goo blog サービス終了のお知らせ 

奇想庵@goo

Sports, Games, News and Entertainments

アニメ感想:キャシャーンSins 第7話「高い塔の女」

2008年11月20日 20時30分40秒 | 2008秋アニメ
女性が顔を見上げた時の顎から喉に漂う色気。それは絵では描きにくいものだ。アニメでほとんど描かれない構図だが、大胆に、そして魅力的に描いた。
高い塔を築くのは男性的なイメージが強いが、ロボットということでその辺りを曖昧にできている。滅び行く世界では狂気と正気の境が曖昧であり、それもよく描けている。滅び行く世界を美しいと感じる心性もこれまで描かれなかったものだ。
人はいつか死ぬことを自覚したことで文化を築いたが、ロボットが永遠の命を失ったときに何をするのか。これまで未熟な精神ばかりが目立った作品だが、成熟した世界へとの関わり方への模索が垣間見えた話だった。
素材は面白いし、映像も野心的なのに、その良さを打ち消す内容が続いたが、これが契機になり得るのか。キャラクターではなく世界に寄り添った物語が見てみたい。

青い花青い花
価格:¥ 1,050(税込)
発売日:2008-10-29



アニメ感想:のらみみ2 第1話「キャラバス出発進行」「ちるちるさくら」

2008年11月17日 21時22分31秒 | 2008秋アニメ
今年の1月から放映された第1期に続く第2期。1話2本完結方式ということもあり、明確なストーリーがないため違和感なく入っていくことができる。
一見ノスタルジー色が強そうだが、決してそういうタッチの作品ではない。もちろん萌えとも違う。ただ独特の雰囲気を有しており、空気系と呼ぶのが相応しいかもしれない。
「かつて誰もが憧れた居候キャラクター」が当たり前となった時代をユーモアとペーソスを持って描いている。もちろん「ドラえもん」や「オバケのQ太郎」などへのオマージュ的な色合いも強いが、他では見られない味のある作風が魅力的だ。
「キャラバス出発進行」は子供の成長に伴い居候を解消し新たな居候先へと向かうバスを舞台に描かれた話。初めて別れを経験したキャラを軸に、この世界の約束事が見る者にすっと入っていく巧みな演出が見事だった。決して過去を引きずってはいけない、居候先の子供が一番でなくてはならないというキャラの言葉は切ない。
「ちるちるさくら」はのらみみくんが10年ぶりに居候に行く話。オチはベタだが、子供とキャラとの関係を丁寧に描いている。Aパートがキャラの論理なら、Bパートは子供たちとキャラの関係がテーマ。こちらもとても切ない話で第2期の1話目としてよく出来ている。今年のアニメの中で隠れた名作と呼べる作品かもしれない。

のらみみ 2(1)のらみみ 2(1)
価格:¥ 5,040(税込)
発売日:2008-11-21



アニメ感想:夜桜四重奏~ヨザクラカルテット~ 第4話「フリカエル」

2008年11月15日 23時57分00秒 | 2008秋アニメ
話の要所を押さえていないわけではないが、全体に説明が足りない感じを受けてしまう。話の大枠がようやく見えてきて、それが主人公たちの置かれた立場へと繋がっていることは分かる。しかし、理解はできても共感ができない。
秋名とヒメとジンが昔仲が良かったと説明され、そのジンが円神に乗っ取られているということは分かった。昔のエピソードとしてラーメン屋で大食いに挑戦する3人が描かれてはいる。だが、これを見ただけでは彼らの気持ちへ繋がってこない。
ひとつひとつのシーンは丹念に描いている作品なのだが、全体として伝わってこない印象だ。原作を知っていれば別だろうが、原作を知らない者にとっては、もどかしさを感じてしまう。繰り返しになるが、決して説明不足で分からないと言っているのではない。最低限の説明はあるので分からなくはないが、世界や人間関係に入り込むには足りない感じなのだ。
『喰霊-零-』のように長い回想シーンを入れればいいというわけではないが、ジンへの想いを描くにはそれ相応の時間と労力が必要だ。それができないから、秋名やヒメの想いも伝わらない。2話の秋名の揺れや3話のヒメの決意はジンへの想いがあるからこそ意味を持つ。だが、それを知らない状態では2話や3話で描かれた彼らの心情は伝わらなかった。そして、その背景を知った今でもやはり伝わってこない。
見せるという意味では巧みな演出をしていると評価できるが、伝えるという意味では合格点に達しない演出と言わざるを得ない。見せる部分、伝える部分のバランスが良ければ問題なかったのだが、明らかにバランスが悪い。面白い要素も多い作品なだけに本当にもったいなく感じてしまう。センスに走り過ぎたって感じかなあ……。

夜桜四重奏-ヨザクラカルテット- 1夜桜四重奏-ヨザクラカルテット- 1
価格:¥ 5,460(税込)
発売日:2008-12-17



アニメ感想:タイタニア 第6話「シラクサ星域会戦」

2008年11月15日 23時56分00秒 | 2008秋アニメ
先に原作を読み直してしまったせいばかりとは言えないが、あまりにも原作の精神から離れてしまっている印象を持った。原作どおりに描く必要はもちろんないが、原作の良さを壊しては台無しだろう。
原作ではほとんど触れられていないこの会戦に2話をかけた。原作は、アリアバートが汚名を返上し、ファン・ヒューリックの戦術を取り入れた戦いをやってみせたことが書かれている。ヒューリックに敗れたアリアバートが実は決して凡将などではないことをここで示しているわけだ。
5話で原作に書かれていたタイタニアのイメージから逸脱し、またタイタニア側の主人公ジュスランを無能に描いていた。この6話でもジュスランのイメージが凡庸にしか見えない。安っぽいヒューマニズムを持ち出したあたりは非常に興醒めしてしまった。
オリジナルの要素が出てから一気につまらなくなってしまったが、今後もこの質であれば見る気は失せる。次回はドクター・リー登場だが、彼のキャラクターがどう描かれるかが注目だ。そして、物語の鍵となる情報がどのようにファン・ヒューリックに知らされるかが評価のポイントになりそうなのだが、そこまで見続ける気力があるかどうかも微妙になってきた。


アニメ感想:黒執事 第7話「その執事、遊興」

2008年11月15日 23時55分00秒 | 2008秋アニメ
新展開。犬を虐待している村の問題を解決するために赴いたシエルたち。彼ら一行の描写はともかく、村人たちやその領主ヘンリー卿らの描写がちょっと図式的過ぎて興趣を削がれた。
確かに端役なんだけれど、世界観が薄っぺらに見えてしまうのが残念に思う。厳密な時代考証なんかは求めていないが、もう少しましな描き方がなかったものか。
今回は鎖に繋がれたシエルを見せるための話なので、セバスチャンが戻るの遅いだとか言うのはなしだろう。ただ見せ場の割にはちょっと淡白な演出だった気もした。もっとピンチっぽく描いたり、耽美な感じを強調したりして欲しかった。
ジャック・ザ・リッパーネタがなかなか面白かっただけに、全体に盛り上がりに欠ける印象は否めない。ただ伏線を張って、単純なオチが実はオチじゃないという話の展開は悪くない。次回とセットで評価すべき話だろうから。

黒執事 I 【完全生産限定版】黒執事 I 【完全生産限定版】
価格:¥ 3,150(税込)
発売日:2009-01-21



アニメ感想:あかね色に染まる坂 第5話「あかね色のファーストデート」

2008年11月13日 21時53分32秒 | 2008秋アニメ
優姫と準一の初デート。基本的にはベタな展開だが、優姫の視点から彼女の心の動きを丹念に描いてちゃんと見られるレベルとはなっている。湊も彼女らしさを出していて悪くない。
決してオリジナリティがあったり出来が良かったりするアニメではないのだが、キャラクターの内面をそれなりに押さえてはいるので、声優陣の好演もあってなんとか成立している感じだ。まあ4話のようにどうしようもない回もあるのだが、日常を描く分にはそこそこ頑張っていると言えるだろう。他人にお勧めできるレベルの作品とは思わないけれどね。

あかね色に染まる坂 第1巻初回限定版あかね色に染まる坂 第1巻初回限定版
価格:¥ 7,140(税込)
発売日:2008-12-19



アニメ感想:まかでみWAっしょい! 第6話「蒼いエンジョウなんですけど。」

2008年11月13日 21時51分31秒 | 2008秋アニメ
ゴーレムのメタリスが青髪の鈴穂に告白するメインストーリーは、割とベタな展開。メタリス×ジョージの伏線がこれまで引いてあったのでそこは悪くなかったが、もう少しジョージのその後も欲しかった気も。「萌え」より「燃え」な演出の回となった。
オープニング前とエンディング後に描かれたサブストーリーが実はまかでみらしい作品。魔族のシンクラヴィアと神族のミヤビが榮太郎の過酷な責苦(寝ずにコミケの同人誌を書かされる)からの解放を求めて脱走する話。一方で、彼女らの上司アガリアレプトとガブリエルが次回への伏線として登場。
思いの外早くエンディングと思ったら、その後にたっぷりとサブストーリーが描かれる演出はなかなかユニークな試み。榮太郎をオチに使うのはワンパターンではあるが、もはやお約束の域に達しているとも言える。つか、拓人やタナロットの存在感がどんどんと薄くなっている気がするのだが……。

まかでみ・WAっしょい!その2であるまかでみ・WAっしょい!その2である
価格:¥ 6,090(税込)
発売日:2009-01-23



アニメ感想:とらドラ! 第7話「プールびらき」

2008年11月13日 21時49分22秒 | 2008秋アニメ
「貧乳はステータスだ!」という名言もあるが、「哀れ乳」ときたか。今回はお約束とも言えるプールネタ。前回、竜児に亜美が迫る場面に大河が現れるという修羅場で終わったが、その引きを受けた今回は乳によってその流れが吹っ飛んだ。
亜美は大河の前だと本性を現す。大河は人前でも亜美にきついところを見せるが、切れるところまではいかない。竜児を二人で取り合っているようにも見えるが、恋愛対象と見られているかどうかは微妙な感じ。
スタイル抜群、自意識も自信も過剰な亜美と比べ、大河はもともとコンプレックス過多なキャラクター。特にその体型は努力だけじゃどうしようもなかったりするし。
キャラクターは分かりやすいのに、その関係性が分かりにくいことがこの作品の魅力になっているわけだが、亜美と大河の関係もそれを反映している。ただ今回は”乳”のインパクトが強すぎてその辺りの描き方は中途半端にも見えた。まあ二人の関係も”乳”も次回へ繋がるようなので、オチは楽しみに取っておくといったところか。
それにしても櫛枝が便利キャラと化している。ストーリーを動かすのにこれほど便利な存在はない。その分キャラの魅力は乏しくなってしまうが。みのりんなら何しても許されるって感じだしね。

とらドラ! Scene1(初回限定版)とらドラ! Scene1(初回限定版)
価格:¥ 8,400(税込)
発売日:2009-01-21



アニメ感想:CHAOS;HEAD 第5話「先導 guidance」

2008年11月13日 00時38分04秒 | 2008秋アニメ
3話同様拓巳以外の視点が混ざり、密度や緊迫感が薄れ気味。世界観もかなり壊れてきて、日常よりも非日常が目立つようになってきた。それでも現実と妄想の混濁は相変わらずユニークさを感じさせる。
ただのオカルトで終わってしまったら残念に思うが、今のところそうなりそうな予感は漂っている。展開の予想しにくさでは他の追随を許さないだけに、ひねりのきいたオチが待っていたら面白そうなのだが。
演出などは相変わらずチープ。せめて『デスノート』クラスなら……って求めるものが高すぎるか。動きが乏しいのは仕方ないにしても、見せ方を工夫すればもっとシャープな作品になりそうなだけにもったいなく感じる。特に女の子と一対一になった場面での見せ方をどうにかして欲しいね。優愛との絡みはなかなか面白くできていたが、セナやあやせの場面は単調でつまらなかった。官能的でもサスペンスのようにでもいろんな切り口はありそうなだけに、もう少し何とかして欲しい。

TVアニメ「CHAOS;HEAD」オープニングテーマ「F.D.D.」【初回限定盤】TVアニメ「CHAOS;HEAD」オープニングテーマ「F.D.D.」【初回限定盤】
価格:¥ 1,890(税込)
発売日:2008-10-29



アニメ感想:喰霊-零- 第5話「頑想」

2008年11月13日 00時33分46秒 | 2008秋アニメ
1話から指摘していることだが、例えば『攻殻機動隊STAND ALONE COMPLEX』などと比べると作り込みの乏しさが非常に目立つ。超自然災害対策室の部屋の描写なんかなんとも酷い。それでも通常のシーンに関しては、他のアニメと比較して決して悪いわけではない。独創的な演出は見当たらないが、質が悪いわけではない。
高い目標を目指しているように見えたから余計にその差が目立ってしまったが、回想部に入った3話以降はアプローチもかなり変わってきた。残念ながらありがちな内容となり、そうしたアニメと比べると質は高いといった感じに。
今回の内容も悪いわけではない。黄泉と許婚である飯綱紀之の関係を描いている。喧嘩ばかりしているが、心の中ではちゃんと繋がっている様子をコミカルに描いた。新キャラクターも登場し先行きへの不安感を煽っている。
ただ全体としていかにもな話で面白みに欠けてしまうのは事実だ。感想を書くたびに述べているが、1、2話のインパクトでどこまで引っ張れるのか、そしてどう回想部から回帰できるのか。

ちなみに、黄泉と紀之の喧嘩を神楽が止めに入って、二人が神楽を宥める様は、夫婦喧嘩を子供が止めているような雰囲気だった。狙ってそう描いているのだろうが、どうなんだろうと思わないでもない。作品の雰囲気が子供っぽくなってしまう気がするから。実際かなりそうなってしまっているし。1、2話のテンションに戻れそうになくなっている気が強く感じる。
あと、諌山家を養女に継がすことに反対するシーンにも少し違和感が。日本の伝統としては血筋を重視するのは象徴的な意味のトップだけで、実力が問われる場面では基本的に血筋を問わないことが多い。明治期以降は変わってしまったが、古くからの伝統色の強そうな描き方にこの感覚はずれているように思ってしまった。

喰霊-零- 1(限定版)喰霊-零- 1(限定版)
価格:¥ 6,930(税込)
発売日:2008-12-26