とめどもないことをつらつらと

日々の雑感などを書いて行こうと思います。
草稿に近く、人に読まれる事を前提としていません。
引用OKす。

何故作業が手に付かないのか

2015-12-27 19:04:59 | 雑感
やらなければいけないこともいざという時になかなか手につかない。
これは何故か。自分の類推・雑感メモとして記載する。

恐らく私は「やらなければいけないこと」という仕事は、やる気によってやらなければならないと信じているのではないか。
つまりモチベーションがあがらなければ仕事はできない。雰囲気が出なければできないなんてことになりかねない。それらは仕事に不要なものだ。あるいは、義務感や使命感が無ければできないというのも半分正解で半分誤りかもしれない。その義務が対外的に無くなった時に、自分の中に持っている脆弱な理念だけで仕事をこなすことができるか? 

本来の答えは、やる気やモチベーションに頼らない、ということになるかもしれない。それではそれをやる為には何をせねばならないか? 

人間の行動は衝動的に主観的に即座に答えを出すホット部分と、時間をかけてそれを冷却し、客観的に答えを出すクール部分に分かれる(詳細は「マシュマロ・テスト」を参照)。ホットは瞬間的、直感的に即座に答えを出し、行動をさせようとするが、その全てが間違いである事が多い。このホットを上手く冷却できる人間、即ち自制できる人間が将来的に成功するといわれている。

従来言われている「やる気」や「モチベーション」というのは、私個人が考えるに、ホットの部分ではないだろうか。そしてホット部分を管理するクール部分にそのTodoたる仕事の管理を冷徹に任せるべきなのではないだろうか。

「やる気がなかなか起きない」「モチベーションが高まらない」というのは巷に溢れるよくある悩みだ。だが、常に情熱に溢れるホット部分にそれを任せてしまっては、仕事の出来具合に波が出来てしまう。これではいけない。

よってクール部分にその管理を委ねることである。

このホットな行動をクールで管理する、というのには一定の方程式、ある種のコツのようなものがある。

それは、「自身がやろうとしている行動とその結果を客観視し、それを言葉にして客観的に理解する」ということである。
情動は哲理的理解の理性によって冷却され、コントロールすることができる。

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【脚本】(パトレイバー)後藤隊長と榊整備班長の会話(2)

2015-12-27 12:51:01 | 脚本
場面は会話のみ、登場人物は基本二人のみ。長話のみ。>

小さめの警察用テントの下、将棋を打つ二人。
少し遠目のテレビを見る。
古めのブラウン管の画面には、レイバー犯罪の増加を告げるニュースが流れている。

榊「物騒だねえ」
後藤「そうですねえ」

榊「今見たいな平和な時もありゃあ、出ずっぱりな時もある。」
後藤「運用体制の見直ししなきゃいかんですな。」

榊「ヒマだったらヒマで報道陣がうるさいからな。ヘリまで出してくる。」
後藤「あのビーチパラソルはいい具合だったんですけどね。出し入れに手間がない。」

榊「ところで後藤さんよ。また難しい話ししていいかい」
後藤「え? いいですよ? 」

榊「技術ってなどこまで進むんかな、ってな」
後藤「どうでしょうね。どこまでも行きますよ。」

榊「どこまでもっつっても無理な話しもあるだろう。」
後藤「? 例えば? 」

榊「タイムマシンとかだな」
後藤「うーん。」

榊「どうした」
後藤「いやあ、あれは擬似的に可能なんじゃないかと思うんですよ。」

榊「! 」
榊「冗談だろう、おい。」
後藤「いや、言うと人に笑われるんで話せないんですよ。」

榊「待て、俺は笑わねえ。それよりもその話しが聞きてえ。」
後藤「例えば、の話しですよ。」

後藤「理論的に無理でも、擬似的にそれを成し遂げてきたことは沢山あります。熱力学第二法則では必ず熱い物から冷たいものへと温度が流れ、その逆は無い。というと、ここからは冷蔵庫やクーラーエアコンはできませんが、擬似的にそれを迂回する形で実現しています。飛行機だって、鳥の模倣をしようとすれば、本当はフラップター形式でなければいけなかったが、固定翼で実現している。食べ物を温めるには火が無ければいけなかったけれども、現在は電子レンジがある・・・」

榊「タイムマシンもそんな感じで可能ってわけかい」
後藤「いや厳密には違うんですけれども、タイムマシンには、単純に時間移動するものと、時間はそのままだけれども、過去や未来を改編するもので分かれると思うんです。」

榊「うん? 」
後藤「ここからですが、コンピュータのAI深度学習のディープラーニングによって、未来結果が予測できるのであれば、そのバタフライエフェクトとなる現在における拮抗点や、いずれ到来するだろう未来の拮抗点を見出し、未来をコントロールすることができるのではないか・・・とね。」

榊「・・・」
榊「後藤さん、あんたどういう人なんだい。」

後藤「例えば、テロを未然に防いだり、その原因となる社会不安の原因そのものを防いだり、あるいは戦争での勝利拮抗点を事前に掴むことができるかもしれない。無論、現在はアメリカとロシアがやっていて、日本はそれをやる度胸はない。防衛ならまだしも攻勢に至るまでの地政学的発想は、この国の根幹からそがれてしまっている。」
後藤「対テロ用のビッグデータの解析は既に2014年以前で採用しています。NSAはもっと前かな。」

榊「公安とかはもうやっていそうな気はするがな。」
後藤「どうでしょうね。」
後藤「榊さん、これオフレコね。公安が仮にやっていたとしても、政府決定にならなきゃ意味が無いんですよ。その意味で機能はしていない。今、国家安全保障会議(日本版NSA)って登場したでしょう。」

榊「したな。」
後藤「それと国家の官僚組織ってどことどこが仲悪いか分かります? 」

榊「いや、お上のことは分からねえ。」
後藤「仲いいところはいいんですが、基本的に軍と警察と外交はどの国でも仲悪いらしいです。」

榊「おい、後藤さん、あまりキモが冷える話しは御免だぜ。」
後藤「いや、日本特有の事情じゃないから大丈夫。」
後藤「どこの国でもそうですが、国家の一番上に統合するような情報組織が無かったのが問題です。それを統合しようとした時に、警視庁と外務省が走った。」

榊「自衛隊は? 」
後藤「自衛隊はそれなりに展望はあるが、先日庁から省に上がったばかりです。今目に見えて動いているのが今言った二つです。」

榊「そんなに激突しているもんかね。全然分からねえが・・・」

後藤「以前まで統合する情報組織として存在していたのが、内調のCIROだった。でもこれは実質的な機能をしていなかった。色んな省庁から派遣でくるけれども、重要な情報は警察には持って来なかったりする、らしい。」
後藤「でも最近は外務省主導で、そういうのが新しく出来た。国家安全保障会議です。」

榊「素人考えなんだが、じゃあ外務省に任せりゃ・・・という訳にもいかんか。」
後藤「警察のメンツもありますし、あと警察の上は外務省を信用してませんよ。あれらは半分スパイだと思ってる。」

榊「後藤さんはどう思っているよ。」
後藤「いやあ、どうとも。」

榊「」
後藤「」

榊「まあいいや、擬似的に可能ということか。」
後藤「飽くまで私の仮説ですよ。」

榊「あとは不老不死とか、物質転送か。」
後藤「そうですな。」

榊「もしかしてこれも可能か? 」
後藤「これもちょっと解説が要ります。」
後藤「不老不死研究は現在実現していません。ただ老化を遅らせてこれもまた擬似的に健康な体を延命させる処置は進んでいて、恐らく2032年前後に実現予定です。2012年での英ケンブリッジ大学研究員で老年医学研究を進めている報告からではあと20年後に実現するだろうと。」

榊「まるでSFだな。」
後藤「ライト兄弟もさんざんバカにされましたが、でも今の世界はそれを当然として使用している。」

後藤「それと、物質転送はある程度実現しています。」
榊「!? 教えてくれないか。」

後藤「スタートレックって観ました? 」
榊「いや、見てない。」

後藤「その映画の中でのアイテムがあるんですが、「レプリケーター」というやつです。紙のコピーを取るように、物質のコピーが取れるという未来のアイテムです。」
榊「それが実現しているのか。」

後藤「完全ではないです。3Dプリンターってありますよね? 」
榊「ある。でもあれは転送として微妙じゃないか。」

後藤「あれを応用したんです。2012年に英グラスゴー大学で、実際の分子を分子レベルでプリントすることで、薬品の製造に成功しています。」

榊「何でもありだな・・・」
後藤「でも高分子化合物や有機物、あるいは生物は当然ながら難しい。動かない薬品ならまだしも、生きている対象や組成が複雑なものは基本的に時間がかかりますから。」

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【脚本】(パトレイバー)後藤隊長と榊整備班長の会話

2015-12-27 09:52:49 | 脚本
<場面は会話のみ、登場人物は基本二人のみ。長話のみ。>

大きめのビーチパラソルの下、将棋を打つ二人。
少し遠目のテレビを見る。
古めのブラウン管の画面には、イングラムと格闘している重量級土建型レイバーのタイラントとの闘いが映されている。
イングラムが器用にもタイラントの操行を指先を使って剥がしていき、最後にはコクピットの装甲まで綺麗に剥がして、犯罪に使った操縦者の説得をしている。


榊「なあ後藤さんよ」
後藤「何でしょ」

榊がアゴをテレビ画面に向ける。

榊「あれどう思う。」
後藤「ああ、泉ですか。最近は説得の手際も良くなって。」

榊「いや違う。機械の性能のことだ。」
後藤「申し分ないです。整備への意見ですか? 」

榊「いやそうじゃねえ、技術が何か発展したなあ、と思ってな」
後藤「指先、あそこまで器用になるとは思いませんでしたね。」

榊「嬢ちゃんの「仕込み」も結構あるんだが、それ以前にコンピュータのことだ。」
後藤「その感じだとこの前悪用されたHOSのことを言いたいんじゃなさそうですね。」

榊「そうだ。もっと根幹の・・・何て言えやいいのか・・・」
後藤「未来に向かった技術革新のメインストリームとか」
榊「それかもな。あれ、どこまで行っちまうんだろうな」
後藤「想像もつきませんな。」

榊「後藤さん、もし知っていたらでいいんだが、どこまで行くかというのをあんたなりに考えたりしやせんか」
後藤「いやーとは言っても」

榊「俺が子どもの頃、掃除機をバラして親に怒られてから、機械なんて変わるもんじゃねえ、って思ってたんだよ。だが今、あらぬ方向に行こうっていうのが分かる。」
後藤「そうですな。ディープラーニングとか」
榊「人工知能の深度学習のことかい。」
後藤「元々我々が今まで家電とか機械を使っていたのは、少なくとも我々の人間的判断が根幹に必要だった。それがディープラーニングによってコンピュータへ委託されようとしている。」
榊「経験や判断までもが外部委託の時代か。警察は大丈夫なのかい、それで。」

後藤「人間の性質の大規模学習をコンピュータにやらせるんですな。人間の心理や精神状態として、いつ突入すべきか、どういう文言で説得に当たるのか、そういうのをコンピュータがはじき出す時代に来ている。今は株や天気などの定型のニュース配信にしか使われていないが利用範囲は拡大されます。」
榊「時代かね。そういうのには慣れんな。」
後藤「残念な必然ですよ。そのうちバックアップや指揮や隊長がいらなくなる。警察は先日の悪用もあってか、及び腰で導入はまだ先でしょう。でもいずれはやる。アメリカが先駆けになるでしょうね。」
榊「やれやれ、嫌な時代になったもんだ。整備もその内オートか。今の俺の愛している手の内の技術は変わって欲しくねえもんだがな。」
後藤「いつの時代もそんなもんですよ。ラッダイト運動とか。」
榊「なんだそりゃ。」

後藤「イギリスで技術革新が起きた時に、手工業で食っていた職人がみんなクビになりそうになって暴動起こしたんですわ。」
榊「・・・」
榊「・・・」
榊「・・・」
榊「後藤さんよ。あんた、まさかとは思うがクーデターは起こすまいな? 」

後藤「いや、本職は上から来た命令をこなすだけで。」
榊「だといいが」
後藤「(榊さんもやりそうな気がするけどね・・・)」

榊「すまん、もうちっと話つきあってもらえるか? 」
後藤「大丈夫ですよ。」
榊「もっとその根幹を聞きてえ。人間と技術の間にどんな本質があるか。」
後藤「今日は哲学的ですね。」
榊「いや、何か今後”ウチ”の運用で何か重要なヒントがありそうな気がしてならねえ。勉強は苦手だがな、しかし後藤さん、あんたなら噛み砕いて説明してくれそうだ。もしできれば、でいい。いつか教えて欲しい。」
後藤「今でも大丈夫ですよ。」
榊「いや、すまねえ、突然にこんなことを言っちまってな。」
後藤「全然大丈夫です。でもちょっと長くなりますがいいですか? 」
榊「(頷く)」
後藤「まず人類学的には、人間は常に新しい何かを生み出し続ける動物です。人間が鋭い爪やキバを持たないのに、なぜ他の動物を狩ることができたのか。頭がいい、というのはそれっぽい答えですが、より本質に近い答えがある。それは人間が石器を作る習性があったからです。クモが本能的に巣を作るように、ビーバーが本能でダムを作るように、鳥が種別の特有の巣を作るように、人間には知識がなく原野に放り出されたら手の平サイズの打製石器を作る習性があったんです。遺伝子の外形的発露というヤツです。これはどういうことかというと、人間には、その本来生物的に持っている能力以上の能力を、自分の手で作れることを意味していました。実を言えば、この時から技術革新は始まっている。」
榊「ほう。」
後藤「単に腕力があるヤツが動物を仕留めるのと、腕力は無いが、道具を使って仕留めるヤツ。収穫が大きいのは後者なのは当然です。そういう流れを繰り返してきた。」
榊「なるほどな。」

後藤「問題はその後。人間はよりよい社会を体験する為に発明を覚えた。」
榊「そこまではいいや。」

後藤「そして次の段階、発明自体の発明、という概念も手に入れた。」
榊「怪しくなってきたな。」
後藤「そして今、それをもコンピュータにやらせようとしている。我々が制御できなくなるという--」
榊「それだ。その制御ができなくても大丈夫なのか。」

後藤「これ、私の一意見なんですがね。制御できようができなかろうが、社会はきっとそういう選択をしますよ。」
榊「(ため息をついて深く座る)」

後藤「人間は遺伝子の外形的発露を行う。より良い武器を得る為に、自分の種族での爪が強いやつ、キバの鋭いやつが、淘汰圧で選択されていくのよりも、石器を作る方を選択した動物です。衣服もそう。あれは第二の皮膚です。寒さ、傷、怪我、あるいは毒蛇の噛みつきからも守ってくれるかもしれない。人間は自動車を発明した。より簡単に遠くに早く行くためです。より大規模な工事ができるように重機も発明した。自分が強化したいという生命的機能を外部に発現するんです。アウトソーシングするんです。そして今」
榊「頭脳か」
後藤「そうです。ディープラーニングによって、最適解を出す頭脳的発露をアウトソーシングしようとしている。これは人類史にとって必然の流れですな。」

榊「現実とは思えねえな。」
後藤「まあ実際には我々が死んでからですよ。順番もある。」
榊「順番? 」
後藤「まずアメリカがそれをやる。日本はそのおこぼれを貰う。」
榊「気に喰わねえ。」
後藤「アメリカはまずそれを欲しますからね。軍事的展開に関わる重要なものは、地政学的見地よりに開発させない。」
榊「要は日本に強くなって欲しくないということか。」
後藤「抑えておく必要があるんですよ。戦争になったら面倒になる。」
榊「なるほどねえ。」

後藤「TRONが潰されたでしょう。あれも国際戦略のたまもんです。」
榊「日本は日の目を見ることはねえのかい。」
後藤「軍事的に重要な産業は全部抑えられていますね。戦闘機、飛行機製造、コンピュータ、軍事用造船、戦車、武器・兵器開発・・・」
榊「残っているのは、商業造船、自動車、レイバーくらいなもんか」
後藤「家電はアメリカ的に許容していたみたいですけど、全部東南アジアに取られちゃいましたからね。」
榊「情けねえ限りだな。今ある日本の強みってなんだ。アニメとかマンガとかゲームとか・・・お目こぼしを貰ったものしか発展しねえ。くだらねえ。」
後藤「でも間隙を縫っている企業もあります。ソニーとかホンダとか。」
榊「それは昔の話だろう。いや、今だって繁盛しているだろうが、そういう企業を恒常的に出さないといけねえんじゃねえか。」

榊「どうもいけねえ気がする。」
後藤「と言いますと? 」
榊「今まで日本は独自のプライドを持って「オラが村」の製品を作り出していた。」
後藤「そうですな。」
榊「それは時として相手の国と敵対しちまう。それじゃあいけねえ。商売やるにはイスラエルみたいな感じでやらなければいけねえんじゃねえか。」
後藤「(警察も商売みたいなもんか・・・な? )」
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【脚本】ブルボン会議室

2015-12-27 02:19:37 | 脚本
製菓メーカーであるブルボンである。

質も味も全く悪くなく、競合他社には胸を張って、「ウチの製品は美味しい! 」と絶対にいえる。本当に美味しいものの開発に余念はない。
しかし競合のグリコやMeiji、森永、ロッテに売り上げを大きく水をあけられている。


その違いは何か。そう、宣伝、マーケティング、あるいは人の購買意欲、即ち心理学的面での研究である。

我々がおいしいものをせっかく作っているのに、どうして皆一般的に食べてくれないのか。その悔しさは社員全体の無念であった。


「ということでどうすれば売れるのかということを別の方面から考えて行きましょう」
「グリコさんやロッテさんのところってどうなっています? 」
「lineと連動企画してますね。」
「うーん」
「どうしました? 」
「いやね、確かにLineとの連動はかなり強力ですが、それをどうやってアレンジするか、そもそものそのお金をウチが出せるかどうか・・・」
「ふうむ、、、、」
「(Lineのその裏側まで言わない方がいいのだろうな・・・)」

「金を出す、というお話しで動いているかもしれないが、ウチの商品にも自信を持って売りに出せるアドバンテージがあるんだ。逆に新しい媒体の宣伝としてウチがお金をもらってもいいかもしれんぞ。」


「他に案は? 」
「あります! 」
「おっ何だ、言ってみろ」
「スターウォーズとのコラボです! 」
「例えば、ハンソロが炭素冷凍でアルフォートみたいになるでしょう、あれをウチのアルフォートでやるんです! 」
「コラボの線まではいいが、そのネタはダメだろ。」
「いや、ひょっとしたらウケるかもしれん。案として取って置こう」
「あと、あの型を作るのは結構お金かかるぞ。版権もそうだが、金型そのものが高いんだ。スポットでやるのであればよく考えなければいけない。」

「私からいいですか? 」
「どうぞ。」
「今までの販促企画というのはおおよそ何らかの文化的作品とのコラボであるように思います。」

「日本は今、文化的作品で賑わっています。何とコラボするにしても申し分ありません。コラボを規定路線とした場合、その文化的作品を厳選する、という形でプロジェクトを進めてもいいのではないでしょうか」

「例えば? 」
「例えば進撃の巨人とルマンドをかけるのです。ストーリー上の絡みやテーマの関連性は全くありませんが、CM中にキャラクターに食べてもらうだけでいい。丁度ドラゴンボールの孫悟空が水泳後に目薬をさしていたような感じです。」

「なるほど、分かりやすいですね。」
「(古い話か? 自分は分からない・・・)」
「(新しい話か? 自分は分からない・・・)」
「他にもアニメ作品の「まどかマギカ」でのお菓子の魔女とのコラボ企画などです」

「しかしあれは、ちょっと悲しい要素や毒が入りすぎじゃないかな。できればテーマやモチーフは健全なものがいい。」
「詳しいですね」
「いや、色んなところにはアンテナを張っておかないとな」
「専務はまどマギに詳しい・・・っと」
「それは議事録に書かんで宜しい」

「ただ、そうした負の要素に踏み込んだモチーフを採用するなど、勇気のある選択を消費者は好印象と受け止めるかもしれません」
「いや待て、できれば使いたくないんだ。特に製菓は”毒”なんて持っての他だぞ。そういうイメージは絶対に避けたいんだ。」

「別にシャルロッテは、毒ではなく、ストーリー上の悲しみであるんだろう? そういうイメージを前面に出さなければいい。」
「詳しいですね」
「いや誤解を恐れずに言えば、私は人気のアニメは大体見ているぞ。」
「(本当か・・・)」
「映像作品はなるべく見ている。私が一番好きなのは黒澤明だけれども、それとコラボするわけにもいかんだろう。我々がターゲットにするのは、酒を飲む中年以上の男性ではなく、甘いものを食べる女性と子どもたちなんだ。四の五のは言ってられんのだよ」
「確かにそうです。」



「かわいいオリジナルの女の子キャラを出すのはどうでしょうか」
「いやそれは止めたい。」
「なぜですか? 」
「グリコさんのところでパピコのパッケージ絵を募集する企画があっただろう。絵の完成度もかなり高くて、あれは私はかなりいい企画だと思ったんだが、実際問題、あれを大の男が手にすると、ちょっと抵抗があるんだ。売り上げがどうなったのかは分からない。ただ、中年以上の男性が、気軽に涼を取ろうと、コンビニに入ってパピコを取ろうとしたときに、今までは普通に買えていたのだが、あれのパッケージを見ると、手に取るのはちょっと躊躇してしまう。例えば、あのパッケージでの販売を10000個限定にしてあの有明のあのマンガの即売会とかで一個1000円で売るなどしたら企画的には成功しただろうが、商売には結びつかないかも・・・他社さんのことだけれども、自分のことのように煩悶している」
「でも話題にはなりますね」
「そうだな。しかし変なイメージをもたれても困る。できれば中性的な絵がいいし、普通に手に取れるものがいい。例えばテレビゲーム「ぷよぷよ」のキャラクターくらいが一番いい。これなら性別や年齢が関係なく手に取れる。」
「また、若干「おっ!? 」と思わせるクセのあるキャラクターがあってもいい。サントリーさんのBOSSの顔は変えたことが無かったかな? タモリでも裕次郎でも柴田恭平、舘ひろしでのアブ刑事コラボでもいい。あとはPOKKAさんのキン肉マン、北斗の拳、ドラゴンボールとのコラボも良かった。購入層の年齢が、丁度それを見てきた年代だからな。」

「ウチで言えば、例えばルマンド×エースをねらえとか。イメージもインパクトもすこぶるいい。購買力のある男性はネタ要素で手に取れるからな。抵抗は無い。」
「なるほど」
「ホワイトロリータ×キャンディキャンディ。これもイメージどおりだ。」
「これもいい」
「すみません、キャンディキャンディは版権がいまだゴタゴタしておりまして・・・あとネタが若干古いです。」

「それは分かっているが案として出しておきたい。サントリーさんがBOSSを出したようなものだよ。ウチに足りないのは商品イメージを加速させる象徴が足りないのではないかと思っていたんだ。」
「あとはガラスの仮面とか王家の紋章とかですかね」
「王家の紋章は正直、男の私の感覚からすると微妙なのだが・・・いや逆にいけるかもしれない。」

「あるいは一つの商品に一つの作品、というのも間違っているように思う」
「と言うと? 」
「例えば、一つの作品に複数の商品でもいいかもしれない。仮にジョジョの奇妙な冒険とコラボできたことを想定して言ってみると、ジョセフの「ゲップが必ず出るコーラ」、花京院の「レロレロチェリーキャンディ」、イギーの「ヨダレが出るコーヒーガム」、「賭けの前に飲むアイスティー」、承太郎の「下から飲む缶ビール」、ポルナレフの「中華料理スナック」、アブドゥルの「鶏にあげていたエサ」」
「最後ちょっとひどくないですか」
「まあ、「賭けの前に飲むアイスティー」はいけるんじゃないか。あとは「勝負の途中で頼んだジュース」とか、イメージはいい。」


「これは別に象徴だけでなく、他の方法でもいい。例えばネスレさんから出ているキットカットが受験生に受けているのは二つになったら複数形になって、きっと勝つ、という語呂になり、そこから受験生に愛食されている、というトレンドが生まれている。こういう方向でもいいんだが、「このシーンにこのお菓子」というイメージがうちにはない。ルマンドやアルフォートはイメージとしてかなりアドバンテージがあるけれども、その先を狙わなければいけない。」

「ネーミングとかも重要だと」
「そうだ。他社になるが、ロッテさんのところがかなりネーミングセンスがいい。参考になるし、勉強になる。「このシーンでは何のお菓子を選択すべきか」というイメージつくりが上手いんだ。アクオは、もう息を綺麗にするシーンでのガム、というイメージがもう強いだろう? ウチの「スーパーはなのどガムボトル」はニッチ方面に特化しているが、もっと一般的に求められる生活需要に即してもいいのかもしれない。」

「眠眠打破のチョコレートバージョンとか、ユンケルのガムバージョンとかね。眠っちゃいけないシーン、頑張りたいシーンなど一般的なシーンで固形物を口に入れたいこともあるだろう。」

「生活シーンでのアドバンテージをお菓子でどう盛り上げるか、そのシーンのイメージが必要だと。」
「その通り。このシーンではこのお菓子、というイメージがあまり無い。」
「(ちょっとルー語みたいだったな。)」

「例えば、大切なお客様が来た時に、不二家さんのカントリーマアムは若干弱い。あれは、親密な友人が来た時に、気軽に食べられるものをと出したら「いいものを出してもらったな」と言うような嬉しいシーンでの食べ物だろう。例えば娘が彼氏を連れてきて出すような、まだ距離はあるけれども大切なお客様です、しかしフランクに行きたい、というシーンのお菓子であれば、ウチのルマンドやアルフォートが最善だと手前味噌で思っている。ウチには味と品質という強力な土台がある。その先に必要なのは、シーンとイメージだ。できればCMか何かでそうした購買シーンを思い起こすようなものを大衆内イメージとして築きたい。そしてウチにはそれがないんだ。」



「さて、他にモチーフはあるかね? 」
「ポケモン、ハローキティ、ちびまる子ちゃん、サザエさんなどなど」
「ゲーム、アニメ、マンガが中心か」
「女子高生に人気のマンガとのコラボを考えた方がいいかもしれないな」
「年代別にモチーフを用意しておいた方がいいかもしれない。コチラが希望していたとしても、原作サイドが了承して頂けない場合があることも想定しておくことも考えると広くネタは探っておきたい。」
「コラボ後に海外で売ってもいいかもしれません。もし上記作品とのコラボに成功したならば、その相乗効果が認められるかもしれません。」


「芸能人とのコラボは? 」
「ウチにそのお金がありません・・・」
「できれば福山雅治さんにCMでアルフォートを食べてもらいたいが・・・」
「できればジャニーズかAKBにも・・・」
「うーん・・・」
「うーん・・・」
「うーん・・・」
「(金がない)」

「てなもんや三度笠みたいに劇中CMで『当たり前だのクラッカー』とやるわけにもいかんしなあ」
「(それは一体なんだ? )」
「(それは一体なんだ? )」
「(それは一体なんだ? )」
「(それは一体なんだ? )」
「(まずい、誰も知らないネタだったか)」



「ブログで食べる記事を書いて貰えれば? 」
「ステルスマーケティングと言われて逆にイメージが悪くなるかもしれん」
「いや、逆にダイレクトマーケティングと称して宣伝であることを押し出せばあるいは・・・」
「ステマ歓迎している東野幸治さんに食べて貰うというのは」
「いや、仕事として吉本さんが了承してくれるかな・・・自信がない・・・」

「宣伝手法はCM、ブログに限らない方がいいのかもしれないな」


「最近流行りのYoutuberはどうでしょう? 」
「この辺が妥当でしょうかね。」
「そうかもな。Hikakinさん当たりに食べて貰うという方向がいいかもしれない。」
「はじめしゃちょーというのもいますが」
「いや、彼に食べてもらってもいいのだが、アルフォート風呂だけは絶対にやらないで欲しいとは思う」
(一同)「なるほど・・・」


「オタク向けの商品はどうでしょう」
「それも視野に入れておこう。スポットでの売り上げを高めたい時にはそれが用いられるかもしれない。ただ、全体的にどうなんだ? と考える時には難しいかも知れない。パピコの時の例のように、全体の購入者層から大人の男性が離れていく、という選択肢は取りたくないからね。しかしあれはいい企画だったが故に惜しいとも思う。他社さんのことだが心残りだな。」


「あと日本というのは、お菓子の味がとにかくアドバンテージがある。チョコ一つにとっても、欧州のチョコは確かに味はいいんだが、食感がとにかく重い。Meijiさんのところのgalbo cubeや、ウチのブランチュールなどの食感の軽さや歯ざわりの良さがないんだ。何か味だけに特化集中して、それ以外には興味がない、というような、多方面での努力を放棄しているようにも思える。これは反面教師でもあって、我々は味や品質を追い求めて、売り方やイメージ作りを放棄してきてしまったのかもしれないから、総合面で捉えなおす必要がある。ただそれにしても味だけでも欧州では売れるはずだ。」

「あと香港でお菓子を食べたことがあるが、本当にこれが酷い。日本のスナックが食べられることに感謝した。少なくとも香港では日本の菓子は間違いなく売れる。美味しいからね。」
「中国では現在、政情不安という声もあります。」
「市場規模ではかなり魅力があるのだが、正当な勝負ができるかかなり微妙だな。カルビーさんがかなり痛い目を見た形で撤退したのと、あるいは、政府関連がもう手を引いているという事実、中国の内政そのものが不安定なので、安定した商売ができるかというコスト面でのデメリットも多い。」

「足がかりになるのであれば、台湾、フィリピン、マレーシア、インドネシア、タイ、ベトナム、インド・・・中国に代替できる市場規模ではありませんが、個別に海外展開していくにはそれぞれ良い規模かと思われます。」

「仮に日本のアニメーションとコラボできたとして、その後の海外展開できるというアドバンテージも非常に大きい。無論それは日本国内でのみウケているものは外すべきで、ドラゴンボール、NARUTO、最近で言えば北米向けとしてワンパンマンがウケているらしいが、この辺とのコラボが出来れば最高だ。」

「BABY METALとのコラボはどうでしょう? 」
「! 」
「いいと思う。海外進出でのイメージにピッタリだ。ルマンド・エリーゼ・バームロールのどれでもいける。CMで出てもらうのもいいかもしれない。」

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