私の当て推量。
現在のロシアは、全世界に対して、主導権を握った形で揺さぶりをかけている。
その一つがEUに対してであるが、これはシリア空爆に伴う難民を意図的に創出し、欧州に送り込んでいることから、EUが巨大経済圏たらしめているシェンゲン協定への弱体化を図っている、と先日の記事で書いた。
これを若干、もう少し深く見てみよう。
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地政学入門 曾村保信 P33
マッキンダーはロンドン・スクールで経済地理を講義していたことからも知られるように、本来きわめて実用的な思想の持ち主だった。したがって彼の地政学を一貫しているのは、主として交通の手段を意味するコミュニケーションの発達が、いかに歴史を変えてきたかという考察である。ことに十九世紀の末期におけるその変化の意味はいちじるしく、日露戦争や第一次世界大戦はそれを抜きにしては、まったく考えられなかったろう。それで、このように進歩した交通と運輸の手段を駆使して、ユーラシア大陸を独占的に支配する国家が出現することのないようにするために、絶えず集団的な監視を怠らないようにする、というのが彼が考えた国際連盟の最も中心的な思想だった。
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当時はロシアかドイツが東欧を支配することによって、内陸の大国が構築されてしまうことがイギリスにとっての懸念事項だった。
さて、その当時の懸念はこんにち、別の形を取って現れている。
EUの出現とシェンゲン協定である。
現在のロシアは、全世界に対して、主導権を握った形で揺さぶりをかけている。
その一つがEUに対してであるが、これはシリア空爆に伴う難民を意図的に創出し、欧州に送り込んでいることから、EUが巨大経済圏たらしめているシェンゲン協定への弱体化を図っている、と先日の記事で書いた。
これを若干、もう少し深く見てみよう。
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地政学入門 曾村保信 P33
マッキンダーはロンドン・スクールで経済地理を講義していたことからも知られるように、本来きわめて実用的な思想の持ち主だった。したがって彼の地政学を一貫しているのは、主として交通の手段を意味するコミュニケーションの発達が、いかに歴史を変えてきたかという考察である。ことに十九世紀の末期におけるその変化の意味はいちじるしく、日露戦争や第一次世界大戦はそれを抜きにしては、まったく考えられなかったろう。それで、このように進歩した交通と運輸の手段を駆使して、ユーラシア大陸を独占的に支配する国家が出現することのないようにするために、絶えず集団的な監視を怠らないようにする、というのが彼が考えた国際連盟の最も中心的な思想だった。
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当時はロシアかドイツが東欧を支配することによって、内陸の大国が構築されてしまうことがイギリスにとっての懸念事項だった。
さて、その当時の懸念はこんにち、別の形を取って現れている。
EUの出現とシェンゲン協定である。