God is in the details ~神は細部に宿る~

一箱古本市専門店《吉田屋遠古堂》主人のぐうたらな日々。。。。

逆説

2011-04-09 18:06:16 | 日々の暮らし

福島第一原発の事故以来、度々名前の挙がる
IAEA国際原子力機関

なにもの?

今の事務局長は日本人で、
今回の事故に対して専門家を送り込んだり、
助言や提言をしてくれたり。
なんとなく、政治的に編成された
原子力の専門家集団のような気がして
彼らに任せれば大丈夫!というような気になってしまう。

IAEAは1957年に設立された国連傘下の自治機構である。
ソ連の核兵器開発に対抗して「原子力の平和利用」を
打ち出したアメリカのアイゼンハワー大統領の肝いりで設立され、
、原子力の貢献を促進、増大する一方で、
その技術が軍事転用されないように監視もしている。
つまり。。。原子力推進派の集団なんだなぁ、これが(爆)
だから、原子力発電所導入を決定した国に対して
技術供与とかも実施しています。

原子力を推進する上で、やはり事故があっては不都合なので
今回もかなり気をもんでいるだろうなぁ。
安全基準については、やっぱりチェルノブイリ事故以来
そうとう過敏になっているようで、
逆に言えばそれまでは割に軽く考えていたのかしら??
意外に原子力の「平和利用」の範囲内では
脇が甘かったようだ。。。。

で、事務局長の天野さんは
原発が安定したクリーンなエネルギーだという事実は変わらない
申しておるようです。
市民レベルではともかく、IAEA加盟139カ国の
政府レベルではきっとこの発言が支持されるんでしょうね。

個人的には将来的には脱原発の方向に行くべきだろうと思っていますが
それにしても「事態がある程度終息してから」
取り扱いについての議論をするべきだと思っています。
現時点での原発論は不安感からくる
感情論に訴えた方が勝ちますから。

それと、6基同時被災(被災であれば福島第2と女川も同時だが)
しかもライフラインがずたずたになっている中で
ひと月のあいだある意味安定した状態にあるということは
やはり評価するべきだと思います。
地震直後に少なくとも緊急停止したこと
炉心溶融や水素爆発はあったにせよ
「大気中核実験」が実施されていた時代よりも
クリーンな状態を維持している(らしい)ことは
安全マージンのとりかたに問題はあったにせよ
評価されるべきだと思います。

もちろん、だからといってこの事故を
容認する気は毛頭ありません。
あまりにも無責任な東電の体制と
後手後手で弱腰の政府の対応には怒りを覚えます。
ただ、原発で培われた技術と経験が
「原発だから」の一言で全て否定され、封印され
他に技術転用できなくなったら、それこそ損失です。