読書日記☆こんな本読んでます

2004年1月からの記録です。
この頃積ん読が多くっていけません....

歌舞伎への招待

2005-01-12 | 歌舞伎
歌舞伎への招待

岩波書店

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『戦後の歌舞伎批評を確立した戸板康二.本書はその出発点となった作品であり,異邦人(エトランゼ)の鑑賞眼で,芝居通の間で当然のこととされていた「約束事」を,読者にやさしく翻訳してみせる.「花道」に始まり「女方」「菊五郎」「荒事」「黙阿弥」等のテーマで構成される各章では,それぞれにまつわる挿話・芸談が連句のように紡ぎ合わされている』

昭和25年出版の復刻版で、五代目菊五郎などと書かれているとびっくりするけど、なに、本質は変わらない。
『荒事は一から十まで、誇張の演劇である。見得は誇張の演技である。誇張がばかばかしくて見ていられない観客がいるとすれば、歌舞伎にとって、その人はとうてい「縁なき衆生」であろう』の言葉に凝縮される。
「縁なき衆生」だった私が一度生の舞台を見て、その魅力にはまった、それも歌舞伎である。
食わず嫌いの皆様、ぜひお出かけくださいな。

全く本筋とは関係ないのだが、
『二十世紀の原子力時代に、亡霊の怨念凝って祟りをなすということを人々は信じなくなった。また信じないからこそ、おどろくべき犯罪が横行する。』
とある。
これが書かれてから55年。けだし、慧眼である。
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