現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

森忠明「秋草日記」少年時代の画集所収

2017-09-27 08:03:59 | 作品論
 仲のいい女友だち(美人で、習字では大きな賞を取り、女医を目指す優等生で、学校一の俊足と何拍子もそろった、森少年とは不釣り合いな女の子です)のことを、十月の日記の形で、習字塾、運動会、彼女の通う無慈悲な進学塾(定期テストに欠席すると、所属するクラスのランクを大幅に落とす)などをからめて書いています。
 断片的で統一したイメージがつかみづらく、正直言ってあまりいい出来ではありません。
 特に、六年生にしては大人びた価値観(なんでも力を発揮しないといけないと思いこんでいる。そうした自分の気持ちを、これみよがしに男友達(森少年)に話す。)に凝り固まった女の子に、陰で悪口を言う同級生の女の子たちと同様、読者もあまり好感は持てないでしょう。

少年時代の画集 (児童文学創作シリーズ)
クリエーター情報なし
講談社

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