2017年のアカデミー賞外国語映画賞を受賞したイラン映画です。
主人公の演劇俳優(高校教師もしているので、セミプロか?)の妻(女優)が、引っ越し先のアパートに侵入してきた男に性的暴行を受けます。
妻が事件を公にすることを拒んだため、主人公は独力で犯人を捜し出し、罪の報い(その男の家族の前で事件を告白させる)を受けさせようとしますが、妻は犯人が病気がちな老人であることを知って、罪の報いを受けさせることに反対します。
事件を通して主人公の夫婦の関係には修復しがたい亀裂が入りますし、ラストで犯人の老人も心臓発作を起こして倒れます。
全体に暗いエピソードが続きますし、結末も決して明るくないのですが、いろいろなことを考えさせてくれる作品でした。
まず、近代化が進むイランの都市の様々なひずみ(冒頭で、主人公夫婦が住んでいたアパートは、隣の敷地の違法工事のために崩壊しそうになり、引っ越しを余儀なくされます。住宅難でなかなか引っ越し先は見つかりません。やっと見つかったアパートの前の住人は娼婦で、その部屋に客を引き入れていたようで、客の一人が暴行犯の老人だったのです)が、リアルに描かれています。
次に、家族のあり方(主人公夫婦が新しい家族の、犯人の老人の家族が古い家族の、典型として描かれています)とその崩壊(劇中劇で、主人公夫婦はアーサー・ミラーの「セールスマンの死」を演じていて、映画自体との二重構造で、「家族の死」を象徴しています)を描いています。
最後に、一番重要なテーマは「赦し」だと思われますが、イラン人と日本人のメンタリティにはかなり違いがあるようで、日本の観客には納得しがたい点もあったと思われます。
主人公の演劇俳優(高校教師もしているので、セミプロか?)の妻(女優)が、引っ越し先のアパートに侵入してきた男に性的暴行を受けます。
妻が事件を公にすることを拒んだため、主人公は独力で犯人を捜し出し、罪の報い(その男の家族の前で事件を告白させる)を受けさせようとしますが、妻は犯人が病気がちな老人であることを知って、罪の報いを受けさせることに反対します。
事件を通して主人公の夫婦の関係には修復しがたい亀裂が入りますし、ラストで犯人の老人も心臓発作を起こして倒れます。
全体に暗いエピソードが続きますし、結末も決して明るくないのですが、いろいろなことを考えさせてくれる作品でした。
まず、近代化が進むイランの都市の様々なひずみ(冒頭で、主人公夫婦が住んでいたアパートは、隣の敷地の違法工事のために崩壊しそうになり、引っ越しを余儀なくされます。住宅難でなかなか引っ越し先は見つかりません。やっと見つかったアパートの前の住人は娼婦で、その部屋に客を引き入れていたようで、客の一人が暴行犯の老人だったのです)が、リアルに描かれています。
次に、家族のあり方(主人公夫婦が新しい家族の、犯人の老人の家族が古い家族の、典型として描かれています)とその崩壊(劇中劇で、主人公夫婦はアーサー・ミラーの「セールスマンの死」を演じていて、映画自体との二重構造で、「家族の死」を象徴しています)を描いています。
最後に、一番重要なテーマは「赦し」だと思われますが、イラン人と日本人のメンタリティにはかなり違いがあるようで、日本の観客には納得しがたい点もあったと思われます。
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