亡くなった父方の叔父が、作者のもとを頻繁に訪れるようになったことから、話が始まります。
この世と彼岸との境が不分明なのは、作者の独特の世界(持病のナルコレプシーの影響もあるかもしれません)なのですが、そこから、父や父方の祖父の話になり、亡くなった多くの親類縁者に話が広がります。
その過程で、故郷の鱈子(架空の地名のようです)に関連した父の齟齬を通して、家系図や先祖代々の墓などがいかに意味のないものであるか、それよりもその時々の人々が確かに在ったことが重要なのだということが語られます。
若いときに読んだときにはほとんど読み飛ばしていましたが、作者が死んだ年齢を超えて両親ともに亡くなった現在では、作者の言いたかったことが身に沁みるようになりました
この世と彼岸との境が不分明なのは、作者の独特の世界(持病のナルコレプシーの影響もあるかもしれません)なのですが、そこから、父や父方の祖父の話になり、亡くなった多くの親類縁者に話が広がります。
その過程で、故郷の鱈子(架空の地名のようです)に関連した父の齟齬を通して、家系図や先祖代々の墓などがいかに意味のないものであるか、それよりもその時々の人々が確かに在ったことが重要なのだということが語られます。
若いときに読んだときにはほとんど読み飛ばしていましたが、作者が死んだ年齢を超えて両親ともに亡くなった現在では、作者の言いたかったことが身に沁みるようになりました
怪しい来客簿 (文春文庫) | |
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