だいぶ間が空いてしまいましたが、フランク・ウォーターズの「ホピ・宇宙からの聖書」にあるホピの祭りを紹介します。
これは少し毛色の変わった祭りですが、ホピの人々の出自を示している祭りの一つだと思います。
リンクは張っておりませんが、アマゾンなどでご購入になれます。
*****
(引用ここから)
ニューメキシコ州アステカのグレート・キバの数ある珍しい特徴の中でも、祭壇の中央にある二つの巨大な穴ほど人々の好奇心を誘うものはない。
それは長さ2,5メートル、幅1メートル、奥行き1メートルの長方形の穴で、壁は石造りになっている。
一体何の目的でこの大きな穴が使われたのかについては、正確なことは分かっていない。
だがホピ族にとってはなんら謎ではない。
彼らはグレート・キバについて説明してくれた。
これらは「ヤヤ」と呼ばれる魔法の火祭りに使われたもので、その痕跡は今もホピ族の村むらに残っている。
その起源にまつわる伝説は、ホピ族をアステカ、チャコキャニオンなどの古代遺跡に住んだ先史時代の住民と、密接にリンクさせる。
以下にその伝説を語ろう。
昔人々が今のところに永住する前に、移動の民の一派が東北のキャニオン・デ・チェリーに住んでいた。
ある少女が山で奇妙な男と出会い、その子どもを産んだ。
子どもはシリオモモと名付けられた。
子どもが少年になり、母親が奇妙な男と出会った所に行くと、父親だと名乗る人が現われ、こう言った。
「わたしはお前の父だ。
おまえを受け取りに来たのだ。
お前が何と言われているかは分かっている。
それで、われわれが誰であるか、教えてあげよう。」
二人は、モミの森を抜けて行くとキバに着いた。
男はキバの上で足をドンドンと叩いたので、シリオモモは自分が重要な人物であることを知った。
というのも、権威ある者が重要人物を連れて来る時のみ、霊人たちに分かるようキバの上で足を踏み鳴らすからだ。
キバの中には男女含めてたくさんの人たちがいた。
「ようこそいらっしゃい。」
とだれもが声をかけてくれた。
女たちは、うさぎを受け取って祝福し、炉穴の横に置いた。
食事が終わると、父は彼をもう一つのキバに連れていき、前と同じようにもてなしを受けた。
このキバは前のよりもっと大きく、壁には、うさぎ、鹿、カモシカ、ヤギなどたくさんの動物の毛皮がかかっていた。
キバの人たちは、どの毛皮が誰のものかをシリオモモに教えてくれた。
「ほら見てごらん」とある男は言った。
彼は鹿皮に身を包むと、すぐに鹿になった。
ウサギの毛皮に身を包んだ女はすぐに、うさぎになった。
こうして一人一人が動物に早変わりしてみせ、それから毛皮を脱いで、また元の人間の姿に戻った。
シリオモモの父親はカモシカだった。
彼は人の姿に戻るとこう言った。
「さて、お前は神秘を見た。
もう我々が誰か分かるだろう。
われわれはアニマルピープルなのだ。
動物界から、われわれは大いなるヤヤの力を受けているのだ。」
彼らはカチナではなく、動物界に所属する霊人である。
その魔法の力は偉大だった。
( 引用ここまで・続く)
*****
wikipedia「獣人」より
民間伝承、神話学、人類学において獣人とは人と他の動物の特徴を合わせ持つ人物を指す。
先史時代、動物と人間の混ざったイメージは世界各地でみられ、アニミズムの延長などで信仰の対象となっていたと考えられている。
チャタル・ヒュユク遺跡などの壁画には獣の特徴を持った人間が描かれることがあり、自然の力を借りようとした何らかの儀式に基づくものと推測されている。
古事記には、光る井から現れた生尾人(いくおびと)の記述がある。
キリスト教圏でも、初期には土俗信仰とキリスト教が共存してその様な偶像が崇拝されていた地域があったが、中世以降魔女狩りと同様に獣人は反キリスト・悪魔のとる姿と位置づけられるようになり、人狼狩りや人狼裁判なるものが度々行なわれた。
また、キリスト教圏以外の地域でも動物などの精霊が憑依して獣化する獣憑き(けものつき)の伝承が世界各地に存在しており、インドや中国では虎憑き、中南米ではジャガー人間、また、日本における狐憑きなどそのバリエーションは世界中に分布する。
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「ホピ族」カテゴリー
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マヤ 15件
カラス 11件
蛇 15件
うさぎ 5件
カモシカ 3件
など、あります。(重複しています)
これは少し毛色の変わった祭りですが、ホピの人々の出自を示している祭りの一つだと思います。
リンクは張っておりませんが、アマゾンなどでご購入になれます。
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(引用ここから)
ニューメキシコ州アステカのグレート・キバの数ある珍しい特徴の中でも、祭壇の中央にある二つの巨大な穴ほど人々の好奇心を誘うものはない。
それは長さ2,5メートル、幅1メートル、奥行き1メートルの長方形の穴で、壁は石造りになっている。
一体何の目的でこの大きな穴が使われたのかについては、正確なことは分かっていない。
だがホピ族にとってはなんら謎ではない。
彼らはグレート・キバについて説明してくれた。
これらは「ヤヤ」と呼ばれる魔法の火祭りに使われたもので、その痕跡は今もホピ族の村むらに残っている。
その起源にまつわる伝説は、ホピ族をアステカ、チャコキャニオンなどの古代遺跡に住んだ先史時代の住民と、密接にリンクさせる。
以下にその伝説を語ろう。
昔人々が今のところに永住する前に、移動の民の一派が東北のキャニオン・デ・チェリーに住んでいた。
ある少女が山で奇妙な男と出会い、その子どもを産んだ。
子どもはシリオモモと名付けられた。
子どもが少年になり、母親が奇妙な男と出会った所に行くと、父親だと名乗る人が現われ、こう言った。
「わたしはお前の父だ。
おまえを受け取りに来たのだ。
お前が何と言われているかは分かっている。
それで、われわれが誰であるか、教えてあげよう。」
二人は、モミの森を抜けて行くとキバに着いた。
男はキバの上で足をドンドンと叩いたので、シリオモモは自分が重要な人物であることを知った。
というのも、権威ある者が重要人物を連れて来る時のみ、霊人たちに分かるようキバの上で足を踏み鳴らすからだ。
キバの中には男女含めてたくさんの人たちがいた。
「ようこそいらっしゃい。」
とだれもが声をかけてくれた。
女たちは、うさぎを受け取って祝福し、炉穴の横に置いた。
食事が終わると、父は彼をもう一つのキバに連れていき、前と同じようにもてなしを受けた。
このキバは前のよりもっと大きく、壁には、うさぎ、鹿、カモシカ、ヤギなどたくさんの動物の毛皮がかかっていた。
キバの人たちは、どの毛皮が誰のものかをシリオモモに教えてくれた。
「ほら見てごらん」とある男は言った。
彼は鹿皮に身を包むと、すぐに鹿になった。
ウサギの毛皮に身を包んだ女はすぐに、うさぎになった。
こうして一人一人が動物に早変わりしてみせ、それから毛皮を脱いで、また元の人間の姿に戻った。
シリオモモの父親はカモシカだった。
彼は人の姿に戻るとこう言った。
「さて、お前は神秘を見た。
もう我々が誰か分かるだろう。
われわれはアニマルピープルなのだ。
動物界から、われわれは大いなるヤヤの力を受けているのだ。」
彼らはカチナではなく、動物界に所属する霊人である。
その魔法の力は偉大だった。
( 引用ここまで・続く)
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wikipedia「獣人」より
民間伝承、神話学、人類学において獣人とは人と他の動物の特徴を合わせ持つ人物を指す。
先史時代、動物と人間の混ざったイメージは世界各地でみられ、アニミズムの延長などで信仰の対象となっていたと考えられている。
チャタル・ヒュユク遺跡などの壁画には獣の特徴を持った人間が描かれることがあり、自然の力を借りようとした何らかの儀式に基づくものと推測されている。
古事記には、光る井から現れた生尾人(いくおびと)の記述がある。
キリスト教圏でも、初期には土俗信仰とキリスト教が共存してその様な偶像が崇拝されていた地域があったが、中世以降魔女狩りと同様に獣人は反キリスト・悪魔のとる姿と位置づけられるようになり、人狼狩りや人狼裁判なるものが度々行なわれた。
また、キリスト教圏以外の地域でも動物などの精霊が憑依して獣化する獣憑き(けものつき)の伝承が世界各地に存在しており、インドや中国では虎憑き、中南米ではジャガー人間、また、日本における狐憑きなどそのバリエーションは世界中に分布する。
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うさぎ 5件
カモシカ 3件
など、あります。(重複しています)
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