デモで他人の通行や商売の邪魔しちゃいかんと思うんですがデモそのものはどんどんやっていいと思います。特に反権力側は頑張るべきです。今なら左ですね。
それを煙たがって就職で嫌がる企業もいるとおもいますが、どうせそういうところとはうまくやっていけませんよ。
ただ公論として盛んに話す事、少数意見を尊重させる手段として議席(選挙)以外の圧力活動は今尚必要だと思います。でないと民主主義は簡単に多数決の罠にはまります。
まずは大東亜共栄圏とは何か。
大東亜共栄圏とは軍国主義者の戦争の口実でありプロパガンダである。というのが、多くの理解ではないかと思います。
私もそう思っていましたが、近年私の本が韓国、タイ、台湾などで出版される事が増え、取材での接触も増えまして、考えを修正しました。(2)
きっかけは韓国の若手の人と話していて話がかみ合わない事を気にして原因究明していて気付いたんですが、
日本の場合
軍国主義日本が悪かった。
韓国の場合
日帝が悪かった。
なんですよ。
同じではないですよ。これ大きな違いです。(3)
具体的には軍国主義はどこまで遡っても精々昭和初期、本題である大東亜共栄圏は1940年に近衛内閣で生まれた言葉です。
一方日韓併合は1910年です。
ですから韓国から見たら確かに日帝が悪くて軍国主義はあまり関係ないんですね。ですから教育する時も区別がありません。(4)
その時はなるほど、そりゃそうだねで理解したんですが、その後もこんな風な話が続出します。
紐解けば中国での戦いも軍国主義以前の話ですし、ペリリューの人々の75パーセントが日本人の血を引いてるとかも日本の教える軍国主義時代以前がバックボーンです。
軍国主義とはなにかって話です(5)
どうも私が使ってる軍国主義は日本だけの話ぽいぞと第二次大戦の内容に関する史跡や博物館表記を調べた結果、アメリカを除く太平洋地域、極東、中国に加えてミャンマーにおいて日本軍国主義の表記はなく、単に日本が(一番別記されているケースで韓国、中国の日帝表記)とありました。(6)
もちろん文字数の制限もあると思いますし、日本と書けば意味は通るんですからあえて書いてないのも殆どとは思うんですが、軍国主義という括りはどうなんかなと思いました。
なんでこの調査を行って以降、私は軍国主義という言葉を使わないようにしています。
(7)
こうなってくると周辺諸国の歴史を直視せよという言葉も再検討するべきではないかと思いました。私はこの言葉を日本の駄目な奴に向かって言ってる、あるいは先方が誤解している言葉だと思ってたんですが、実は私含むもっと広い範囲に呼びかけられていた可能性が出できたわけです。(8)
さて、そこで大東亜共栄圏です。
この言葉はもともと日本モンロー主義から生まれたもので名前からわかるようにアメリカのモンロー主義の真似でした。ブロック経済を作るのがその主眼で、本物の方は1933年にアメリカはモンロー主義を口実に南米他国に介入するのをやめると宣言しています。
(9)
日本もこの部分をも真似したいと思ってました。理由はこっちの方が聞こえいいからです。
同様の理由で言い換えが起きて大東亜共栄圏という日本を外した用語になりました。
(10)
これに加えて日本は外交的に孤立して禁輸の憂き目にあっておりまして、この言葉と資源確保の南進論が合体して邪悪な用語になったとされています。
が。これが先程の軍国主義と同じで、比較調査の進展によりどんどん揺らぎだしました。
(11)
例えば中国語の資料では大東亜共栄圏に対して極めて平静かつ冷静な評価を与えておりまして、
1 大東亜共栄圏とは失敗し、短期間に終わった経済構想である。
2 実際にはまったくうまくいかなかった。
3 日本では今もその評価について今も激しい議論が起きている。
こんな感じです。(12)
先のツイートの感じで戦争の口実であったとかは書いてません。戦争の口実の理解が違うんですね。
中国はサンフランシスコ講和条約に対して無効と主張している関係もあるんで必ずしも他国と意見一致しているわけでもないんですが、当時の交戦国でも中華民国などは同じ評価を与えています。
(12)
では、当時の日本国内ではどうだったか。
アジアの解放のために戦うという世論は形成されていませんでした。宣伝は頑張りましたが無理でして、結局支持を集めたのは自衛のための戦い、でした。日本は自衛戦争を口実に兵を動員、投入します。
(13)
さて自国民の防衛や自衛を口実とした戦争を、かつての中国は良く日本から食らっておりまして、この自衛を称した侵略は実におなじみの物でした。
この辺、以前からの当事者としてよく理解しておりまして、拡大された太平洋戦争においてもきちんと自衛を口実にと書いてあります。(14)
これは余談になるのですが、自衛隊や自衛を理由にした日本の活動について、中国や韓国が警戒するのはこのためです。
いつも自衛を理由にしてきてるじゃんという奴です。
このあたりの空気の日本の無理解も軍国主義を特別な悪者にして歴史の連続性から分けた弊害と思います。(15)
日本では長らく、軍国主義を特別な悪者にして日本の歴史の連続性から分けていました。口にするのもタブーな感じですね。でもその結果、周辺国と仲良くできているかといえば、私はそう思えません。
(16)
敗戦国である日本は日本が生き残るために、こいつらが悪かったんだと言ってきました。もちろん何の責任も無かったとは思いません。
でも、いつまでもそれではいけないとも、思います。
過去は変えることも無かったことにも出来ませんし、周辺諸国も、これから先何百年と付き合う関係です。(17)
ですから、私は軍国主義を特別な悪とせず、むしろありふれた悪として評価し、自衛のあり方や、その説明のためにもすり合わせた歴史理解がいると思います。
同時に、日本は大東亜共栄圏のタブーから、その経済力を経済グループとして使うことを禁じていました。研究もされていません。
(18)
その結果が東アジアの不安定化の遠因であるのは間違いないと思います。
ドイツがEUを作り上げたように、とまでは言いませんが、経済グループの設立に尽力していれば、幾つかの悲劇や、対立を阻止できたのではないかと思うのです。
(19)
以上が私の理解であり、その背景と文脈で、(コンテンツと名前はつきますが)史学会においてお話ししました。
この学会での話は学問であってファンミーティングではない旨は事前に何度もツイートした通りです。ご確認ください。
(20)
その上で、刀剣乱舞は歴史を、無かった事にしたり都合の悪い事を消したり、変えたりする勢力のことごとくを敵として戦うゲームであります。どんなに悪かろうと、悲劇であろうと、それは今の我々に、つながる過去なのです。
これもご理解いただければと思います。
(21)終わり
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