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ファイナルファンタジーXIIに期待するもの

2006年03月13日 00時51分41秒 | アニメ・コミック・ゲーム
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いよいよ3月16日にファイナルファンタジーの新作「XII」が発売される。「X-2」などの続編作を除くと、「XI」以来ほぼ4年ぶり。オフラインRPGとしては2001年7月に発売された「X」以来だ。
スクウェアはエニックスと統合する一方、FFシリーズのプロデューサー坂口氏が去るなど紆余曲折があり、オンラインRPGの「XI」に精力を傾ける中で「XII」の開発は遅れていった。昨年夏の発売予定も結局延期となり、メインプロデューサー松野氏は体調不良を理由に降板、ようやく発売にこぎつけたという印象を受ける。

FFはドラクエと並ぶ日本ゲーム界のビッグタイトルだが、毀誉褒貶の激しさではドラクエを大きく上回る。プレイヤーがゲームに何を求めるかは人それぞれだが、私のように今まで体験できなかった新しい何かをゲームに求める者にとっては、ドラクエはSFC以降退屈なゲームに堕してしまった。それに比べ、FFは常に新しい何かを生み出そうとし続けている。それが成功するか失敗するかは一種の賭けのようなものだ。

新作「XII」に私が期待しているものは、次の3つだ。

第一に、オンラインRPG、特にMMORPGの出現によってオフラインのゲームは相対的に魅力を減じている。とりわけ正統派のRPGはどんなに頑張ってもMMORPGと比べれば見劣りしてしまう。FFXIは批判も多いが、発売から4年近く経っても未だに数多くのプレイヤーを仮想世界に惹き付けている。
FFXIという国内最大のMMORPGを運営するスクウェア・エニックスが、そこで得たノウハウをどう新作に還元しているのか。オフラインのFFXIをプレイしたいという声は、FFXIプレイヤーの中にも少なからずあった。もちろん設計理念の異なるFFXIを単純にオフライン化することは難しい。FFXIに限らず、MMORPGは面白さも抜群だが、不満、怒り、妬み等の負の要素もオフラインゲームとは比較にならないほど存在する。オフラインゲームが0点から100点の間とすれば、オンラインゲームは-1000点から+1000点の間を激しく彷徨うゲームだ。これは表裏の関係なので、マイナス面を減らせば面白くなるというわけではない。
新システム「ガンビット」などが、こうした隙間を埋めていくものになるのかどうか。FFXIとの関係性、そして、オフラインRPGの新たな地平を切り拓くものがそこにあるのかどうか注目している。

第二に、最終的に「原案/シナリオプロット/監修」という立場となった松野泰己氏とその後を引き継いだ「エグゼクティブプロデューサー」河津秋敏氏。
システム的にシミュレーションRPGの完成型である「タクティクス・オウガ」。美しくも深遠な世界観を表現した「伝説のオウガバトル」。ゲーム性も秀逸だが、ストーリーとしては未だにゲーム史上最高と呼んでも差し支えない素晴らしい作品だった。これらクエスト時代の傑作に比べて、スクウェアに移ってからは松野氏の作品は「FFT」「ベイグラント・ストーリー」と精彩に欠ける内容だった。それでもオウガを知る者にとって彼の名は決して期待せずにいられないものだ。
一方、河津氏も「ロマンシング サガ」というプレイヤーは選ぶものの傑作の名に恥じない作品を生み出している。サガシリーズはスクウェアにとってFFと並ぶ両輪であり、王道的RPGのFFではできない方向性を常に模索し続けていった。
この二人が果たしてどんなFFを作ったのか、興味は尽きない。

第三に、ゲームの楽しみ方について。アマゾンのこのゲームの評に(発売前にもかかわらず既にたくさん書かれているが)、過去の作品のように今後インターナショナル版のようなものが出るかもしれないのでそれから買えばいいというものがあった。それを言えば、発売日に買わずともいずれ中古で安くなってから買うというのもありだろう。
でも、ゲームの楽しみってゲームの中だけにあるものじゃない。その作品の話に興じたり、時には愚痴ったりすることも含めてゲームの楽しみだ。こうしたコミュニケーションツールとしてのゲームの楽しさは、「高機動幻想ガンパレード・マーチ」を無名ソフトから一躍アニメ化などへの道筋を生み出し、ネット上でFFXIの無駄話が尽きないように、一つのゲームを巡る言説に参加することが大きな楽しみとなっている。
そうした点に気付き力を入れているメーカーはごくわずかで、特にスクウェア・エニックスはユーザーとのコミュニケーション能力の欠落をFFXIで証明してみせたので、メーカー側の動きには期待していないが、プレイヤー間でブログなどを通して盛り上がっていくのか注目している。

期待に応える作品なのかどうか、今からわくわくしている。現在公開されている情報を見る分には、プレイするだけの価値はあると思えるのだが。