God is in the details ~神は細部に宿る~

一箱古本市専門店《吉田屋遠古堂》主人のぐうたらな日々。。。。

人は石垣、人は城!?

2004-11-09 03:00:58 | 歴史/民俗/伝統芸能
 石造物/磨崖仏といえば高円寺の吉田達也さんが有名です(笑 気にな方はヤフーで”MAGAIBUTSU”と検索してください)。石は世界中にありふれた資材であり、人々は石を使って記念碑から宮殿まで様々なものをつくってきた。

 さて、かつてたとえば中南米のピラミッドについて、巨大な石材を寸分の狂いもなく積み上げたその技術は大きな謎として語られてました。少年マガジンのグラビアページとかで。余談ですが私が子供の頃には少年誌のグラビアには、アイドルの水着なんて載ってなかったぞ!!あと、ピラミッドは「ムー」とかにも「驚異の古代技術」特集みたいな感じで、よく載ってた。
 
でもねぇ・・・そういうのを未だに信じている方は(いないとは思うけど)、大阪城の石垣を見なはれ。あれもほとんど人力で、タガネとノミで切り出して、人力と馬力で運んで、梃子の原理で積み上げたものザンす。一昔前は「ピラミッドは宇宙人がつくった」なんて言ってた人もいたけど、さすがに「大阪城は宇宙人がつくった」って言う人はいなかった。技術的には大差ないのに!大阪城の石材は木製の修羅とよばれる「橇」とコロを使って運搬されたのだが、エジプトのピラミッドの石材も同様の手段で運ばれていたのがわかったのは比較的最近の話。もちろん持ち上げて運ぶわけにはいかないから、引きずって運ぶしかない。であれば、いかに摩擦をなくすか、人の考えつく方法なんてみーんな同じ。

 でも中国はちょっと違う。発想の方向が違うと言うか、スケールが違うと言うか、多分これは中国でしか行われなかった事だと思うのだが。もっとも、この話は私にしては珍しく誰に聞いたか、あるいは何で読んだかも思い出せないので、もしかすると私の妄想かもしれない(笑)まず石切り場から建設現場まで道路を造る。これはおそらくどこでも一緒なのだろうが、中国のことだからうんざりするほど長い道なんでしょう、きっと。次に、一定の間隔で井戸を掘る!!そして冬になると、井戸の水を道路にまいて路面を凍らせ、その上を資材を滑らせながら運ぶのである。効率がいいのか、悪いのか。一度インフラを整備してしまえば、そのあとのコストをきわめて低く抑える事が可能であるのだから、
「これから千年ぐらいは使ってやろう」
というくらいの意気込みであれば、きわめて有効な手段である。なんせ白髪だけで三千丈の国だから!
<つづく>