現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

藤沢周平「榎屋敷宵の春月」麦屋町昼下がり所収

2017-06-24 14:45:29 | 参考文献
 ふがいない夫を尻目に、藩の不正に立ち向かう武士の妻を描きます。
 小太刀の名手の彼女は、不正の黒幕の刺客を、死闘の末に倒します。
 江戸時代に本当にこんな女性が存在したかどうかは別にして、どの作品にも魅力的な女性が登場するのは作者の大きな美点の一つでしょう。

麦屋町昼下がり (文春文庫)
クリエーター情報なし
文藝春秋
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

藤沢周平「山姥橋夜五ツ」麦屋町昼下がり所収

2017-06-24 09:20:31 | 参考文献
 不条理な理由で家禄を減らされた下士の男が、藩主怪死などの謎に挑みます。
 こうした不遇な下級武士に対しては、作者はなみなみなるぬ愛情をそそぎますが、おそらく会社などで同じような経験を持つであろう多くの男性読者たちも共感を持っていたことでしょう。
 謎自体も謎解きも他愛ないものなのですが、この程度の方があまり頭を使わずに気楽に読むのには適しているのかもしれません。
 謎解き(というほどのものではありませんが)の方に紙数を割いたため、お約束の主人公のロマンス(事件に絡んで離縁していた妻との復縁)や斬り合うシーンは、この作品では物足りませんでした。

麦屋町昼下がり (文春文庫)
クリエーター情報なし
文藝春秋
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする