スーパーボウルについてよく言われたことに、「祭としては最高だが、試合としてはイマイチだ」という評価がある。もちろんエキサイティングな試合もあったが、ワンサイドゲームも少なくなかった。近年はその様相が変わり、かなり内容の充実した試合が多かったのだが、今回のスーパーボウルはお世辞にも素晴らしいとは言いがたい内容の試合となってしまった。
ビリー・ジョエルの国歌独唱によって幕を開けた第41回スーパーボウルは、土砂降りの雨の中、マイアミで行われた。コイントスに地元の英雄にして、稀代の名パサーであるダン・マリーノが登場。とうとうスーパーボウルに勝つことなく引退したマリーノの姿に、ペイトン・マニングがだぶって見える気もした。ペイトンもNFL史上最高と言ってもいいQBとなり、あとはスーパーボウル勝利を手にすれば全てを手に入れることになるが、スーパーボウルへの道のりは遠く険しかった。毎年優勝候補に挙げられ、レギュラーシーズンでは圧倒的な力を見せながらプレイオフで沈んでしまう。ペイトンの才能にまで疑問符を投げかれられたりもしたが、初めての出場は実力もさることながら運が味方したかのような形となった。今シーズンは最も悪い形でのプレイオフ突入であり、ここ最近では最も期待の薄い中でのプレイオフの戦いだったが、強豪の自滅などもあり、またライバルであるニューイングランドを大逆転しての勝利でこの場所へようやくたどり着くことが出来た。
コルツのキックオフで試合開始。リターナー、デヴィン・ヘスターは恐るべきカットバックで一気にコルツのカバーチームを抜き去り先制のタッチダウン。オフェンスに難のあるシカゴにとってこれが切り札。コルツも十分に警戒していたが、更にその上をいった。度肝を抜かれる見事な快走だった。
しかし、素晴らしいプレイはここまで。土砂降りの雨という制約があったにせよ、両チーム合わせて8個のターンオーバーはあまりにもお粗末。そのほとんどはディフェンスが上回ったものではなくあくまでもオフェンス側のミスによるもの。これでは興ざめだ。
強いとされるシカゴの守備も健闘したのは第1クォーターだけ。その後はペイトン・マニングにいいようにあしらわれ、タッチダウンをなんとか食い止めるので精一杯という流れだった。とはいえ、マニングのパスが良かったかと問われるとそれも微妙。今シーズン後半から以前ほどのパスの切れが見られなくなっている。プレイオフでもインターセプトが多かったが、この試合でももう一つ精彩を欠く内容だった。それでもランを軸にシカゴの守備を翻弄し、チームリーダーとして勝利に導いたのだからこの試合のMVPは妥当だろう。
コルツはキックオフではへスターにボールが渡らないようにスクイーズキックを多用した。これはリターンさえ防げはシカゴの攻撃が怖くないことの裏返しだ。コルツの思惑通り、シカゴの攻撃は惨憺たるもので、RBトーマス・ジョーンズが一人気を吐いたもののQBレックス・グロスマンではどうしようもない。シカゴはニューオリンズとのチャンピオンシップで、地の利と相手のミスに助けられて勝利とたものの、残念ながらスーパーボウル出場チームとしての力量には及んでいない。特にこのQBで出られたことは奇跡に近い。近年では、ジェイク・デロームやトレント・ディルファーが出場したときにその力量を疑問視されたが、欠点はあるが決してそんなにQBの能力が低いものではない。しかし、グロスマンはNFLで通用するための基本的な部分に欠落があると言わざるをえない。
スポーツは最高級のエンターテイメントだ。中でもNFLはずば抜けていると言っていい存在だ。スーパーボウルはショウとしても最高のものであり、この日もプリンスのハーフタイムショウなど観客や視聴者を魅了するものだった。
しかし、スポーツにはシナリオがない。これは時には想像を越えるような感動を生み出す一方、時にはなんの感動も生まない凡戦を演出してしまう。NFLでは試合内容を充実させるために、ルールの改正などの他に、戦力均衡によって接戦を生み出すなど大変な努力を行っている。近年のスーパーボウルの充実振りもその成果だ。
それでも期待に見合わない試合となることは避けようがない。もちろんこの試合にも様々な見所はあった。ペイトンがついにスーパーボウルリングを手にしたストーリーも感動に値するし、Kアダム・ヴィナティエリのFG失敗や、LBブライアン・ウォーラカーの苦悩など感じ入ることもあった。HCトニー・ダンジーが数々の試練を乗り越えついに頂点にたどり着いたことに感慨は大きい。それでもなお、試合内容には物足りなさが残ってしまった。
まあその一因になったのは、プレイオフでのサンディエゴの敗戦なのだが。実力的には圧倒しながらミスを連発し勝利を逃した敗戦。期待が大きかったがゆえに、その敗戦に、特にそのあまりにもひどい試合内容に落胆し、ショックを受けた。そこからまだ立ち直れていないほどだ。力に差があるとき、弱い方が知力を尽くして勝利するのならそれを賞賛する。たとえ強い方を応援していても。しかし、強い方がただひたすらに自滅した場合、本当に裏切られたような気持ちになる。フォースダウンの苦し紛れのパスをインターセプトしてリターン中にファンブルするなんて、ファンにリンチされて殺されたって爪の垢ほども同情しない。プロとしてあるまじきプレイを積み重ねたら勝てるはずがない。とにかくマーティ・ショッテンハイマーの顔を見たくないのだ。来シーズンの開幕までにこの気持ちを整理しないといけないが、、、
ビリー・ジョエルの国歌独唱によって幕を開けた第41回スーパーボウルは、土砂降りの雨の中、マイアミで行われた。コイントスに地元の英雄にして、稀代の名パサーであるダン・マリーノが登場。とうとうスーパーボウルに勝つことなく引退したマリーノの姿に、ペイトン・マニングがだぶって見える気もした。ペイトンもNFL史上最高と言ってもいいQBとなり、あとはスーパーボウル勝利を手にすれば全てを手に入れることになるが、スーパーボウルへの道のりは遠く険しかった。毎年優勝候補に挙げられ、レギュラーシーズンでは圧倒的な力を見せながらプレイオフで沈んでしまう。ペイトンの才能にまで疑問符を投げかれられたりもしたが、初めての出場は実力もさることながら運が味方したかのような形となった。今シーズンは最も悪い形でのプレイオフ突入であり、ここ最近では最も期待の薄い中でのプレイオフの戦いだったが、強豪の自滅などもあり、またライバルであるニューイングランドを大逆転しての勝利でこの場所へようやくたどり着くことが出来た。
コルツのキックオフで試合開始。リターナー、デヴィン・ヘスターは恐るべきカットバックで一気にコルツのカバーチームを抜き去り先制のタッチダウン。オフェンスに難のあるシカゴにとってこれが切り札。コルツも十分に警戒していたが、更にその上をいった。度肝を抜かれる見事な快走だった。
しかし、素晴らしいプレイはここまで。土砂降りの雨という制約があったにせよ、両チーム合わせて8個のターンオーバーはあまりにもお粗末。そのほとんどはディフェンスが上回ったものではなくあくまでもオフェンス側のミスによるもの。これでは興ざめだ。
強いとされるシカゴの守備も健闘したのは第1クォーターだけ。その後はペイトン・マニングにいいようにあしらわれ、タッチダウンをなんとか食い止めるので精一杯という流れだった。とはいえ、マニングのパスが良かったかと問われるとそれも微妙。今シーズン後半から以前ほどのパスの切れが見られなくなっている。プレイオフでもインターセプトが多かったが、この試合でももう一つ精彩を欠く内容だった。それでもランを軸にシカゴの守備を翻弄し、チームリーダーとして勝利に導いたのだからこの試合のMVPは妥当だろう。
コルツはキックオフではへスターにボールが渡らないようにスクイーズキックを多用した。これはリターンさえ防げはシカゴの攻撃が怖くないことの裏返しだ。コルツの思惑通り、シカゴの攻撃は惨憺たるもので、RBトーマス・ジョーンズが一人気を吐いたもののQBレックス・グロスマンではどうしようもない。シカゴはニューオリンズとのチャンピオンシップで、地の利と相手のミスに助けられて勝利とたものの、残念ながらスーパーボウル出場チームとしての力量には及んでいない。特にこのQBで出られたことは奇跡に近い。近年では、ジェイク・デロームやトレント・ディルファーが出場したときにその力量を疑問視されたが、欠点はあるが決してそんなにQBの能力が低いものではない。しかし、グロスマンはNFLで通用するための基本的な部分に欠落があると言わざるをえない。
スポーツは最高級のエンターテイメントだ。中でもNFLはずば抜けていると言っていい存在だ。スーパーボウルはショウとしても最高のものであり、この日もプリンスのハーフタイムショウなど観客や視聴者を魅了するものだった。
しかし、スポーツにはシナリオがない。これは時には想像を越えるような感動を生み出す一方、時にはなんの感動も生まない凡戦を演出してしまう。NFLでは試合内容を充実させるために、ルールの改正などの他に、戦力均衡によって接戦を生み出すなど大変な努力を行っている。近年のスーパーボウルの充実振りもその成果だ。
それでも期待に見合わない試合となることは避けようがない。もちろんこの試合にも様々な見所はあった。ペイトンがついにスーパーボウルリングを手にしたストーリーも感動に値するし、Kアダム・ヴィナティエリのFG失敗や、LBブライアン・ウォーラカーの苦悩など感じ入ることもあった。HCトニー・ダンジーが数々の試練を乗り越えついに頂点にたどり着いたことに感慨は大きい。それでもなお、試合内容には物足りなさが残ってしまった。
まあその一因になったのは、プレイオフでのサンディエゴの敗戦なのだが。実力的には圧倒しながらミスを連発し勝利を逃した敗戦。期待が大きかったがゆえに、その敗戦に、特にそのあまりにもひどい試合内容に落胆し、ショックを受けた。そこからまだ立ち直れていないほどだ。力に差があるとき、弱い方が知力を尽くして勝利するのならそれを賞賛する。たとえ強い方を応援していても。しかし、強い方がただひたすらに自滅した場合、本当に裏切られたような気持ちになる。フォースダウンの苦し紛れのパスをインターセプトしてリターン中にファンブルするなんて、ファンにリンチされて殺されたって爪の垢ほども同情しない。プロとしてあるまじきプレイを積み重ねたら勝てるはずがない。とにかくマーティ・ショッテンハイマーの顔を見たくないのだ。来シーズンの開幕までにこの気持ちを整理しないといけないが、、、
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