ローマ法王―二千年二六五代の系譜 (中公文庫)竹下 節子中央公論新社このアイテムの詳細を見る |
気鋭の宗教研究家・比較文化史家がローマ法王をめぐる歴史とその位置づけ、また今後のバティカン外交をの方向を占う。故ヨハネ・パウロ二世が果たした役割にも言及。』
けっこうキリスト教関係の本も読んではいるつもりだが、断片を深めるばかりで通史を知らなかった気がして読んでみた。
ローマ法王の日常生活なども細かく書かれていて概論としてたいへん面白いと思う。
ローマ法王が領地を失い、俗権力を放棄することで一種の贖罪を果たし、宗教にふさわしい清らかさを取り戻すことができた(19世紀末~20世紀初め)との考察は納得。
暗黒時代の記述が薄く、故ヨハネ・パウロ二世が果たした役割(東欧の民主化)に紙数を割いているのは私の興味とはずれているが、ま、しかたない。