白夜の炎

原発の問題・世界の出来事・本・映画

ロシアの専門家の意見―宮崎学氏のブログから

2011-05-19 17:19:36 | 原発
 宮崎氏のブログから、ロシアの専門家の見解を載せる。

 以前「ロシアの声」にイズベスチアの記事が転載され、日本に派遣されたロシアの専門家が日本の対応を厳しく見ていたことが書かれていたが、今回はそれ以上に、そして具体的に問題点が指摘されている。

 初期対応の不備―東電は二日間なにもしなかった。

 統一司令部の欠如―いまだに。

 住民避難の遅れ-今や危険地区に戻し始めている、論外だ。

 本当に情けなくなるような日本の実態である。

 そしてほぼこの通りなのだろうと考えるほかはない。

「ロシアから見た福島原発事故

福島原発事故から1ヶ月半が経過した今もこの問題はロシアで広く議論されている。ロシア政府高官たちは日本当局と東京電力の対応を批判することなく慎重な発言をしているが、一方で多くの専門家たちは日本政府と東電の対応を厳しく批判している。

批判の1点は統合司令部の欠如だ。福島では、チェルノブイリのような、政府当局、東電、地方自治体、自衛隊、核専門家による統合司令部が作られなかった。チェルノブイリでは副首相が司令部の本部長となり、彼がレスキュー・オペレーション全般の責任をとり、レスキュー作業と地元住民避難作戦に参加する全ての人間に命令を与えることができた。

福島は人的災害だと多くのロシア専門家は指摘している。彼らは地震も津波も直接の原因とは全く考えていない。津波は福島第2をも襲ったが、そこで問題は発生していない。

福島第1で問題が起きたのは、サポート設備の不備、事故発生当初の不適切な対応、そして、実情の隠蔽が原因だった。東電はベストを尽くそうとしたかもしれないが、その対応は混乱し鈍かった。専門家たちによれば、事故発生当初の対応には次のようなミスがあった。

第1に、原子炉内圧力が上昇すると発電所のオペレーターたちは避難し、彼らは事態が悪化する中、2日間、何もすることなく、電力復旧作業を始めたのは既に手遅れの状況となっていた3月14日になってからだった。

第2に、東電は最悪のシナリオ時に発電所のインフラ破壊を防ぐための何のプランも持っていなかった。緊急事態対応策の中には国家緊急隊、あるいは自衛隊への連絡も含まれていなかった。緊急時に経産省・保安院などの当局者と地方知事に連絡する唯一の方法はファックスだけで、ファックス受信の確認を例外として電話をすることさえ許されていなかった。

第3に、事故処理“部隊”の人数があまりにも少なかった。

 4月初旬、その数は数百で、ロシアの専門家によれば、被爆量の制限の観点からも、経験と情報の共有の観点からも、これは全く不十分な数だった。

第4に、チェルノブイリでは住民の安全のため地域住民を強制退去させた。そのため当局は厳しく、時には軍の協力を得て作戦を実行した。それしか住民を救う手段がなかったからだ。しかし、日本では危険地域から住民に避難勧告をするだけだった。

さらにモスクワの専門家によれば、日本が提供する福島の状況に関する情報は全く信頼できないものだった。実際、彼らによれば、4月上旬、国際原子力委員会の日本代表は現状について信頼できる情報の提供を拒んだという。その日本を、福島と同型の原発を持っているアメリカは支持したという。

多くのロシア人専門家たちは、日本当局は事故対応のためのプランを何も持っていなかったと強調している。対応は全て場当たりに見え、得策とも思えないものも含まれていた。

彼らの意見では、「日本当局者はチェルノブイリ事故から何の教訓も得ようとしなかった。」福島原発はアメリカのプロジェクトに従って40年ほど前に建てられたもので、地震国・日本に適するものではなく、津波対策も不十分だった。「その決定要因は経済性であり、安全性ではなかった」と専門家たちは信じている。

最も批判されている点は、使用済みの核燃料が発電所の外の特別貯蔵庫に搬出されることなく同じ建物内のタンクに入れられていたことだ。

ほとんどのロシア人専門家はこの事実に驚いている。

福島第1の30年間の運転で蓄積された全ての使用済み核燃料が発電所内に貯蔵されていた。専門家によればこれは原子力爆弾40個を作る量となる。

この使用済み核燃料が環境と接触すれば、水、土壌、大気はすぐにストロンチウム、ウラニウム、プルトニウムで汚染されてしまう。

国際的慣例では、使用済み核燃料は核燃料供給者がすべて活用処理することになっている。

福島の燃料供給者はアメリカ企業だが、彼らは何らかの理由でこれらの使用済み燃料を原発運転全ての期間にわたり何の活用処理をしてこなかった。

損壊した発電ユニットに対する安全措置についても疑問の声が投げかけられている。

日本当局者は損壊した発電ユニットを特別な素材でできたフードで覆うことを計画している。フードはすぐに熱で壊されるのでこれは無駄だとロシア人専門家たちは強く指摘している。

彼らの意見では、これはおそらく国民を安心させることのみを目的としている。このフードは汚染された塵の拡散を防ぐものだろうが、さらに危険なのは汚染された水が土壌と海に漏れ出していることだ。当局は汚染水をメガフロートで集める計画だが、その後のメガフロートはどこに行くのか?そして集めた水をどうするのか?

ロシアでは今でもチェルノブイリは人災の代名詞だが、この1986年の事故と福島の比較は避けられない。

しかし、2つの事故の環境汚染・人的被害の大小について意見はロシアでも分かれている。ほとんどの専門家は福島は第2のチェルノブイリではないと考えている。

福島では燃料の露出もなければ原子炉の爆発もない。

一方、福島の影響はチェルノブイリよりも大きいと主張する専門家たちもいる。チェルノブイリでは原子炉が爆発し黒鉛が燃えた。しかし、損壊した原子炉は1つだけだった。日本では3つの原子炉と4つの使用済み核燃料プールが損壊している。放射線放出はチェルノブイリの20倍だ。そしてこの放出は1ヶ月以上続いている。

福島事故の結果、国際社会は原子力発電について統一した安全基準を作る必要があるというのがロシア人専門家の一致した意見だ。

福島第一原発4号機は明らかに変だ。

2011-05-19 17:08:10 | 原発
 すでに今日宮崎学氏のブログを紹介したが( http://blog.goo.ne.jp/baileng/e/f8a0cff4ce337067b71171b2f50ea422 )、宮崎氏が指摘するとおり福島第一原発4号機がおかしい。

 原子力安全保安のサイトを見ても、4号機に関するデータだけは見事に抜け落ちている。

 →http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/index-j.html#anchor02

 これは異常事態である。

 宮崎氏が情報を求めておられる。何らかの情報をお持ちの方はぜひ氏のサイトをご覧ください。

 http://miyazakimanabu.com/

反原発集会のお知らせ

2011-05-19 16:57:32 | 原発

5・27集会と銀座デモ 子どもたちを放射能から守ろう!

投稿者: 原子力資料情報室 投稿日時: 2011/5/19 14:01:33 (135 ヒット)

くり返すな!原発震災 つくろう!脱原発社会~原発も再処理もいらない!~

5・27集会と銀座デモ(東電前を通って)

子どもたちを放射能から守ろう!

2011年5月27日(金)

会場 日比谷野外音楽堂
   http://hibiya-kokaido.com/map.html

集会開始 18:00 (開場 17:30)

デモ出発 19:00(予定)


福島原発事故は収束の見込みが立たたず、子どもたちの被ばくが心配です。六ヶ所再処理工場も4基運転再開した柏崎刈羽原発も地震の心配があります。全機停止した浜岡原発は2、3年後の運転再開をめざしています・・・日比谷野音に集まってください!

参加費無料

どなたでも参加できます。プラカードや横断幕、楽器などいろいろ工夫して参加してください。

【ちらしPDF】
http://cnic.jp/files/event/20110527demoevent.pdf

【 集会内容 】

◆主催者あいさつ
 伴英幸(原子力資料情報室)

■福島原発事故と子どもたちの被ばく問題
 満田夏花さん/交渉中(国際環境NGO FoEJapan)
 福島老朽原発を考える会から(交渉中)

■六ヶ所再処理工場について
 山口泰子さん(ふぇみん婦人民主クラブ)

■柏崎刈羽原発について
 山口幸夫さん(柏崎刈羽原発の閉鎖を訴える科学者・技術者の会)

●浜岡原発について
 槌田晴美さん(たんぽぽ舎)

●9/19全国集会について・・・原水禁

※内容は一部変更になるかもしれませんのでよろしくお願いします。

共催 /原発とめよう!東京ネットワーク/再処理とめたい!首都圏市民のつどい

■原発とめよう!東京ネットワーク〈連絡先〉プルトニウムなんていらないよ!東京03-5225-7213(AIR内) / 大地を守る会 03-3402-8841 / 原子力資料情報室 03-3357-3800 / 日本消費者連盟 03-5155-4765 / たんぽぽ舎 03-3238-9035 / ふぇみん婦人民主クラブ03-3402-3244

住所 〒169-0051 東京都新宿区西早稲田1-9-19-207日本消費者連盟気付

郵便振替口座/「原発とめよう!東京ネットワーク」00170-0-159426

■再処理とめたい!首都圏市民のつどい 呼びかけ団体
: 原水爆禁止日本国民会議(03-5289-8224)/プルトニウムなんていらないよ!東京/大地を守る会/福島老朽原発を考える会/たんぽぽ舎/日本山妙法寺/日本消費者連盟/ふぇみん婦人民主クラブ/グリーンピース・ジャパン/原子力資料情報室

以上  5月18日現在です。

田中秀征氏も年に反論する。

2011-05-19 16:33:09 | 原発
 田中秀征氏が自身のブログで菅批判を行っている。

 http://diamond.jp/articles/-/12323?page=2

 前半では菅首相が、浜岡の決断は歴史が判断するといったことを取り上げて、国会や選挙などを避け、歴史に逃げ込む卑怯な議論だ、といった論調である。

 私は浜岡の停止は歴史の評価に耐えうる確かな決断だと考えるが、田中氏には気に入らないようで、とにかく政権の座を引くか、選挙をやれと言っているようだ。

 この時期に実際問題として被災地で選挙ができるか、ということも含めて、何を考えているのかと思うが、もう一つ以下のようなことも言っている。

首相の浜岡停止要請ももう一つ盛り上がりにかけるのは、やはり思いつきの場当たり発言と受け取る人が多いからだ。内外の評価によってはいつかまた変わると思われているからだろう。」

 私は"違う"と思う。

 もし浜岡停止の判断への評価が低いとすれば、菅憎しが先に立って、菅排除ありきで世論誘導をする人々やメディアがあまりにも多いためだと思う。

 そして田中氏もその一部になっていると考える。誰かが菅氏の評価を低くしているのではなく、田中氏自身が低くするための努力をしているということなのではないか(氏一人ではないが)。

 しかし現在の世論なるもの自体が、大手の既成メディアの垂れ流し報道に依存している。

 また世論といわれるさまざまな報道や議論自体が、とにかく民主党をつぶしたい、菅は嫌いだ、という人たちによって作り出されているものではないだろうか。

 東電などエネルギー業界の支配力は徹底している。現在のメディアは市民の安全ではなく、今までの電力業界等とのしがらみ優先である。

 菅を倒し、民主党を追い出したら、それこそ電力業界や官僚たちは万々歳だろう。

 田中氏はどうなのか。

 なにより田中氏はこの福島の悲劇についてどう考えているのだろうか。

 ことここに至るまでの自民党歴代政権の責任と実態をどう認識し、考えているのだろうか。

 自身国家権力の中枢にいたものとして、エネルギー政策に関する自己批判から始めるべきだろう。

 

福島の悲劇の原因

2011-05-19 14:24:39 | 原発


「5年前に指摘されていた福島原発「津波」への無力

NEWS FILE

プレジデント 2011年4.18号

必要性を理解して行為を怠れば、それは行政の不作為であり、今回の被災規模を考えればその責任は重大だ。

ジャーナリスト 藤野光太郎


大地震の衝撃が走り、大津波の惨劇が起き、原発事故の地獄が始まった。

政府や原子力安全・保安院、そして原発事故の直接責任者である東京電力は、「放射能は微量であり、 直ちに生命を脅かすほどのものではない」と説明する。しかし、拡散する放射性物質を浴び続けると、線量・発生源からの距離・浴びた時間次第では微量でも有害だ。

また、地震による「想定外」の津波が事故原因であるかのような物言いがまかり通っているが、これも事実ではない。震災直前の2月28日、東京電力は新潟と福島の三原発17基で計429機器の点検洩れを認めている。想定外どころか、驚くべき規模の管理怠慢である。

問題はさらに根深い。実は5年前の2006年3月1日の衆議院予算委員会分科会で、まさに今回同様の事故への懸念が指摘され、危機を回避するための措置を講じることが「約束」されていたのだ。

質問者は日本共産党の吉井英勝衆院議員、答弁者は二階俊博経産相(当時)と政府参考人の広瀬研吉保安院長(同)。以下はその議事録からの抜粋だ(敬称略)。

吉井「冷却系が喪失するというのが津波による(略)問題」「大規模地震によってバックアップ電源の送電系統が破壊される」「老朽化したものの実証試験を行ったということはどれぐらいありますか」

広瀬「実証試験は行われておりません」

吉井「東電福島第一の(略)6基では、基準水面から4メートル深さまで下がると冷却水を取水することができないという事態が起こりうるのでは?」「……それをどうしていくのか」

二階「今後、経済産業省を挙げて真剣に取り組んでまいりますことを、ここでお約束申し上げておきたいと思います」

必要性を理解して行為を怠れば、それは行政の不作為であり、今回の被災規模を考えればその責任は重大だ。これでは、いま刻々と報じられる説明や発表さえ信じられなくなる。「基本的な事故データが開示されず、状況を把握できない」(吉井議員)ことに誰もが苛立っている。特に3号機は、他の1、2、~6号機と違って猛毒のプルトニウムとウランとの混合燃料が使用されたプルサーマル型。専門家なら10人が10人、最も危険視する原発である。

情報が開示されず“金縛り”に遭ったまま、国民は危機回避の機会を奪われている。

福島原発4号機が危機的状況―宮崎学ブログから

2011-05-19 14:02:39 | 原発
 いつも他にはない情報を提供されている宮崎学氏のブログが、福島4号機に深刻な問題があると伝えている。

 情報提供も求めているので、何らかの情報や証拠をお持ちの方は下記のサイトを見てください。

 http://miyazakimanabu.com/


「報道されない4号機の危機的状況について

2011-05-15 (日) お知らせ

宮崎学である。

「被災地からの手紙」を読んだ知り合いの東電関係者から連絡があった。

その内容は、現在の一番の問題は福島第一原発4号機が危機的な状況にあるということで、またそれは地元の人々の共通認識でもあるとのことだった。

1号機の状態がにわかに報道されるようになったが、本当にヤバイとされる4号機に関しては何も発表していないでいる政府の対応と問い質しもしない記者たち。これは報道協定をやっているのではなかろうか。

4号機の情報を集めようと思う。情報公開の場として俺のホームページを提供するし、批判等は俺が責任を取る。

専門家や情報を持っている関係者からの忌憚のない積極的な情報提供を望む。

4号機について、報道機関が報道協定を結んでいるとしたら、それは政府の無能ぶりを下支えしていることになろう。

つまり、メディアも共犯である。あるいは、何かを恐れてそのようなことをしているのだろうか?

それが第一点の問題。

もうひとつは、このような危機的状況において、無能な為政者を引きずり降ろさないでそのまま放置すれば、状況はより悪化するのが当然である。

危機に面しているのであればなおさら有能な者が指導しなければならない。危機だから権力闘争をすべきではないということにはならないのである。

知り合いの東電関係者はこうも言っている。

「宮崎さん、東京は捨てて京都に帰ったほうがいいですよ」と。


メルトダウンについては、関係者の間では1ヶ月前から常識として認識されていた。
メルトダウンを立証するのは難しいにしても、メディアは取材で政府に質問をすべきである。もしかしたら質問をしたのかもしれない。それでも報道をしないでいるとしたら、それはやはり報道協定としか思えないのである。


この事態においてそれはおかしいだろう。

報道記者、ジャーナリストは勇気をもって情報公開に努めるべきである。」

日刊べリタから―浜岡原発の海水流入事故

2011-05-19 13:55:12 | 原発

 浜岡原発5号機で海水流入事故が起きましたが、これはどういうことなのか。

 例によって隠ぺいするとゅ受部電力と、そしてこの問題を理解することさえできないマスコミが、市民を危機の中に追いやっています。

 日刊べリタの記事です。http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201105191125004


浜岡原発停止操作もまともにできず炉に海水流入ー 重大事故なのに報道せず―日本のテレビ・新聞はおかしい―  山崎久隆


  津波も来ていないのに、浜岡原発5号機で停止操作中に復水器に海水が大量に400トンも流入し、原子炉にまで回っていたことが、15日になって報道されています。実際の海水流入が起きたのは、14日の停止操作が始まってからすぐの午後4時半ごろだと言われています。

  復水器の中には蒸気が入ってきますが、これを海水で冷やしています。そのための細管が大量に復水器にあります。400トンという異常に大量の海水流入であったということから、3万本以上ある細管の、かなりの数が破断したのでは無いかと思われます。

  その後の停止操作はECCS緊急炉心冷却装置を使って行われたと言うことですが、緊急冷却装置が作動しなかったらどうなったのか、非常に危うい運転状態にあったと思われます。

  このニュース、テレビではテレビ朝日とNHKくらいしか流していません。一体どうなっているのかこの国のメディアは。

  日本経済新聞の記事の書きぶりを見てみましょう。

「中部電力は15日、浜岡原子力発電所5号機が同日正午すぎ、原子炉内部の温度が100度未満の「冷温停止」と呼ばれる安定状態になったことを明らかにした。政府の停止要請を受けた浜岡原発の停止作業がすべて終了した。」

  海水流入の前に「無事」停止したかの書きぶりに呆れます。

 だってそんなことはニュースになりません。普通。安全に止まっただけならばこれが冒頭で良いですが実際には重大事故が起きていたのですから。

  次のセンテンス

「5号機は14日午後1時に運転を停止。その後、冷温停止に向けた作業中に、タービンを回し終えた蒸気を水に戻す「主復水器」の水の純度を示す数値が異常となったため、一時作業を中断した。放射性物質の漏えいはなく、作業を再開し、冷温停止状態となった。」

  この記事までだと何が起きたのか分かりません。まず「何が起きた」から先に書くのが普通でしょう。冷温停止になったことは結果であって、その前にトラブルが起きたのにそのことは後回しとは、恐れ入ります。

「中部電力によると、冷却水に約400トンの海水が混ざった可能性があるが、原子炉の損傷はないとしている。」

  結局事故について触れたのはこれだけです。400トンの海水流入とは重大事故です。記事の重要度から言えばまずこれが先ではないでしょうか。原発震災を経ていてさえもまだ、日本のメディアは安全宣伝にこれつとめている現実に、本当に怒りがわきます。

ストロスカーン辞任―BBC

2011-05-19 13:48:14 | 国際

http://www.bbc.co.uk/news/world-13450783

"IMF chief Dominique Strauss-Kahn quits over sex charge

Dominique Strauss-Kahn was denied bail at a hearing on Monday


International Monetary Fund chief Dominique Strauss-Kahn has offered to resign following an alleged sexual assault of a hotel maid in New York.

In a statement, Mr Strauss-Kahn, 62, said he had already informed the executive board of his intention to step down "with immediate effect".

He again firmly denied the criminal charges against him.

Mr Strauss-Kahn - who is being held in New York's Rikers Island prison - is expected to make a new plea for bail."

中国そして新興国の時代へ・以降の始まり?

2011-05-19 13:34:10 | 国際
 IMF専務理事だったストロスカーンに辞任圧力が強まる中、後継人事がかまびすしくなってきている。

 従来世界銀行トップはアメリカ、IMトップFはヨーロッパ、というのが指定席だったが、ここにきて大きく変化しそうだ。

 欧州はフランスのラガルド財務大臣、イギリスのブラウン元首相などの名前をあげていたが、なかなか厳しく、その後はトルコ、南アフリカなどの名前が挙がった。

 しかしトルコも南アフリカもある意味では欧州と極めて近い。

 トルコはEU加盟を長年希望してきたし、南アフリカには旧宗主国イギリスなどの影が強い。

 その中でやはり名前があがってきたのが中国。

 政治・軍事的に独立・自立し、経済的には世界経済の牽引車であり、世界第二位のGDPを誇る。

 そして国際金融の分野でも世界的に知られた多くの人材を抱えるようになっており、世界経済の21世紀の牽引車と、世界経済をつなぐ役割としては、最も頼もしい、ということになろう。

 日本はIMF副専務理事-序列3位-を閉めてきたが、国自体が対米従属で、アメリカや欧州が作った秩序の優等生としてふるまうことで、彼らに認められることが国の発展だと考えてきたところがある。

 しかし現在世界に起こっている地殻変動は、本当の新たな秩序の台頭であり、その状況を作り出してきた国国の筆頭が中国、ということになるだろう。

 いよいよ新しい時代が始まろうとしている。


「IMF次期トップに中国人か、ストロスカーン氏の特別顧問・朱民氏―英メディア

Record China 5月19日(木)11時56分配信

 17日、IMFのトップ、ストロスカーン専務理事に対する辞職圧力が強まる中、金融市場やメディアは早くも後継人事を推測し始めている。同氏の特別顧問である朱民氏が最有力候補との声も。写真は10年9月、上海で開催された銀行家フォーラムに出席した朱民氏。

 2011年5月17日、英BBC放送によると、国際通貨基金(IMF)のトップ、ストロスカーン専務理事に対する辞職圧力が強まる中、金融市場やメディアは早くも後継人事を推測し始めている。AP通信は同氏の特別顧問である朱民(ジュー・ミン)氏が最有力候補だと報じた。中国新聞網が伝えた。

 1947年にIMFが設立されてから、トップの座は一 貫して欧州勢が占めてきた。ストロスカーン専務理事の後継候補には同じフランスの現財務相やドイツ中央銀行の前総裁などの名前が挙がっている。だが、これと同時に欧州はトップの座をインド、トルコ、南アフリカ、メキシコなどの新興国に譲るべきとの声も上がっている。AP通信は朱民氏を最有力候補としている。

 朱氏は昨年2月にストロスカーン専務理事の特別顧問に就任する前は中国人民銀行の副総裁だった。ジョンズ・ホプキンス大学で経済学博士号を取得したほか、世界銀行で6年間勤務していたこともある。(翻訳・編集/NN)」

NHKドキュメンタリー:核廃棄物処理

2011-05-19 12:58:42 | 原発

NHKが水曜深夜に放映したフィンランドにおける核廃棄物処理のドキュメンタリー。

過去18億年の間安定していた地層に「地下都市」のような構造物を掘り出し、そこに廃棄物を納める。

全ておさめたのち、今から100年後に完全に封鎖、埋め戻すという。

この話は映画にもなっているが、このドキュメンタリーで感じ入ったのは、本気で10万年の間の様々な変化を考えていること。

例えば6万年以内に氷河期が訪れると想定している、という。

少なくとも核物理を生み出したヨーロッパの人間は、本当に本気で核処理の問題を考えている、少なくともそういう人々がいる、しかし本当の意味での解決策など見出せていないのだ、ということが伝わってくる作品でした。


「2011年2月16日 水曜 午後11:00~11:50

11年2月24日 木曜 午前10:00~10:50

11年5月18日 水曜深夜[木曜午前 0:00~0:50]


各国が頭を痛める原子力発電所の廃棄物問題。

北欧のフィンランドが世界に先駆け、核のゴミの最終処分場の建設に乗り出している。

「オンカロ」(フィンランド語で「隠し場所」)と呼ばれる処分場は、太古の岩盤層を深さ500mまで掘り下げた先に作られ、施設が国内で排出される核廃棄物で満パンになる約100年後に、入口を完全封鎖されるという。


核廃棄物の最終処分が難しい理由は、実はその先である。

廃棄物が出す放射線が、生物にとって安全なレベルに下がるまで、欧州の基準では少なくとも10万年かかるとしている。

つまりオンカロは、人類の歴史にも匹敵する膨大な歳月の間、安全性の確保が求められるのだ。革命や戦争が起きたり、気候や地殻の大変動に見舞われたりしたとしても・・・

最も危惧されているのは、今の人類が姿を消したあとの未来の知的生物が処分場に侵入し、放射線が漏れ出してしまうシナリオだという。

そうならないよう、近づくと危険だという警告を伝えた方がいいのか?しかし、どうやって?あるいは何もせず、記憶から消し去ってしまう方がいいのか?

原子力というパンドラの箱を開けた人類が直面する難問を描く。2010年 国際環境映画祭(パリ)グランプリ受賞作品
原題:Into Eternity
制作:Magic Hour Films (デンマーク 2010年)」

国会での議論―武田邦彦ブログより

2011-05-19 12:54:56 | 原発


「科学者の日記110517 国会・文部科学委員会にて

5月17日、午前9時から12時まで国会(衆議院)文部科学委員会で参考人として陳述をしてきました。

私の論点は3つ、

1) 日本の原発は自然災害で破壊する、
= 国策で大災害をもたらすことをやっている。

2) 放射性物質が漏洩することに国は防御計画がない、
= 国策で国民救済をしないことになっている。

3) 原子力基本法の「公開の原則」が無視されている.


でした。

さらに、代議士の方との議論は「小学校の20ミリシーベルト」に集中しました。

私は次のことを主張しました。

1) 福島を汚しているのは、単に「粒」なので、全力でできるだけ早く除去すれば、農作物は汚染されず、小学生も被曝しない、

2) 「粒」を福島全体で除去すると効果はさらに上がるので、国がやるのが望ましい、

3) 「1年20ミリシーベルトでも安全」という人がいるが、安全というデータがないのに人の命に関わることを言うのは医師とも専門家とも呼べない、

4) 文部省の1時間3.8マイクロシーベルトというのは、内部被曝を入れていないこと、学校以外の線量率を低く見ていることなどから、1年60ミリシーベルト相当である、

5) 子供はあらゆる面で大人より被曝量が多く、放射線に対する感度も高いので、子供を守れば大人は守れる。

すべて今までの私の考えですから、特に新しいことはありませんが、国会の場で発言の機会を作っていただいたことに深く感謝しました。

少しでも早く多くの子供の被曝が減ることを願っています。

・・・・・・・・・

文部科学委員会の議論を通じて、私は次のように結論することができました。

● 1年100ミリシーベルト以下の被曝では「医学的にハッキリとしたデータがない」こと、

● 「データがない」ということは、誰も「危険」とも「安全」とも言えないこと。

● 繰り返すと、「20ミリまで安全だ」という人は「何の根拠も無く言っている」ことになること、

● 1ミリから100ミリまでは「データがないが、危険性が高い」ので「国際的に約束した方程式を使う」と決まっていること、

● だから、1年1ミリ以外の数値は「一般公衆」で「健康のチェックもしない」という状態ではあり得ないこと、

● 仮に、「一般公衆」で「健康チェック、注意」などをすれば、5.2ミリまでは「安全のようだという実績」があること、

● 従って、一般公衆に対して、1ミリと5.2ミリ以外の数値はないこと。

今年、3月の初期被曝をした人は、1年5.2ミリを下回ることが難しい場合もありますが、少なくとも来年以後は、国民全体が1年5.2ミリ以下を守ることができるのです。

そのための除染を大至急することが、今、日本国にとってもっとも大切なことと思います.

そして、綺麗な大地を取り戻した後、放射線医学、放射線防護の人たちが、慎重に「1年何ミリか」を検討して結論を出してください。

それによって「原発を選択できるか」も決まります.

つまり1年100ミリなら今の原発でもほぼ大丈夫で、原発は主要な電気を発生させるもっとも大切なものになるでしょう。

逆に1年1ミリなら、今の原発はすぐ止めなければなりません。ものすごく大きな選択なのです.

・・・・・・

でも、私は、こんな無意味な議論をして、除染の対策をとらず、子供達が人体実験を受けているという状態はまったくナンセンスと思いました。
(平成23年5月18日 午後5時 執筆)