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★カーリング女子@バンクーバー五輪

2010年02月28日 04時51分08秒 | バンクーバー五輪
白熱した決勝戦は地元カナダと前回トリノの金メダルチームスウェーデンとで繰り広げられた。

前半はスウェーデンペース。第1エンドブランクの後、2エンド4エンドはカナダが1点を取らされた。スウェーデンは後攻を持った第3エンドと第5エンドで2点を獲得。カナダ2-4スウェーデンの点差以上の優位が感じられた。
しかし、そう簡単に勝てないのがカーリングの難しさなのか。第6エンド、カナダはまたも1点を取らされ、3-4。だが、第7エンドにスウェーデンのスキップAnette Norbergがラストショットをまさかのミスでカナダに2点スチールされる。難しい状況で1点スチールされる可能性はあったが、それまで完璧なほどの正確性を保っていて前回も出場したNorbergでさえ厳しい重圧の中で狂いが生じることもある。これでカナダ5-4スウェーデンとカナダが逆転した。
勢いはカナダに移った。続く第8エンドはスウェーデンは攻めきれずブランクとした。第9エンドもカナダ優位で展開。ラストストーンの時点でハウス内にはカナダのストーンが二つあるだけ。後攻のスウェーデンが2点以上入れる可能性は消えていた。通常なら1点を取って同点とし最終エンドを迎えるのがセオリー。ただし、それだと同点で相手がラストストーンとなる。ダブルテイクアウトを狙う選択肢もあるが、ミスをすると2点のスチールを許して試合はほぼ決まってしまう。
ここでの狙いは見ていてもよく分からなかった。ダブルテイクアウトにはウェイトが足りず、ドローやヒットアンドステイにはウェイトが乗りすぎたショットのように見えたから。恐らくAプランはダブルテイクアウトだと思うが、結果的にカナダのストーン一つをテイクアウトし、自らのストーンもハウスの外に出てカナダに1点をスチールされることとなった。ただし、それは想定内の結果であり、2点差に広がっても最終エンドのラストショットを持ちたいという狙いもあったと窺える。
第10エンド仕掛けてきたスウェーデンに対して、カナダスキップCheryl Bernardのラストショットはテイクアウトに成功すれば勝利という状況だったが、ガードストーンに阻まれてならず。スウェーデンも3点を狙っていたが2点止まりでエキストラエンドに突入した。ラストロックを持つのはカナダ。だが、勢いはスウェーデンにあった。カナダのショットは少しずつずれが生じ、スウェーデン優位のままラストロックに。ハウス内中央付近にスウェーデンのストーンが二つ。狙いはダブルテイクアウト。しかし、ヒットしたのは外側のストーンだけで、第1ストーンはスウェーデン。これによってスウェーデンの連覇となった。

3位決定戦は中国がスイスを12-6で下した。スイスはスキップMirjam Ottがショット成功率59%と不調だったことが響いた。中国は日本と同様20代主体のチームだが、大舞台で結果を残した。攻撃的で大胆な姿勢を貫き通したことがメダルに繋がった。
ただ地力をつけるにはやはり選手たちの経験値を上げていく地道な方法しかないだろう。決勝戦はリザーブを除くと最年少が32歳。平均年齢は39.5歳だ。ここまで選手生活を続けられる環境をいかに日本に作っていくのか。たかが4年で結果を残せるほど世界は甘くはない。

日本は3勝6敗。終盤の4連敗で8位となった。イギリス戦は日本らしさの出た素晴らしい試合だったが、連敗中は見ているのも苦しくなるくらい元気がなかった。カーリングは非常に微妙なタッチが求められる。決勝戦でさえミスはいくらでも起きる。だが、それを引きずらないのも強さである。技術的な差よりも、決断、自信、集中といった精神的な差が、世界のトップとは感じられた。そして、それは一朝一夕に身に付くものではない。
前半戦の戦いぶりはとても魅力的だっただけに、彼女たちがこの経験を踏まえて競技を続けていって欲しい。目先の結果ではなく、長いスパンで強化できるかどうか。オリンピックのたびにカーリングという競技が取り上げられ注目されるが、それをオリンピックのときだけでなく常に関心を持たれるような環境作りも大切だろう。競技そのものの楽しさを広めていって欲しい。日本人に合った競技だと思えるから。

金 スウェーデン
銀 カナダ
銅 中国


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