誰もゐぬ秋日の草地歩きけり
秋の一日にも、秋の太陽にもいう。
秋の太陽は空気が澄んでいて、なおかつ照り方がはげしい。
秋の一日は釣瓶落しといわれるように、あわただしく暮れる。
人影のない草地に、秋の日があまねく差していた。
そこを歩いて行った。
振り向けば川に映れり秋没日(あきいりひ)
誰もゐぬ秋日の草地歩きけり
秋の一日にも、秋の太陽にもいう。
秋の太陽は空気が澄んでいて、なおかつ照り方がはげしい。
秋の一日は釣瓶落しといわれるように、あわただしく暮れる。
人影のない草地に、秋の日があまねく差していた。
そこを歩いて行った。
振り向けば川に映れり秋没日(あきいりひ)
白萩や門前蕎麦屋連なりて
マメ科の落葉低木。
朝鮮原産とされる。
秋の七草の一つ。
庭木として古くから植栽される。
八~九月、白色の蝶形花をつける。
深大寺の前の道端に白萩が咲いていた。
門前には蕎麦屋が軒を連ねていた。
湧水の流れに垂れて萩白し
笑栗を横目に気分上りけり
ブナ科の落葉高木。
北海道中部以南の山地に自生し、果樹として栽培もされる。
実は毬の中で育ち、成熟すると毬の裂け目からこぼれ落ちる。
実は毬の中で一~三個できる。
硬く光沢のある外皮や渋皮をむき、中の胚乳を食べる。
調理法としては、焼き栗、茹で栗、栗飯、甘露煮、きんとん、栗羊羹等々がある。
栗畑のある道を通った。
丁度、栗の毬が裂けて笑栗となっていた。
それを横目にすると、微笑んでいるようで気分が上がった。
栗売るや農家の庭の直売所
橋渡りくれば坂道合歓は実に
マメ科の落葉小高木。
夏から秋にかけて淡紅色の多数の雄蕊をもつ花をつける。
花のあと、長さ10センチほどの莢となり、その中に扁平な実を結び、秋に熟す。
花からは想像もつかない地味なものだが。何とも言えない風情がある。
橋を渡ってくると、今度は上り坂となっていた。
そこに合歓の実が枯色となって垂れ下がっていた。
合歓の実や川音近きベンチにて
溝蕎麦や川の流れを間近にし
タデ科の一年草。
水辺や山野の湿地に群生する。
九月頃、茎上に分枝して、白、淡紅、淡緑色などの小花を群がりつける。
別名の「牛の額」は、この葉の形が牛の顔に似ているところからついたもの。
溝蕎麦が咲いていた。
そこからは川の流れが間近に見られた。
小さきもの好きな内なり溝蕎麦も