笑顔浴

優しい時間

袖触れ合うも

2014年10月19日 | Weblog

「袖触れ合うも他生の縁といって

多くの人々と関わりを持った方が

より豊かな人生になりますよ」

と本で読んだり、講演会で耳にして、

私なりに出逢いを大切にしてきた。

 

その<豊かな人生>について、私は誤解していたかもしれない。

逢うと元気がでる

影響を受けて勇気が湧く

真似て思慮深くなる

人脈のおかげで仕事の幅が広がる

困ったら相談できる人が増える

癒される時間を得られる

美味しいものを愉しめる

どれもこれも 私に都合の良いことばかり。

つまり「得すること」にだけ注目していた私は

目に見えて「お得」なご縁が、豊かな人生にしてくれると考えていた。

 

ところで、理論上 「得」なものが存在するなら 

「損」なものも 半分はあるわけで

そのご縁を、どう活かして豊かな人生にすればよいのだ?

ということに、ふと思い当った。

 

そういう時は、「損して、得取れ」なのかな?

不都合なご縁は、私の小さな「徳」を育む機会になり

なんで私が、という不平不満と真摯に向き合えば

もっと誠実で、もっと優しい大人に成長できるかもしれない。

目に見えて「損」なご縁で、私がもっと逞しく成長できるなら

なるほど、豊かな人生に必要な気がする。

 

袖振り合うも他生の縁とは

選り好み無しよ、の難しさが立ちはだかっていて

そうそう、簡単じゃないことを思い知る。

柳生家の家訓の三番目

袖振り合った縁をも活かすは、

どれほど努力が必要か、考えさせてくれる。

 

 

 


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