PlayStationStoreのゲームアーカイブスダウンロードタイトルに「ガンパレード・マーチ」が追加された。
http://www.jp.playstation.com/software/title/jp9000npji00038_000000000000000001.html
http://www.alfasystem.net/a_m/archives/264.html
2000年9月28日に発売されたPlayStation用ソフト「高機動幻想ガンパレード・マーチ」はその後廉価版等が発売されないまま10年経過していた。今回のゲームアーカイブス版はリンク先を見る限りバグフィックスされたものではないようだ。
バグフィックス版及びリメイクに関しては2004年に嘆願の署名活動が行われたが、ソニー・コンピュータエンタテインメントはリメイクを行う意思がないことを表明した。（ガンパレード・マーチの署名に関して）PS2で続編は発売されたが、この一作目ほどの評価は得られなかった。
以前、ガンパレード・マーチのファンサイト「青天、一迅の風」に以下の文章を記した。
2000年9月28日。
ドラクエやＦＦで盛り上がるゲーム業界に、「奇跡」を起こす一本のソフトが現れた。発売が遅れ、宣伝もなく、知名度は皆無。パッケージからはゲーム内容が分からず、ジャンルさえも定かでないようなゲーム。
ほとんどのゲーム雑誌が、数多く発売されたゲームソフトの中のひとつとして埋没させる中で、ただ一誌『電撃プレイステーション』が発売後も熱心に取り上げた。
更に。
開発元のアルファ・システムの公式サイトでの盛り上がりと、個人サイトでの口コミが、熱狂的なファンを生み出し、やがては第５回ゲーム大賞優秀賞へと至った。
発売から４年近い歳月が流れても、根強いファンの支持があり、中古では高額を維持する状況だ。
アニメ化を始め、発売当初には考えられなかったような様々なメディアミックスが生まれた。しかし、それでもなお、このゲームの知名度は高くない。
もともと敷居の高いゲームではある。
ジャンル不詳。親切とは言いがたいゲームシステム。バグも多い。更に熱狂的なファンの存在が、一般ユーザーを遠ざけたりもした。
このゲームの魅力は、説明が難しいだけに、どうしても偏見がつきまとったりもしてしまう。プレイしてみないと分からない面白さは、フォロアーを生み出さなかったが故に、いまも伝え辛いままである。
第２次世界大戦末期、幻獣と呼ばれる謎の存在が現れ、人類は幻獣との熾烈な戦いを余儀なくされる。1999年、ユーラシア大陸をほぼ制圧した幻獣は、ついに日本への侵攻を開始。プレイヤーは学兵として、この幻獣の侵攻をくい止めることとなる。
学兵は、普段日常の学生生活を送りながら、幻獣出現の際には戦場で兵士として戦う存在だ。学生生活は、授業を受けたり、食事をしたり、友情や恋愛などの人間関係を構築するといったリアルライフと変わらない部分と、訓練や整備といった兵士ならではの部分が重なり合っている。
プレイヤーの行動は自由度が高く、またプレイヤーの行動が周りのＮＰＣの行動に影響を与えることとなる。独自のＡＩで動く彼らとのやり取りがこのゲームの最大の魅力と言えよう。プレイヤーとの関わりによって、彼らの行動は大きく変わっていく。しかし、それは常にプレイヤーの意図した通りというわけではない。キャラクターたちのそうした振舞いがこのゲーム独自の面白さなのだ。
設定に惹かれる者、キャラクターに惹かれる者、戦闘に惹かれる者など、このゲームには様々なプレイヤーを惹き付ける受け皿があった。これらが複雑に絡み合って成立していること、それはそれまでにあったジャンルゲームにないもので、そこにゲームの新しいかたちを感じたプレイヤーも少なくなかった。
残念ながら、その後のゲーム業界で、こうした斬新な試みはあまり見られない。メーカーもユーザーも、新奇なゲームを望まなくなったのか？しかし今もこのゲームが売れているということは、それを求めるプレイヤーが確実にいる証明である気もする。
まだこのゲームをプレイしたことの無いゲームファンは、今からでもプレイしてみることをお薦めする。体験してみないと分からない。このゲームが「古く」なるにはまだしばらくかかりそうだから・・・。
グラフィックを始め、古くなった部分は確かにある。しかし、ゲームシステムにおいて、またゲーム性へのこだわりという点において、果たしてこの10年間でこの作品を越えたものがあっただろうか。
バグフィックス版であれば、そのために何が何でもPS3を買おうと思ったかもしれないが……。
http://www.jp.playstation.com/software/title/jp9000npji00038_000000000000000001.html
http://www.alfasystem.net/a_m/archives/264.html
2000年9月28日に発売されたPlayStation用ソフト「高機動幻想ガンパレード・マーチ」はその後廉価版等が発売されないまま10年経過していた。今回のゲームアーカイブス版はリンク先を見る限りバグフィックスされたものではないようだ。
バグフィックス版及びリメイクに関しては2004年に嘆願の署名活動が行われたが、ソニー・コンピュータエンタテインメントはリメイクを行う意思がないことを表明した。（ガンパレード・マーチの署名に関して）PS2で続編は発売されたが、この一作目ほどの評価は得られなかった。
以前、ガンパレード・マーチのファンサイト「青天、一迅の風」に以下の文章を記した。
2000年9月28日。
ドラクエやＦＦで盛り上がるゲーム業界に、「奇跡」を起こす一本のソフトが現れた。発売が遅れ、宣伝もなく、知名度は皆無。パッケージからはゲーム内容が分からず、ジャンルさえも定かでないようなゲーム。
ほとんどのゲーム雑誌が、数多く発売されたゲームソフトの中のひとつとして埋没させる中で、ただ一誌『電撃プレイステーション』が発売後も熱心に取り上げた。
更に。
開発元のアルファ・システムの公式サイトでの盛り上がりと、個人サイトでの口コミが、熱狂的なファンを生み出し、やがては第５回ゲーム大賞優秀賞へと至った。
発売から４年近い歳月が流れても、根強いファンの支持があり、中古では高額を維持する状況だ。
アニメ化を始め、発売当初には考えられなかったような様々なメディアミックスが生まれた。しかし、それでもなお、このゲームの知名度は高くない。
もともと敷居の高いゲームではある。
ジャンル不詳。親切とは言いがたいゲームシステム。バグも多い。更に熱狂的なファンの存在が、一般ユーザーを遠ざけたりもした。
このゲームの魅力は、説明が難しいだけに、どうしても偏見がつきまとったりもしてしまう。プレイしてみないと分からない面白さは、フォロアーを生み出さなかったが故に、いまも伝え辛いままである。
第２次世界大戦末期、幻獣と呼ばれる謎の存在が現れ、人類は幻獣との熾烈な戦いを余儀なくされる。1999年、ユーラシア大陸をほぼ制圧した幻獣は、ついに日本への侵攻を開始。プレイヤーは学兵として、この幻獣の侵攻をくい止めることとなる。
学兵は、普段日常の学生生活を送りながら、幻獣出現の際には戦場で兵士として戦う存在だ。学生生活は、授業を受けたり、食事をしたり、友情や恋愛などの人間関係を構築するといったリアルライフと変わらない部分と、訓練や整備といった兵士ならではの部分が重なり合っている。
プレイヤーの行動は自由度が高く、またプレイヤーの行動が周りのＮＰＣの行動に影響を与えることとなる。独自のＡＩで動く彼らとのやり取りがこのゲームの最大の魅力と言えよう。プレイヤーとの関わりによって、彼らの行動は大きく変わっていく。しかし、それは常にプレイヤーの意図した通りというわけではない。キャラクターたちのそうした振舞いがこのゲーム独自の面白さなのだ。
設定に惹かれる者、キャラクターに惹かれる者、戦闘に惹かれる者など、このゲームには様々なプレイヤーを惹き付ける受け皿があった。これらが複雑に絡み合って成立していること、それはそれまでにあったジャンルゲームにないもので、そこにゲームの新しいかたちを感じたプレイヤーも少なくなかった。
残念ながら、その後のゲーム業界で、こうした斬新な試みはあまり見られない。メーカーもユーザーも、新奇なゲームを望まなくなったのか？しかし今もこのゲームが売れているということは、それを求めるプレイヤーが確実にいる証明である気もする。
まだこのゲームをプレイしたことの無いゲームファンは、今からでもプレイしてみることをお薦めする。体験してみないと分からない。このゲームが「古く」なるにはまだしばらくかかりそうだから・・・。
グラフィックを始め、古くなった部分は確かにある。しかし、ゲームシステムにおいて、またゲーム性へのこだわりという点において、果たしてこの10年間でこの作品を越えたものがあっただろうか。
バグフィックス版であれば、そのために何が何でもPS3を買おうと思ったかもしれないが……。