読書日記☆こんな本読んでます

2004年1月からの記録です。
この頃積ん読が多くっていけません....

輝く日の宮

2009-11-27 | その他小説
輝く日の宮 (講談社文庫)
丸谷 才一
講談社

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『女性国文学者・杉安佐子は『源氏物語』には「輝く日の宮」という巻があったと考えていた。水を扱う会社に勤める長良との恋に悩みながら、安佐子は幻の一帖の謎を追い、研究者としても成長していく。文芸批評や翻訳など丸谷文学のエッセンスが注ぎ込まれ、章ごとに変わる文章のスタイルでも話題を呼んだ、傑作長編小説。朝日賞・泉鏡花賞受賞作。 』


丸谷 才一が小説家だったとは知らなかったのだが、輝く日の宮つながりで…。

「芭蕉はなぜ東北へ行ったのか」「『源氏物語』に『輝く日の宮』という巻はあったか。あったとすればなぜ失われたのか」などについて、杉安佐子の口を借りて著者の自論を開陳する。その点は面白い。

違和感があるのは、人間が描けていないこと。特に主人公杉安佐子に対して甘いと言わざるを得ない。
早熟だったかもしれないが、育っていない。
著者自身の理想像であるのか? 紫式部はこのような人間だと思われているのか?

本書の構成が源氏物語をなぞられているようであり、ヒロインが紫式部の生まれ変わりのようであり、時代の記録のようであり…複層的な効果をねらったものらしい。

小説にしなければよかったのではないかな。





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