聖母マリア―「異端」から「女王」へ竹下節子 このアイテムの詳細を見る |
『父と子と精霊―キリスト教は父性の宗教だった。教義が排除した「女性性」を、しかし、民衆は聖母の中に見いだす。「異端」の存在は、やがて「神」の座へと昇る。キリスト教の「女神」、聖母マリア。処女にして母、婢にして女王、人類が永遠に憧憬する、「女性的なるもの」の化身。その多彩な容貌に、さまざまな角度から光を当てる。』
各地のマリア信仰、マリア像などを紹介しながら、その歴史的背景(マリア以前をも含む)にも踏み込む。
原初父性の宗教だったキリスト教にマリア信仰が生まれた経緯などよくわかる。仏教でもそうだが、人間誰しも手っ取り早く救われたいと思う。
ただ、本書、著者の竹下節子さんが、カトリックの側にいるのか、マリア信仰を讃えているのか茶化しているのか、どうもその辺のスタンスが分かりにくくて居心地が悪かった。
竹下節子さんの著作を読むのは初めてでどんなかたなのかイメージできていないのだけど公式サイトによると先月奈良女子大学に講演に来られていたようでもう少し早く気付いていればと残念。
マリア信仰は地母神信仰の流れに居ると思う。そういう原始的な宗教を含んで行かざるを得ない、キリスト教でもそういうものを否定できないというところが面白いと思う。
結局宗教なんてどれもいっしょなんだわ。人間なんて大昔から変わらない。
なにゆえ宗教の違いで戦争しないといけないのか(嘆