God is in the details ~神は細部に宿る~

一箱古本市専門店《吉田屋遠古堂》主人のぐうたらな日々。。。。

るく萌え~

2006-04-23 18:23:31 | その他
 いや~、はまった、はまった(爆)一日で全巻揃えてしまった。

 漫画界の裏中堅(笑)あさりよしとお氏の近作、といっても現在も連載中ですが、るくるくは凄いです。非常に個人的にですが。

 宇宙家族カールビンソン以来、氏にはコアなファンはつくものの決して商業的に大成功をおさめているわけではありませんでした。しかし、ここに来てブレイクの兆し!?とはいえ、私はと言えば、しばらく前から連載が始まっていたにもかかわらず、先日初めてその存在を知ると言う失態を犯してしまいました。最近は本屋って行ってないから、何が出てるかわかんないんです。

 さて、あさり氏はもともとほのぼのタッチのコメディーに適度にマニアックなSFやアニメなどのネタを絡ませる手法で、どちらかというとそれほど一般的ではない漫画家さんでした。また、豊富な科学知識と独自の作風で科学マンガ「まんがサイエンスシリーズ」など、堅実な?作品もあります。

 簡単に言ってしまうと、あづまひでおのマニアックさと安永航一郎のミもフタもなさを足して、萌えで薄めたような(爆)

 話はこうです。ある朝突然、貧乏でさえない男の子の家に、突然ちょっとドジな不思議っ娘が同居を始める・・・・
うわぁぁぁぁ~~~べったべただぁ!
 もともとこのパターンは「うる星やつら」で確立されたのですが、「つねにビキニでいる女の子」が少年と同居するという通常では考えられない非日常的な状況に、彼女は雷様だからという理由で、一気にリアルな日常に転換してしまった高橋留美子は、今になってみればかなりエポックメイキングな漫画家でした。

 この「彼女は○○だから、一緒に暮らすようになった」パターンはそれ以降、組み合わせやキャラクター、状況設定を手を替え品を替え、現在までまんがのある種の王道となっています。かなり食傷している方もおられるでしょう。るくるくのばあい、その理由が明確にされていない点がちょっと新しいと言えば新しいかもしれません(笑)そして、主人公のるくこと瑠玖羽は地獄に咲く花とよばれる地獄から来た姫である。もうこの辺で、ダメな人はダメでしょう(笑)
こんな感じですよ。私はこの紺ハイと絶対領域で、轟沈です

 で、この姫の後見人としてでてくるのがかかしです。これが侮れない。あさり氏の作品が持つもう一つの特徴である、シュールでニヒリスティックな部分を、このブブとよばれるカカシが、一手に引き受けているのです。

 結局、るくに萌えて、ブブで醒めるという非常にバランスの良い作品であり、それゆえ後先考えず、思いっきり萌えられます。とってつけたような、天使と悪魔の相克とか人間の価値観に対する疑問とか、どうでも良いのです。つまるところあさり氏が確信犯的に産み出す萌えキャラがすばらしい!!この作品は「化学調味料はものをおいしくするために開発されたものだから、それを使うのだからおいしくないわけが無い」という感覚がわかる人にお勧めします。手段のためには目的を選ばないあさり氏が、萌えのためだけに産み出したキャラクターをご堪能くださいな。