さてはて、「三月一杯までのお話でヘルプに入る」と言われれば、通常は一月前の二月末より引継ぎに入り、最終週に資料片付け、最終日に挨拶回りをして定時に帰るか飲みに行くと言う感じであると思うし、業種によって違うのかも知れないが、まさか休日まで使って仕事はしないだろうとは思う。そして、今迄そのようにして来たので、本来であればおとといそうなるはずだったのだが、昨日今日と出勤となってしまった。理由は上が最後の最後まで仕事を引き受けてしまったから。風邪を引いてからだがだるい。熱がある。出勤したくないが、そうもいかないだろう。
これはどうしてこうなったか。
原因は四つあると見ている。
一つ目は既に破綻した計画の後始末てあるということ。上流の会社は下流に委託したが、計画履行が破綻した。責任は破綻した委託先にあるので、その委託元としては尻拭いを極力したくない。ので、期限ギリギリまで委託先に働かせる。要は委託を受けた者の責任だ。
二つ目に委託しようがしまいが、破綻するような背景や性質が、既に受注元のこの仕事に醸成されている。
この仕事は最終顧客がいて、最終顧客が外注し、外注を受けた会社がそれを更に外部へ委託しているような形となる。この最終顧客からの注文をうまく断れていないので、それ以降より下の人間がワリを食っている形だ。
通常は交渉をうまくやって、マンパワー以上の仕事を引き受けないのが普通である(但し、マイナスが取り消しになるくらいのプラスが将来的に見込めるのであれば、別の判断も下されるだろう)が、この職場では普通に投入人数以上の仕事を引き受けてしまっており、そしてそれが慢性化してしまっている。よってこの仕事が採算と言う観点で陽の目を見ることはない。意識不明で倒れた人と入れ替えの形で私達が入ったが、根本的な対策を打たない限り、この職場はまた誰かがバタバタと倒れる可能性は存分にある。
三つ目に受注元、受注先の接点となる、私達の上長が、交渉に負けてしまっていると言うことだ。当初の負けを取り返すのに頑張っているのは分かるし、そもそもこの人も代理なので大変なのは分かるのだが、それにしても交渉での負けが多すぎる。出来ない注文は断って欲しいのだ。
四つ目だが、受注時の契約、所謂サービス仕様書をきちんと締結していなかったのも重要な原因の一つである。これだから飛び入りの作業をどんどん頼まれてしまう。そもそも撤退直前まで締結していないというのはどういうことなのだろうか。
以上が私が思う見立てであるが、さて真相はどのような事象が絡み合ってこのような結末を迎えたのだろうか。