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白夜の炎

原発の問題・世界の出来事・本・映画

タイの水害―バンコク週報より

2011-10-27 13:21:54 | 災害
① 10/26

 都知事、「バンコクは危機的状況」

 スクムパン・バンコク都知事は10月26日午後9時、ドンムアン区とバーンプラット区の住民に対し、早急な避難を呼びかけた。

 同都知事は「バンコクは危機的状況に陥った。特に、高齢者、病人、障害者、こどもは一刻も早く避難してほしい」と危機感を露にした。

 さらに、ラートプラオ区とワントンルアン区の住民に対しても、警戒を怠らないよう求めた。

 バンコクでは27日から31日まで長期休暇となることから、洪水を逃れるためパタヤに避難する都民が続出。このため、バンコク・パタヤ間の幹線道路は26日、各所で渋滞となった。


② 10/26

 首相「バンコク全域が浸水の恐れ」

 バンコク北部のドンムアン空港が浸水したことを受け、インラック首相は10月25日夜、テレビ放送を通じて、バンコク全域が浸水する可能性のあることを国民に伝えた。

 バンコクでは同日、チャオプラヤ川の水位が海抜2.35~2.4メートルに達し記録を再び更新した。都庁によれば、同川沿いの防水堤の高さは2.5メートル。これを超えて水位が上昇すれば、川沿いのエリアは浸水・水かさ上昇は避けられない。

 インラック首相は、「浸水の程度は当局がどの程度状況に対応できるかにかかっている」としているが、浸水被害がバンコク中心部にまで及ぶ可能性が高いという。


③ 10/26

 米空母帰還で外務省が釈明

 タニ外務報道官(外務省情報局局長)は10月25日、米政府が災害支援のためタイに派遣した空母ジョージ・ワシントンが艦載機による被災者空輸を行わずに帰還の途についたことに対し、「米政府はタイ国内の状況が深刻でないと判断した結果」と説明して、「タイ政府の反応がちぐはぐだったため」との一部報道を否定した。

 米海軍太平洋艦隊のパーキンス報道官によれば、米海軍の艦船4隻が16日からタイ沖合で待機していたが、タイ政府から正式な支援要請がなかったため、21日にタイを離れた。

 タニ報道官の説明では、「被災者空輸は人命にかかわるケースに限られており、米側は空輸の必要なしと判断した」。だが、米海軍関係筋によれば、「タイ政府とのチャンネルは2つあるが、支援提供について、一方は『受け入れ』、もう一方は『不要』と伝えてきた」とのことだ。


④ 10/24

 被災者245万人、死者356人


 水害被災者救済センターは10月22日、洪水に見舞われたのは28県175郡、被災者が245万人、洪水関連死が356人と発表した

 また、道路は15県で77カ所が損傷、鉄道の北部路線は18の路線が運休している。

 東北部路線は運行しているが、ルートを変更しており、サムセン、バンスー、ドンムアンの3駅は経由しない。

 なお、海軍によれば、27-31日にかけ海の水位が海抜2・30-2・35メートルに上昇するため、警戒が必要という。

福島原発の労働状況―5/14時点

2011-10-27 13:16:03 | 労働
 以下は毎日新聞WEB版5/14付の記事⇒http://mainichi.jp/select/jiken/graph/20110515_2/?inb=yt


「 東京電力福島第1原発事故の復旧作業で、作業員の安全確保のルールや手順がなし崩し的に緩和されていることが、作業員らの証言で分かった。

 放射性物質が体に付着する「身体汚染」をした場合、体を洗う「除染」で完全に落とさなければならなかったが、今は完全に除染できなくても体のどこに付着しているかを示す「確認証」があれば作業に戻ることができるという。他にも多くの規制が緩んでいるため、作業員らは不安を訴え、専門家は懸念を示している。

 同原発構内の放射線量は高く、水素爆発した3号機の原子炉建屋付近には毎時900ミリシーベルトと高い放射線を出すがれきが見つかっている。

 通常、1日の作業で1ミリシーベルトを超す被ばくが見込まれる場合、元請け会社は作業員の予想被ばく線量を記した作業計画書を労働基準監督署に届け出て受領印をもらい、東電に写しを提出する。この際、元請けによっては、下請けにも写しを「特別許可書」として渡すルールがあるが、この特別許可書も現在なくなっているという。

 ある下請け作業員は通常渡される特別許可書をもらわず作業し、約2時間半で1.3ミリシーベルト浴びた。他の作業員ら計約10人で構内拠点の免震重要棟に戻り、防護服を脱いでスクリーニング(検査)したところ、それぞれ首や後頭部に身体汚染が確認された。

 約20キロ離れた拠点施設のナショナルトレーニングセンター「Jヴィレッジ」(福島県楢葉町)で専用の特殊シャンプーで洗ったが、作業員のうち3人は除染できず、いわき市の東電施設でもう一度洗ったものの、やはり落ちなかった。

 このため3人は、体の絵とともに汚染部位などが記載されている「確認証」を東電から発行され、作業に復帰したという。確認証があれば、復帰後のスクリーニングで汚染が検出されても問題視されないが、作業員は「除染しないまま作業に戻れば通常なら始末書もの」と疑問視する。

 また、身体汚染をした場合、作業員の所属する会社は、作業経緯や内容、汚染の状態などを報告書にまとめて元請けに提出し、元請けは東電に連絡することになっているが、いまだ報告書は提出されず、汚染を知る元請けや東電から提出も求められていないという。

 作業員は「東電も元請けも『この現場で汚染しない方がおかしい』との考えでしょう」と述べ、緊急時のためルールがなし崩しになっていると指摘。「原発を何とかしたいとの気持ちから(作業員の)みんなも『汚染しても仕方がない』という雰囲気だが、正直、不安はある」と語った。

 東電広報部は確認証について「(検査で)高い数値が出た人に異常がないことを示すものだが、いずれにせよ落ちるまで除染している」と説明。特別許可書(東電側では作業計画書)などについては「コピーを受領するだけ」とし、基本的に作業員と元請けとの問題との立場を示した。

【町田徳丈、市川明代、日下部聡】

 2011年5月14日」

原発労働の理解は原発の理解を深めること-再掲

2011-10-26 17:55:26 | 労働
 原発で働く人たちの実情を知ることは、すなわち原発運営の実態を知ること。

 以下にすでに何回か紹介している平井憲夫さんの「原発がどういうものか知ってほしい」と、

 遠藤さん(仮名)の「俺たちは使い捨て  原発労働者が実状を語る」の二つのURLを掲載します。

 ぜひともご覧ください。


 平井さん⇒http://www.iam-t.jp/HIRAI/


 遠藤さん⇒http://fukushima20110311.blog.fc2.com/blog-entry-32.html

 なお平井さんの文については「大半がウソ」といった批判があったようですが、その点を検討しようとしたサイトがあります。⇒http://raaq.jp/universaljapan/2011/03/2063

 また高木仁三郎さんが日本物理学会誌に阪神大震災後に書いた文章のサイトは以下の通り。阪神大震災の後、高速道路や新官制の問題はチェックされ、それが全国に生かされたのに原発だけはそうはならなかった。高木さんの意見が生かされていればこんなことには…、と思わざるを得ない文章です。
 ⇒http://ci.nii.ac.jp/els/110002066513.pdf?id=ART0002195281&type=pdf&lang=jp&host=cinii&order_no=&ppv_type=0&lang_sw=&no=1319513363&cp=

リビアが北朝鮮指導部にどのような教訓を残したか

2011-10-26 13:58:18 | アジア
 北朝鮮指導部に批判的なデイリーNKからの引用。⇒http://japan.dailynk.com/japanese/read.php?cataId=nk00600&num=14773

「「北指導部は核放棄がカダフィの死を招いたと判断」

専門家「核保有に執着する…親西側戦略の結果だと宣伝」

金素烈記者

[2011-10-23 13:08 ]

リビアの独裁者カダフィ大佐の死亡は、他の長期独裁国家の北朝鮮の対内外政策にどんな影響を及ぼすのか?

金正日とカダフィは、数十年間『反米』を目標にしながら息子に権力を譲り渡し死ぬまで王の座を維持しようとする点で、共通点を持つ。民衆蜂起と内戦で追い出され逃避して死亡したカダフィの最後は、三代世襲を進行中の北朝鮮政権に示唆するところが大きいという観測だ。

また、二人とも米国の軍事威嚇を理由に核開発を進めた。ところが、カダフィは国際社会の圧力に勝てず2003年に、核を含むすべての大量殺傷武器開発放棄を宣言した。

金正日の立場としては、生存のために親西側外交を選択したカダフィの最後を見て、孤立と対決主義路線をより一層守っていくと予想される。軍事的冒険主義を通じて周辺情勢を緊張させ、体制保障と経済支援を追求してきた北朝鮮の「綱渡り」外交を一層強化するという指摘だ。

米国外交専門雑誌フォーリンポリシー(FP)は去る8月に、リビア事態に対して「北朝鮮の金正日国防委員長など全世界の独裁者に核と同じ大量殺傷武器を放棄してはいけないとの教訓を残した」と診断したことがある。

チョ・ヨンギ高麗(コリョ)大教授は、デイリーNKと通話で「核保有国地位を獲得することが、自分たちが生き残れる唯一の道との判断に確信を与えただろう。カダフィの最後は親西側戦略が産んだ惨めな結果との宣伝を強化して内部統制力弱化を遮断するだろう」と展望した。

チェ・ヨンファン京畿(キョンギ)開発研究院責任研究委員も「今後、核交渉がより一層難しくなる前兆になる事件だ。北朝鮮執権勢力はカダフィの死が核をあきらめたことから産まれた結果と受け止めるだろう」と見る。

これと関連して北朝鮮は、3月にリビアに対する北大西洋条約機構(NATO)等連合軍の空襲が開始されるやいなや『リビア式核放棄方式』を非難していた。当時の北朝鮮外務省スポークスマンは朝鮮中央通信記者とのインタビューを通じて、「リビア核放棄方式は『安全担保』と『関係改善』との甘い言葉で相手をたぶらかし武装解除をさせた後に軍事的に襲う侵略方式だ」と主張した。

23~24日にスイス、ジュネーブで開催予定の第2次米朝高位級会談でも、このような情勢変化が影響を及ぼすだろう。最近、金正日はロシア通信とのインタビューを通じて、『前提条件のない6カ国協議』を主張してきただけに、交渉を通じた北核廃棄履行よりは既存の立場を守って時間を引き延ばす作戦に出るという観測だ。

北朝鮮の対内政策も統制を強化する方向に展開する可能性が高い。 国境地域を中心に後継者金正恩の主導で実施されている非社会主義検閲の強化が予想される。

2月に『ジャスミン革命』が広がった当時、北朝鮮は金正日の指示で咸鏡北道(ハムギョンブクド)の人民保安局に100人余りで構成された『暴動鎮圧特殊機動隊』を組織していた。この他にも北朝鮮が外部情報流入を遮断するために外国人訪問客に対する携帯電話貸与を中断した。

以後、軍部隊を動員した『暴風軍団』検閲や中央党組織部が直轄する『828常務』などを通じて、市場と国境統制と関連した強力な検閲を受け継いでいる。この検閲は国境地域を通じた外部情報流入が住民たちの反社会主義思想と指導部に対する不信の拡散につながりながら後継構築を妨害しているとの判断からだ。

カダフィの死で再び起こるかもしれない中東民主化運動の影響を防ぐためにも、国境地域を中心にした検閲と統制をより強固にすると見られる。

チェ責任研究委員は「北朝鮮当局が逆転の発想レベルで住民たちの不満をおさえる方案を講じる可能性がある」として、カダフィの最後が『最も多い支援分』を持っている韓国と関係改善を試みる契機になるかもしれないと話した。」

世界の地震多発地帯と原発立地

2011-10-25 19:30:41 | 災害
 改めてこの国には原発は作ってはいけなかったと思う。

 ⇒http://d.hatena.ne.jp/kamiyakenkyujo/20110525/1306338295

 もともとは「新聞赤旗」のようです。

 タイトルをクリックしていただければ大きな図で見ることができます。

 ただ地震がなければ原発は安全、というわけでもないのでご注意を。

新潟県の放射能汚染地図

2011-10-25 18:38:18 | 災害

 タイトルをクリックしてください。

 改めて新潟県の放射能汚染地図です。

 森林汚染、水源への影響等、長期的な課題が極めて大きいように思います。

 http://www.asahi.com/national/update/1012/TKY201110120568.html からの引用です。

委員会内部でさえ異論続出の原発事故コスト算定

2011-10-25 18:05:19 | 原発

「原発事故のコスト試算に異論続出

10月25日 17時4分

 原子力発電にかかるコストを試算している、国の原子力委員会は、事故が起きた場合の追加的なコストについて、1キロワットアワー当たり最大で1円程度とする、初めての試算をまとめました。

 これまでの原発のコストに上乗せしても、ほかの発電方式より依然安くなっていますが、今回の試算には広範囲にわたる除染費用などが含まれず、委員の間から異論が相次ぎました。


 原子力委員会の25日の会合では、福島第一原発事故を踏まえて、深刻な原発事故が起きる確率と事故にかかる損失額を基に、事故が起きた場合のコストを算出しました。

 このうち、事故の確率は、福島第一原発事故を参考に、500年に1回起きるとする場合から、国際的な安全目標である10万年に1回の場合まで、幅を持たせました。

 そのうえで、損失額は、避難の費用や風評被害などの損害賠償に加えて、廃炉の費用を合わせて、1基当たり3兆8800億円余りと算出しました。

 ただ、森林を含めた広範囲に及ぶ除染費用や廃棄物の保管費用などは、正確な金額がまだ分からないとして含まれませんでした。

 この結果、事故が起きた場合のコストは、1キロワットアワー当たり1.2円から0.0046円になると試算されました。

 これに対して委員の1人は、除染や廃棄物の費用などを含めると損失額は48兆円に上るとする独自の試算を提示し、コストは1キロワットアワー当たり最大で16円になると主張しました。

 議論の結果、独自の試算も参考として併記したうえで、事故が起きた場合のコストは0.1円から1円として、政府の委員会に報告することで合意しました。

 原発のコストは、過去の試算では1キロワットアワー当たり5円から6円とされ、25日に合意した事故のコストを上乗せしても6円から7円程度で、依然、ほかの発電方式より安くなっています。

 座長を務める、鈴木達治郎原子力委員長代理は、「試算の参考にした数字には不確定なものが含まれるので、参考にする場合は、議論の前提や内容をよく理解していただきたい。特に損失額はまだ分からないので、あくまで現時点での報告だ」と話しています。」

 併記だなんだといっても結局は役人がまとめた異様に事が進んでいる。

 それにまず事故発生確率の算出方法の全面的見直しと、廃炉費用の見直しが必要。

 本当にひどい。

 ちなみに写真の人物が原子力委員会の委員長。

 実力は委員長代理の鈴木達治郎の方がありそうだが。⇒http://www.pp.u-tokyo.ac.jp/faculty/professors/TatsujiroSuzuki.htm

東電は福島の被災者に何と言っているのか

2011-10-25 17:50:49 | 災害
「福島 フクシマ FUKUSHIMA」からの転載⇒http://fukushima20110311.blog.fc2.com/

「住民が東電を追及   川俣町

 事故から7カ月以上経つ10月20日夜、川俣町で、東京電力が賠償問題について住民に説明する場が、住民の側の要求で、ようやく設定された。 

 川俣町は、福島第一原発の北西に位置し、東西を飯舘村と福島市に挟まれている。南東は浪江町に接している。浪江に接する山木屋地区は計画的避難区域に指定されている。

 この日の会場は、役場などがある中心街のバイクショップの倉庫だった。ここに住民約30人が集まった。
 東電の側は、5人でやってきた。2人が作業着、3人が黒のスーツ。


 
「事故の収束」? 住民にとっては何も「収束」していない

 東電は、どこの説明会でもやっているように、頭を下げて見せるところから始めた。しかし、その後の説明は、「『原発事故の収束』に向けて進捗している。もう危険はありません」。これを延々とやった。

 住民らは、これをいらいらしながら聞かされた。

 そして、説明が終わると、次々と住民が発言した。静かな口調だが、厳しい糾弾だった。

「事故で出た放射能がある。20ミリシーベルト/年を超える被ばくをしている。それなのに、『収束している』では話が違う」

「福島がフクシマにされてしまった。ヒロシマの180倍の放射能が吐き出された。福島に爆弾が落とされたみたいなもの。その残骸は全部、東電が持って帰れ」

 放射能がまき散らされ、その被害が継続している。住民にとっては、何も「収束」などしていない。それなのに、「事故の収束」を宣伝する姿勢に怒りの声があがった。


加害者ということを忘れてないか

 「除染」にたいする東電の姿勢にも批判が出た。
「『除染は、東電の責任です』と言っているけど、実際は、国が県に、県が自治体に、自治体が住民にぶん投げて、誰も責任をとらない。

 除染の話に、東電は全然出てこない」

 これにたいする東電の応答は、「東電としては、除染についての蓄積があるので、ノウハウを提供し、アドバイスさせていただいている」と。


 これには住民の怒りが。「なんで迷惑をかけた人が、やらないのか。なぜ加害者が自分のところの人間を組織して、やんないの? 家族総出でやんなよ。なんで被害者がやって、加害者がそれにノウハウを提供するという話になんの?」
「おまえら、加害者だろ。加害者ということを忘れてないか。東電の職員が身を削っているように見えない」。


なぜ東電の方から書類を持ってこない

 損害賠償請求についての東電の説明にも、住民は苛立ちを隠せなかった。

 「損害賠償請求の書類は、なんでこちらから要求しないと来ないのか?」と住民が質問。

 これにたいして東電は「誰がどこに住んでいるかわからないので、来てもらわないと」と答弁。

 加害者が大きな態度で被害者を呼びつけ、被害者は頭を下げて書類をもらいに行くという姿になっている。

 これにたいして「そんなもん、一軒一軒、訪ねて歩けよ」と住民の怒り。

 さらに、東電の損害賠償請求についてのコールセンターの対応にも住民の怒りが。

 実は、コールセンターの業務を東電は下請けに投げていて、電話で直接応対するのは東電の人間とは限らない。それをやらされる下請けの労働者もたまらないが、何より被害を受けて住民にとっては、実に不誠実な対応だ。

 「30キロ圏外の自主避難についても全部補償してほしい」という住民の発言がいくつも出された。

 これにたいする東電の答弁は、「検討しているが、まだ国の指針が決まっていないので・・・」と逃げる。




もし子どもの将来に・・」と悲痛な訴え

 若い男性は、思い詰めたような言葉で、「もし子どもに将来、健康被害が出たら、補償してくれるのか?」と問う。
 東電は、「それについては、今の段階では答えられない」。

 若い男性は、「納得できないまま、墓に入れということですね。・・・残念です」。

 隣の飯野町から小さい子どもを連れた若い女性は、ずっと不安に苛まれている辛さを吐き出した。

 「7カ月間、ずっと不安。子どもの将来を考えると辛い。この気持ちは、福島にいないとわからない。東電の人は、ここにいない。ここにいないと、この苦しさはわからない。

 私の家の庭は、まだ10~20マイクロシーベルト/時ある。でも動けない。自主避難しろということか。避難できる人とできない人がいる。支援がなければできない。

 東電は何もしてくれていない。民間のボランティアが支援の手を差し伸べてくれている」。

 この悲痛な訴えにたいして、東電が答えた言葉は、「そういう切実な話をきかせていただき、ありがとうございました・・・」。

 

殴ってやりたい気持ちだ

 この会場を提供するなど、この場の設定に尽力したSさん。何度も発言したが、最後に怒りを爆発させた。

「バイクショップをやっていた。ここは、銀行に借金して、去年やっとつくった倉庫。でもいまは、放射能汚染でバイクに乗る人なんかいない。いまは借金を返すのが大変。どうしてくれるんだ」。

 「眼のガンで、放射線治療を受けている。3月18日に眼が腫れた。福島医大で診てもらったら、最初は『被ばくの影響』と言われた。しかし山下(長崎大教授から福島医大副学長)が来てから、対応がコロッと変わった」。

 「東電の住民をなめた態度が許せない。ほんとに殴ってやりたい気持ちだ」。


被害住民を切り捨てる

 東電は、これだけの重大事故を起こし、住民をこれだけ苦しめている。

 しかし、東電には、加害者としての自覚はほとんどない。住民にたいしてまもとに応対しようという気持ちさえ見えない。何を言われても、法律をタテに「できない」といい、「国が決めるので」と国の下に逃げ込む。マニュアル通りの答弁をくり返す。

 住民の前に出てくる東電の社員が、こういう対応に何の疑問も感じてないように見える。こういう場に出されて辛いだろうという気持ちに最初はなったが、全く同情する必要もなかった。

  賠償にしても、避難にしても、除染にしても、この間の国や東電の姿勢から見えることは、被害を受けて苦しむ住民を切り捨てて、国と東電と原子力政策を守るという方向に突き進もうとしていることだ。


 住民は、このような東電に冷静に怒りをぶつけ、国や法律によって守られている所から、東電を、何とか捕まえて、引きずり出そうとしていた。

福島の叫びを孤立させてはならない

 
「通販生活」というカタログ雑誌に以下のような文章が載っているということを、知人に教えていただいた。


ー原発を語るときー

廃止論であろうと

再開論であろうと

原発を語るときは

心を福島に置いて語る習慣を身につけよう

福島でつくられた原発電力は

東京で消費されたから

つまるところ

福島の子たちは

東京の子たちの身代りになった

福島の親たちは

東京の親たちの身代りになった

大阪で消費される原発電力は

どの県でつくられているのだろう

五年後の甲状腺ガン

十年後の白血病が

春夏秋冬気にかかる

福島の子たち親たちを棚に上げて

原発を語ることの

恥ずかしさよ


 福島の人びとの叫びを孤立させてならない。

「避難を求める住民に避難を。補償を求める住民に補償を」という声を、全国からあげてほしい。」

山本太郎と田原総一郎の対談―文章で

2011-10-25 17:29:53 | 災害

 山本太郎氏と田原総一郎氏の対談。⇒http://news.livedoor.com/article/detail/5955455/?p=1

「「放射線量の高い福島で、女子中高生が中心に走る駅伝をやるのは納得行かない。」

「反原発」活動を様々な形で行っている、俳優の山本太郎氏が、ニコニコ生放送の「田原総一朗 談論爆発!」に出演し、山本氏は福島からの子供達の避難の重要性や政府の対応の遅さ、マスメディアの報道体制などについて訴えた。田原氏もヒートアップし、怒鳴り声を上げるなど、熱い議論が交わされた。
【取材:田野幸伸(BLOGOS編集部)】


■視聴者の質問に答える両氏

-今の報道をどう思う?

山本:最低だと思いますよ。大本営発表をいろいろな角度から検証する必要があるのに、そこまで踏み込んで行っていない。

 TV・新聞からしか情報を得られない人が多い。ネットには本当にいろんな情報があって、自分達で取ってこられるけど、そういう人はごく一部。だからTV・新聞で本当の事が流れないと、危険だという事が分からずに殺されていく人が沢山いると思いますね。


田原:もっと具体的に言います。3月の12日に東電の1号機で水素爆発が起きた。

   このとき政府は建屋で水素爆発が起きたと発表した。新聞もみんなそう書いた。TVも。発表したのは当時の官房長官、枝野幸男。(僕は)枝野幸男に「おかしいでしょ」と直接言った。建屋で爆発が起きるという事は、建屋の気圧に異常があるという事。異常があるという事は、核燃料器か圧力容器に異常があるという事。

 実はこのときメルトダウンは起こっていたのだけど、僕はその時まだ(メルトダウンが起きていることを)知らなかった。「なんでそういう事を言わないんだ!」と言ったら、「田原さん、あなたの言っているのは推測だ。政府が推測を真に受けて発表すると、危機感を煽る。

 だから推測を交えないんだ」と言うのが枝野の答えだった。これも問題なんだけど、もっと問題なのはマスコミ。当時何人もがメルトダウンが起きていると指摘していた。朝まで生テレビでも言った。ところが、そういう「危ない」という人の意見は一切聞かないで、「安全、安全」という事をTVも新聞もやった。大問題だよね!?

山本:大問題ですよ。それによって避難しない人がいるわけですよ。マスコミに殺されたたも同然の人が多いと思いますね。この先の健康被害が出てきた時に。その責任を取れるのかって話ですよ。取らないと思いますけど。だから・・・ひどい話ですよね・・・。


-反原発活動で新たに取り組みたいことは?

山本:今一番応援したいのは、郡山の集団疎開裁判。賠償しろ!とかではではなく、14人の子供達を安全な地域に疎開させて勉強させてくれっていう。ここを突破口として開かないと、他の子供達まで手が回らない。

田原:「疎開したい」って言えば、国も東電もそれは当然OKだよ?

山本:でもそれには、国のバックアップが必要じゃないですか?お金の問題があるから。この裁判についてね。そんなに多くは流れて(報道されて)ないんですよ。

田原:マスコミが流さないんだ。

山本:そうなんですよ。どうやったらそれ上手くアピールできますかね、田原さん?

田原:朝生に出て言ってくださいよ。

山本:その頃(大晦日の朝生特番)には裁判終わってるんです(笑)


■放射線の中を女子中高生が走る駅伝

山本:それともう一つ。福島市で2週目の日曜日に東日本女子駅伝ってのがあるんですよ。

 女子駅伝ですよ? まだ放射線量が高い場所です。下は13歳、中学生から高校生ぐらいがメインのランナーなんですよ。

 その子たちに、まだ復興もしてないのに「復興しました」というハッタリの看板を上げるために走らせると言うのが、どうも納得行きません。

田原:どこが主催なの?

山本:ケーズデンキがメインスポンサーです。

田原:主催は?

山本:わからないです、ごめんなさい。

※主催は福島テレビ(フジテレビ系列)と東北陸上競技協会
・東日本女子駅伝11月13日開催-福島民報

田原:県とか市とかからんでるんじゃないの?

山本:もちろんですよ。ただ、マラソン大会を中止に追い込むというのは大変なことなんですかね?

田原:それよりも、その地域の線量がね、どれくらいかって事を発表するかが大事だよ。

山本:TVがそれを報じますかね?

田原:やるよ、少なくとも僕の番組でやる。

山本:それは田原さんだけですって、他のTVはだんまり決め込みますよ。

田原:やるよ。行ったら教えて。



■デモは「一人じゃない」と感じる場所

-デモにはどれくれいの効果があったと思います?

山本:僕が思うデモというのは、沿道の人にアピールすると言うよりも、集まっている人たちが「一人じゃない」と感じる場所だと思うんですよ。

 普段一人ひとりが出来る事をやっていて、デモに行ってこんなに沢山仲間がいると勇気をもらって、また次の日から同じ方向を向いて頑張っていく、という場所だと思っています。

また、田原氏は放射能に対する法の抜け穴も指摘した。

田原:水銀とか、カドミウムとか、空気中に出しちゃいけないっていう法律がいっぱいあるの、日本は。当然放射能も出しちゃいけないっていう物質だと思っていたの。でもそういう法律ないの。

山本:上手いことやりますねー。

田原:放射能を出しても、法律に違反しないの。で、「何でだ!」って聞いたの。環境庁や厚生労働省に。

 そしたら「放射能が出るなんてことは想定してなかった」って。

 もっと言うと、ロシアは、(当時ソ連)あのロシアがよ、チェルノブイリが起きて1ヵ月後にはこれ(放射能)は違法だと。違法だから、病気になった人は国が全部補償すると。

 日本は未だにやっていない。どこがやるんだ!といろんな省庁に聞いたら、環境庁がやるんだと言うわけ。そこで、環境庁の課長に電話したの。「あんたのところやるんでしょ!?」と。そしたら「・・・そういうふうになってるんですかねえ」と言ったのよ。他人事。けしからんよ。


-原発に対して、政府に対して言いたいことは

山本:うーん・・・すぐ補償、すぐに賠償。さっさとやれって話ですよ。
何をとぼけてるんだと。じりじりいつまでもやるつもりですよ。やって欲しいですね。やるべき事を。

そして生放送終了後、山本太郎氏は報道陣の取材にも答えた。

-東日本駅伝のコースの線量を測るスタッフにメドは立ちましたか?

山本:何人かはやってくれると言ってくれていますけど、みんな仕事も他の事もあるので・・・ニコ生でも汚染マップを作っているらしいので、そういう所からも勉強したいと思います。

 ただ、そんな線量の高いところで若い子走らせて、駅伝やるなよ、だけではなく、そんなところで駅伝をやることが異常事態だと。じゃあそこに住んでいる人達は、子供達はどうなんだという事を投げかけるためにも、しなくてはいけない事の一つだと思っています。

-佐賀県での告発はその後どうなっていますか?

・原発抗議で俳優山本太郎さん告発 佐賀県庁侵入容疑-47NEWS

山本:地検が受理してそこまでです。

 タイミング狙ってるんじゃないですか。告発って言ってもTVを見ながらサラサラっと書いたようなものなんですから。

 そんなものを地検が受理しただけでもビックリで。でもそれが受理されたことによって、僕は確実に経済的影響を受けている訳で。これこそ風評被害です。目に見えるものとしては、原発と関係ないイベントなんてめったに呼ばれないのに、たまたまひとつ呼ばれていたのがなくなりましたね。


山本太郎氏は番組終了後の夜、ツイッターで

・有難うございました!3・11デビューですが上手に噛みつける様、勉強しておきます
・必ずリベンジしに行きます!田原さんが長生きしてくれる事、祈ります笑

と、発言。大晦日に福島から放送される「朝まで生テレビ」への出演は実現するのだろうか。楽しみである。」

セイフカダフィは、スーダンの分離派のもとに

2011-10-25 14:13:56 | 中東
ロシアの声、より。⇒http://japanese.ruvr.ru/2011/10/24/59270813.html

「故ムアマル・カダフィ氏の息子であるセイフ・アリ=イスラム氏が、スーダンのダルフールで活動する分離派グループのリーダーの下で保護されていることが明らかになった。スーダンのマスコミが伝えたところによれば、セイフ・アリ=イスラム氏は側近らと共に8月27日、6台の装甲自動車に分乗してリビアの都市シルトを脱出していたという。

 マスコミの情報によれば、分離派による保護に対しては、カダフィ一族が保有する外国資産から金や現金などで支払いが行われているという。」

シルトの惨劇―リビア革命は諸勢力間の報復・復讐合戦

2011-10-25 13:25:00 | 中東
 ウォールストリート・日本版から⇒http://jp.wsj.com/World/Europe/node_330939


 以下のようなことが事実なら、英米仏の三カ国は人道的見地から、反カダフィ派のシルト侵攻を阻止すべきではなかったか。

 国民評議会がどのような体制の構築に向かうにしても、血で血を洗った部族間・利益集団間の対立。

 穏健派から過激派まで多種多様にわたるイスラム勢力―その中から有力な武装集団が生まれた―の対立・相克、は避けられそうにない。


「 【トリポリ(リビア)】

 20日死亡したリビアの元最高指導者カダフィ大佐の故郷であるシルト奪還の戦いで、兵士たちが無数の違法な処刑やその他の残虐行為に関わったことを示す新たな証拠が出てきた。これにより、リビア革命の最後の瞬間をめぐり新たな疑問が生じているほか、国民和解に難題が突きつけられた。

リビアの都市シルト(24日)


 シルトの住民や医療関係者によると、彼らはカダフィ派と反体制派双方の兵士数十体の遺体の確認作業を行ったが、遺体は手を縛られており、後頭部を銃撃されて死亡したとみられるという。

 住民や医療関係者によると、こういった遺体は、シルトの街中に放置されたり、病院の遺体安置所に置かれていた身元不明の遺体数百体の一部にすぎないという。

 こうした残虐行為の報告は、20日のカダフィ大佐の死亡経緯で巻き起こっている論争に続くものだ。カダフィ大佐はシルトで生きたまま拘束されたが、ミスラタから来た兵士らに拘禁されている間に死亡した。これら兵士らはシルト陥落のための軍事作戦の先頭に立っていた。


 反カダフィ派の国民評議会(NTC)のアブドルジャリル議長は24日、カダフィ大佐の死亡について徹底的な調査を命じたことを明らかにした。

 カダフィ大佐の最期に関する司法上の問題を気にかけるリビア人はほとんどいない。しかしシルトでのその他の殺害や残虐行為の詳細が明らかになったのを受けて、同国の民主化移行に悪影響が及ぶ恐れがある。

 NTC内では、拡大した暫定政権の樹立に向けた政治的な交渉が行われている。拡大暫定政権には全ての政治的な分派メンバーや、カダフィ派の最後の拠点だったシルトやバニワリドを含むリビアの全地域の代表が含まれる予定だ。アブドルジャリル議長によると、交渉は2週間から1カ月かかる可能性があるという。

 シルトとバニワリドはカダフィ政権時代に特別の恩恵を受けた都市で、こうした2都市の代表も交渉に含めるとの見通しに困惑するリビア人も少なくない。他方で、2都市の住民の中には、新政権の下で自分たちが平等な扱いを受けられるか疑問視する向きもいる。

 シルトの戦いの最終段階に関する新たな詳細は、まだ明らかになりつつある段階だ。人権擁護団体や住民によると、市内では大量殺害があったとみられる場所が少なくとも2カ所見つかっており、そこからは少なくとも63体の遺体が収容された。

 シルトでは23日、第2地区と呼ばれる地域のホテルの外の芝生の上に53体の遺体が集められているのが発見された。そこでは10月20日に戦いの最終段階を迎えていた。

 これらの遺体を見た3人の関係者によると、遺体の多くには、手を縛られた状態で処刑されたことを示す兆候があるという。

 ニューヨークを本拠とする人権擁護団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)」によると、住民たちは、これらの遺体の多くはカダフィ派の人々だと指摘しており、中にはカダフィ政権の元閣僚やシルトの軍将校も含まれているという。HRWは残虐行為の疑いについて調査を行ったり、遺体を収容する医療関係者に事情聴取したりしている。HRWは遺体の損傷具合から判断して、早くて10月14日にも大量殺害が行われた可能性があるとしている。

記者: Margaret Coker 」

大うそつき―原子力委員会の原発事故を踏まえたコスト計算

2011-10-25 12:59:38 | 災害

「原子力発電の事故コスト、1キロワット時当たり最大1・2円 原子力委が試算

産経新聞 10月25日(火)11時35分配信

 原子力発電の経済性を検証している、国の原子力委員会「原子力発電・核燃料サイクル技術等検討小委員会」の事務局は25日、損害賠償など原発事故でかかる費用を考慮した発電コストの上昇分について、1キロワット時当たり0・0046~1・2円とする試算案を示した。原発事故コストの試算は国内で初めて。

 これまで、原子力の発電コストは電源別で最も安い同5~6円とされていた。だが、福島第1原発事故を受け、「事故費用が含まれていない」との批判があり、小委員会が事故コストを試算していた。

 小委員会は、政府の「東京電力経営・財務調査委員会」がまとめた福島第1原発事故の報告書をもとに、事故を起こした原発の廃炉費用を約3200億円と推定。避難や風評被害などの損害賠償費用と併せ、原発事故の損害額は計約3兆9千億円に上ると試算し、出力120万キロワットの大型原発のコスト上昇分を算出した。

 その結果、事故の発生確率を国際原子力機関(IAEA)の安全目標の「10万年に1回」とした場合、事故コストは1キロワット時当たり0・0046~0・0062円に。一方、福島第1原発事故を踏まえた国内の実績値「500年に1回」で試算すると、0・92~1・2円となった。

 ただ、今回の試算案では、森林などの低線量地域の除染や、除染で出た廃棄物を保管する中間貯蔵施設の費用などを含んでおらず、今後コストが上昇する可能性がある。試算は政府のエネルギー・環境会議に報告され、電源別のコストの検証に使われる。

 エネ環会議のまとめでは、電源別の1キロワット時当たりの発電コストは、石炭火力が5~7円で原発に次いで安く、液化天然ガス火力が6~7円、石油火力が14~17円。また、再生可能エネルギーでは大規模水力が8~13円、風力が11~26円、太陽光が37~46円-などとされていた。ただ、算出の条件や基準が統一されていないため、同会議が検証を進めている。」

 前提があまりにも恣意的ででたらめ。

 廃炉費用が三千二百億円は安すぎる。

 また発生確率で、いまだにIAEAの安全目標十万年に一回を参照したり、「国内実績値「五百年に一回」」としている等論外。

 大規模事故は1979年スリーマイル島、1986年チェルノブイリ、そして2011年福島と、1954年の旧ソ連での原子力発電開始からでも、60年に三回も発生している。20年に一回である。

 原子力委員会のメンバーは福島事故の前も後も変わっていない。

 事故の前はそれこそ原子力推進万歳という方向を推進していた。

 今はそれを多少修正しているようだが、このようなところに本質が見える。

 役人に与えられた資料を上手にこなして、政府の方針や財界の動向、そして今は鳴りをひそめているがたいした反省もしていない原子力村の仲間の意向を踏まえた結果を出してきた。

 どうしても原発を安くしたいらしいが、もう一回事故が関西であれば亡国だ。国が滅んで原発が残って、どうするんだ。