![]() | なんでもわかるキリスト教大事典 (朝日文庫) |
八木谷 涼子 | |
朝日新聞出版 |
ここまで宗教色のない宗教の本も珍しいかもしれない。
日本人が肌身で感じることのできないキリスト教の各宗派の差異が、ほんとうに微細にわたり、端的に描かれていて、大事典の名にふさわしい労作である。
昔々読んだ児童文学だって、今読んでいる翻訳小説だって、各宗派の差異を読みとるべきではなかったか。
違った色を帯びてくることは間違いない。
翻訳小説を読むときには必携だろう。
翻って、仏教においても一歩外から現代の各宗派の差異を調べてくれる方は出ないだろうか?
たとえ葬式仏教であっても、例えば読み上げるお経やお焼香のやり方ひとつでも差がある。
瑣末事ではあるが、私が覚えている主の祈りは「天にまします我らの父よ、願わくはみ名を崇めさせたまえ」だった。
これは1880年訳の日本基督教団のものだったらしい。