お客様を楽しませる職業についた男子高校生が
お座敷を一人で勤めて、戻ってきた。
初めての緊張に耐え、失敗なく芸を披露できた!
「どうだった?」と師匠に訊かれて、
「楽しかったです!」と明るく報告した。
もしも 私が師匠なら、「よく頑張った」とねぎらうところだけど
本物の師匠は、ゴツンと大目玉を贈った。
楽しませるために、そこに行くからには
「お客様がしっかり楽めたか」が 一番の大事。
師匠は、お客様を楽しませるために、
身体を使って汗を流す、気を遣う、こころを配る、終えると、へとへとになる。
もっと、上手にできないか 足りないことはなかったかと
自己嫌悪になったり、不安に陥る。
仕事がしんどい 仕事が面白くない 仕事ができない 仕事が合わない
離職したいという相談を受ける時
それぞれの人の仕事のとらえ方の違いを感じる。
私にとって仕事は、どういうものだろう・・
現金を得る手段、能力を発揮できるチャンス 認められる場
私の欲しいものを手に入れる行為を 仕事と意味づけている。
その「目的」達成を目指して働く時、
収入や仕事内容や評価を 他の誰かと比較して、
多いと感じて満足したり、少ないと感じて不満で疲労する。
気が付けば「結果」として、たくさん得たという働きかたをしている時、
目の前の相手に集中しているので、自分のことを考える時間は無い。
私は、こうした考え方を 状況に合わせて使い分けている気がする。
業務が順調な時には、損得抜きでのめりこみ
そうでない時には、責任と、美味しいディナーのために踏ん張れる。
刻々と状況が変化するので、
考え方は日々 コロコロ変わるけれども
変われることが しなやかさだと思うから
これでいいのだ。