ワニ料理」というのがあるらしいんだが、ちょっとそういうお店が見つからなかったため、普通の洋食屋「TAKIYA」にお邪魔した。

 TAKIYAは前回の仙台旅行の時のEVANS'89程の大当たりでは無かったが(失礼)、手ごろな値段でドリンクバーもついており、料理も割とおいしかった。穏やかな雰囲気のお手ごろな洋食屋という感じだったかな。

 その後は、三次市内でないと中々売ってない淡雪という、フワフワとして口の中でとろける、儚ささえ漂うフシギなお菓子を購入し、車を置いてある尾関山公園へサイクリング。


 三次から尾関山方面に向かう道すがら、うだつのある古い家が並ぶ通りがあり、うだつの上がらない男関東代表としては、これで多少なりとうだつが上がれば良いのだが…と思いつつ自転車で通り抜け、公園に帰還。


 その後は、車で山道をドライブし、そのまま宿へ…と言いたいところだが、そこはホレ6輪旅行と書いたからにはもうちょい自転車に乗らにゃあいけん、ということで広島空港周辺にある広島中央公園のサイクリングコースに寄り、もちろん再びシャウラを下ろしサイクリング開始。

 だが、なんぼサイクリングと言っても、実は全日本の自転車ロードレースなども行われるこの全長12.3kmのコース、起伏も激しく一筋縄では行かない。

 既に午前のヒルクライムで脚を使い果たした感のある俺は、下ったと思ったらまた登りという油断のならないコースを、時折飛行機が直近で轟音を響かせる中何とか走りきった。
 ここは自転車持込であれば、100円を任意で払うことで何周でもできるんだが…流石に1周でお腹一杯オメオメと引き下がり、そのまま空港近くのホテルにチェックイン。

 次の日の帰りの便が7時35分という早朝便しかとれなかったため、この日にレンタカー屋に車を返し、帰りは自転車で…と思ったら親切な従業員のおねいさんがこの車でホテルまで送って下さった。

 流石に手馴れた感じで車を操るおねいさんの運転でホテルに向かう間、ちょっと話をしたんだが、どうも前述のサイクリングコースでは全日本だけでなく地元の人が参加するレースもちょくちょくやってるらしく、自転車を空輸してくるのはそう珍しいことではないらしい。
 道理で行きの時に輪行袋を持参しても、驚きもしない訳だ…

 謎が解けたところで、ホテルの露天風呂でほっと一息つき、空港でかったあなご飯をガツガツ食い、就寝。

 次の日は朝陽が煌く中、自転車で広島空港に行って、また輪行袋に入れて空輸。
 もちろん、羽田に着いたら着いたでまた自転車を組立て、何事も無かったかのように羽田から家まで爽やか汗ダクサイクリングをして、文字通り家に帰るまでが6輪旅行といった風情で最初から最後まで旅行を満喫したのであった。

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