この巻では、肉食獣と草食動物の微妙な距離感が描かれています。
主人公のハイイロオオカミのレゴシ(高校二年生)は、肉座禅(肉の塊をつるした前で、肉食欲に耐える)の影響か、あごの噛む力が衰え、その分四肢の力がパワーアップします。
学園内での食殺事件が起きてから、肉食獣と草食動物には溝ができてしまっていますが、それぞれの動物がその溝を乗りこえる努力を始めています。
うがった読み方をすれば、荒廃してしまった学園を、生徒たち自身が、大人たちの力を借りずに(パンダの精神科医のゴウヒンを除いて)自分の力で立て直そうとしているとも読めます。
そうしたストーリー構成は、かつての現代児童文学(1980年代の後藤竜二や長崎夏海の作品など)を思い起こさせて興味深いです。
主人公のハイイロオオカミのレゴシ(高校二年生)は、肉座禅(肉の塊をつるした前で、肉食欲に耐える)の影響か、あごの噛む力が衰え、その分四肢の力がパワーアップします。
学園内での食殺事件が起きてから、肉食獣と草食動物には溝ができてしまっていますが、それぞれの動物がその溝を乗りこえる努力を始めています。
うがった読み方をすれば、荒廃してしまった学園を、生徒たち自身が、大人たちの力を借りずに(パンダの精神科医のゴウヒンを除いて)自分の力で立て直そうとしているとも読めます。
そうしたストーリー構成は、かつての現代児童文学(1980年代の後藤竜二や長崎夏海の作品など)を思い起こさせて興味深いです。