白夜の炎

原発の問題・世界の出来事・本・映画

いわき市・佐藤市議のブログから

2011-05-08 19:09:38 | 原発

自治体こそが市民を守るとりでになるべき、という佐藤市議の意見に強く共感します。

「原発震災の元凶と生きる権利
2011年 05月 05日

以下は、4月30日付け「日々の新聞」(日々の新聞社発行)の「私の見方」に書いた小論です。

●原発震災の元凶と生きる権利 

 ・・・・・・・・・・・

 この原発震災で「警戒区域」「計画的避難区域」「緊急時避難準備区域」に指定された双葉郡などの住民やいわき市はじめ自主的に避難している多くの市民が、被曝の恐怖と不安の中で、ふるさとを追われました。

 放射性物質は、澄んだ青空、緑の大地、蒼い海にまき散らされ、大気と土、動植物、魚を汚染し続け、農水畜産物に甚大な被害をもたらしています。 

 地震・津波災害は天災でも、原発震災は人災です。「原子力ムラ」がその元凶です。「原子力ムラ」とは、事故の初期対応に失敗した東京電力、その監督責任者である政府=経済産業省原子力安全・保安院と内閣府原子力安全委員会、そして原発推進の学者たちです。「原子力ムラ」の事故責任こそ核心です。

 これまで幾度となく警告されてきた原発の耐震安全性、津波の危険性、原子炉冷却材喪失事故の可能性などを悉く否定し、JCO臨界事故や中越沖地震など立ち止まるべき契機さえ無視して、根拠のない原発安全神話を作り上げてきたのです。
 原発推進を「国策」として煽ったメディアは、「原子力ムラ」の有力なパートナーです。「国策」遂行のため、文化人から芸能人まで動員した「PA戦略」、公教育でも小学校から高校まで「エネルギー・環境教育」という名の原発推進教育を授業として実施し、国民に原発安全神話を刷り込み続けてきました。これに異を唱えるものは「反原発」として異端扱いしてきたのです。


 彼らは、原発震災発生後も、自分たちに都合の悪いことは全て、地震も津波も「想定外」と開き直り、国民に正確な事故情報と放射性物質の拡散予測を公開しないばかりか、不安の沈静化を狙い「直ちに健康に影響を与えるものではない」と放射線による晩発障害がないかのように喧伝しています。しかし、忘れてはなりません。原発震災は人災であり、これをもたらしたのは「原子力ムラ」であることを。

 原発震災で、いわき市も問われています。

 原子力防災はいのちの問題であるため、わたくしは、市議会でも継続して取りあげました。東京電力との安全協定の締結や原発震災を想定して「原子力防災対策重点地域を30キロ圏まで拡大することを国・県に要望すべき」と提案しましたが、「慎重に対応」という回答でした。国策の原子力=国の一元的管理下にあることを理由に、いわき市は立ちすくみ、思考停止して国に追従してきました。原発震災が起き、学校での子どもたちの放射線を巡っても「いわき市に物理の専門家はいない」と、思考停止しているようにみえます。

 いま、いわき市民が「ヒバクシャ」となる放射能災害の渦中にいます。市民は一般公衆の年間許容限度の1ミリシーベルトをこえる放射線被曝を強制されているのです。放射線に感受性が強い乳幼児や子どもたちをはじめ市民全員が、憲法で保障された基本的人権「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」=生存権が侵害されています。いわき市の農畜業、水産業、商工業、全ての市民、働くものが放射能被害に苦しんでいます。 

 市民の苦難の時に、いわき市はいつまで国と県に追従するのですか。お任せや待機、思考停止をやめ、市民の命と健康を守るために、基礎自治体が変わるときです。そして、原発震災の被災者、放射能災害に苦しむ市民が「生きる」ために自ら立ち上がるときです。(2011年4月24日)



放射線基準引き上げについて―合原氏のブログから

2011-05-08 19:02:31 | 原発

 「正気を疑う文科省の学校線量基準

2011年4月20日

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文部科学省、原子力災害対策本部、原子力安全委員会は、4月19日に「福島県内の学校等の校舎・校庭等の利用判断における暫定的考え方について」を発表した。

その内容は「校庭・園庭で3.8μSv/時間未満の空間線量率が測定された学校等については、校舎・校庭等を平常どおり利用をして差し支えない」というものだ。

放射線管理区域の6倍で「平常どおり」

この3.8μSv/時という基準線量を見て目を疑った。

放射線管理区域に設定しなければならない、信じ難く高い線量だったからだ。


放射線障害防止のための放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律等は文科省が所管している。

そして文科省自身が、「外部放射線に係る線量については、実効線量が3月あたり1.3mSv」を超えるおそれのある場所については放射線管理区域を設定するよう定めているのだ。

3月あたり1.3mSvというのは、0.6μSv/時である。今回文科省は、その6倍以上の3.8μSv/時という線量があっても「平常どおり利用をして差し支えない」と発表してしまった。

これは明らかにこれまでの規制からの逸脱であり違法な内容である。

これが原子力発電所内や防災機関などなら、非常時なのでやむを得ないという考え方も出来るかもしれない。しかしどういう説明を付けても、放射能の影響を受けやすい子供達が毎日の生活を送る場所にふさわしいと言うことは出来ないはずだ。

法律で厳重な管理が必要な線量

放射線管理区域というのは、原子力発電所の中でも一部にしか設定されていない、危険な場所である。そして以下の処置を講じなければならないこととされている。

a)関係者以外の立入りを禁止し放射線被ばくを防止する。

b)放射線モニタリング等を厳重に行い、被ばく防護対策を行う。

c)管理区域外への放射線の漏洩、放射能汚染の拡大を防止する。

d)標識・柵等によって境界を明示・区画し、出入り管理を行う。

e)被ばく管理を行う。


放射線管理区域内では、個人被ばく測定器具を用いた外部被ばくモニタリングおよび内部被ばくモニタリングが行われなければならない。出入りや物品の搬出の際には、管理区域からの退出時には、ハンドフットモニタや全身汚染検査計を用いて、身体表面に汚染のないことの確認が必要である。

管理区域境界では靴の履き替えが実施され、管理区域外への汚染の拡大が防止されなければならない。物品の管理区域外への搬出の際には、表面汚染検査用サーベイメータを用いて、物品の表面に汚染のないことを確認しなければならない。

管理区域内に立入る者に対しては、放射線防護の観点から、定期的な健康診断、教育・訓練等が義務づけられている。

以上のような厳重な管理が必要な区域の設定が求められるのが0.6μSv/時であるのに、3.8μSv/時もの線量があっても、特別な対応が不要というのは、明らかな違法行為ではないか。

実際の被曝は想定より大きくなる

念のために説明しておくと、実際の危険は6倍以上になる。というのも、0.6μSv/時というのは外部被曝だけの場合の基準で、内部被曝が想定される場合は外部被曝と内部被曝を合計した実効線量で規制されているが、文科省が児童生徒の線量として考えているのは空間線量だけ、つまり外部被曝だけだからだ。

子供達が屋外で活動したり、風が吹けば当然土が舞い上がる。放射性物質が含まれた土ぼこりを空気とともに呼吸しないわけにはいかない。当然内部被曝が発生する。体内に取り込んでしまった放射性物質からは放射線が出続けるので、外部で測定された線量にその分の被曝が加わることになる。

体内被曝は蓄積して行くので、被曝量が増加していく。特にアルファ線源は外部被曝の場合の危険性が低い代わりに内部被曝では大きなダメージを与えるので、吸い込まないための対策が必要だ。

最近の線量測定値に変動が少ないことから、ヨウ素131のような短命の核種からの放射線は既にかなり減衰していることがわかる。事故炉からの放出が続いていても、安定的に放射能が供給されることは考えにくいので、現在の線量は地表に降下した長命の放射性核種に由来するものが大部分ということになる。つまり毎日一定の被曝が発生する。

事故炉からの距離が100キロ単位の遠方であれば、現存する核種は放出量が多いセシウムが中心と考えられるが、事故炉から近い福島県下では、より重いプルトニウムなどアルファ線源の危険な核種も飛来していて、地表に存在している可能性が高い。

アルファ線源が体内に取り込まれる主要経路は呼吸による肺経由ということも考慮する必要がある。そのほかに、食物や水からの被曝も発生する。こうしたことを考えると、空間線量だけで制限一杯被爆してしまう基準では、実際の被曝量が制限以上となるケースが防止出来ない。

なお通常の管理区域設定に3カ月の線量を用いているのは、レントゲンなどを考えれば分かるように、線量が常に一定ではないからだ。福島の場合は残念ながら線量が安定的に高いので、Sv/時で判断しても同じ結果になる。

文科省はただちに暫定線量の引き下げを

子供達の健康を守るという観点で見ると、現在の暫定基準は明らかに高過ぎる。放射線管理が必要な線量の6倍で管理が必要ないというのでは、子供達の健康は守れないし、そもそも違法だ。

文科省はただちに基準線量を、最低でも0.6μSv/時以下に引き下げるべきだ。体制が整うまでは、0.6μSv/時よりもさらに余裕を見た、安全面に倒した基準を設定する以外に、子供達の健康を守ることはできない。

またストロンチウムやプルトニウムといった多くの核種に関しても全校で定期的に測定し、結果を公表しなければ、子供を持つ親は安心することができない。

さらに、呼吸による内部被曝を防止するために、全員に対して高性能なマスクを配布し、常に着用するよう指導するべきだ。現在の3.8μSv/時という、法律違反の異常に高い基準線量は、子供達の健康を守るためのものだろうか。子供達を犠牲にして、対策費用を節約するためのものとしか思えない。」

信頼できるサイトのご案内

2011-05-08 18:30:10 | 原発
私がいつも参考にしているサイトを案内します。

http://tanakaryusaku.jp/  これはフリージャーナリストの田中龍作さんのサイト

http://diamond.jp/category/s-uesugi これは上杉隆さんのサイト

この二人は独立系ジャーナリストとして尊敬しています。

大手はどうにも、御用ジャーナリスト、の感が否めません。

http://www.cnic.jp/ 原子力情報資料室 高木さんが設立された信頼できる、反原発の立場からのサイトです。

http://miyazakimanabu.com/ 宮崎学さんのサイト 原子力だけではもちろんありませんが、原子力に関しても、他にはな              い情報が提示されています。

http://e-shift.org/ Eシフト。エコな社会を目指す運動体のサイトです。

http://www.jma.go.jp/jma/index.html 気象庁のサイトです。腹が立ちますが、国民には黙って、IAEAには出していた放                   射性物質の飛散予測等を見ることができます。

http://atmc.jp/  全国の放射線を一覧できるサイトです。

http://www.rist.or.jp/  このサイトにあるATOMICAという辞書は信頼できます。是非活用しましょう。

http://www.rist.or.jp/  何度も紹介している平井憲夫さんの「原子力がどんなものか知ってほしい」です。

他にもいろいろありますが、とりあえず、紹介しました。

自然エネルギーに関するシンポジウムのお知らせ

2011-05-08 18:24:24 | 原発

 自然エネルギーに関するシンポジウムについてのお知らせを背ます。

 パネリストの一人が宮台真司、ということには?ですが。

 「【シンポジウム】これからの「未来」の話をしよう!自然エネルギー主流のエネルギー政策は可能だ!

脱原発・エネルギーシフトをめざす6・4シンポジウム

これからの「未来」の話をしよう!
自然エネルギー主流のエネルギー政策は可能だ!

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【日時】 6月4日(土)12時開場、12時30分開会

【会場】 国立オリンピック記念青少年総合センター
      カルチャー棟大ホール
      交通: 小田急線参宮橋駅下車7分、千代田線代々木公園駅下車10分
      地図 http://nyc.niye.go.jp/facilities/d7.html

【参加費】 無料(資料代1000円をいただきます。)



【プログラム】
●セッション1:福島現地からの訴え
 コーディネーター:小野寺愛 (ピースボート共同代表)(予定)
 福島現地の皆さんの報告。いま何が起こっているのかを聞きましょう。

●セッション2:私たちのエネシフト宣言
 コーディネーター:マエキタミヤコ (クリエイティブディレクター/サステナ代表)
 国会議員、経済界、自治体など各界からのエネルギー政策転換の提案。
 これまでの原発推進一辺倒から変化が。

●セッション3:私たちはエネシフト実現にむけて何ができるか
 孫正義氏、緊急アピール!
 コーディネーター:飯田哲也(環境エネルギー政策研究所)
 パネリスト:宮台慎司(首都大学東京教授)
       平田仁子(気候ネット)ほか
ゲンパツのない社会のリアリティ。「自然エネルギー」と「選べる電気」の時代を用意 してきたキーパーソンが確かな解決策を提供します。

●エネシフ・ミニコンサート
 生田卍&So-So、AQUA

●セッション4:エネシフ・素朴な疑問大会
 コーディネーター:おしどりマコ(吉本興業)
いま抱いている疑問を、思い切りぶつける時間。放射線のこと、電気のこと、自然エネルギーのこと・・。コメンテーターがバッチリ答えます。

●セッション5:未来にむけての話をしよう
 コーディネーター:調整中
次の時代を担う代表たちのセッション。どんな時代をつくるのかを考えます。
会場からの意見も募集します!

●IZANAI踊り

主催: A SEED JAPAN、環境エネルギー政策研究所、国際環境NGO FoE Japan、脱原発・新しいエネルギー政策を実現する会(略称:eシフト)

申込み: こちらからご登録ください。

*セッション4への素朴な疑問、セッション5へのあなたの提案も、あわせて募集しています。」

ビン・ラディン殺害をめぐる問題

2011-05-08 18:18:37 | 国際
JB Pressに古森義久がビン・ラディン殺害について記事を載せている。

その最後の部分に、前政権から受け継いだ今回の行動に関する問題点を、4点にまとめている。

参考になるところが多かったのでここに引用する。



「しかしその一方、今回の作戦はなお新たな課題や疑問をも生むこととなった。

 第1には、オバマ大統領が従来掲げてきた政治主張と整合が取れないという点である。

 今回、オバマ政権がビンラディン一家の所在を探知できたのは、グアンタナモ収容所での捕虜尋問がきっかけだった。
オバマ政権の発表でも、主としてこの尋問により、今から4年前にまずビンラディン容疑者の至近にいる側近の伝令の存在が確認できたという。そして2年前にその伝令の正確な身元が判明した。この伝令は、今回米軍が襲った建物に家族とともに住んでいた。

 ところがオバマ氏は大統領選候補だった時期からグアンタナモ収容所の閉鎖を求め、収容所内の厳しい尋問にも反対を表明してきた。オバマ氏の政治主張が政策として実現されていれば、ビンラディン抹殺につながる情報を得られなかったとも言えるのだ。

 第2には、ビンラディン容疑者の殺害についての不透明部分である。

 オバマ政権の当局者たちは、5月1日の最初の発表では「ビンラディンは米軍に対して抵抗し、銃撃戦となった」と述べ、ビンラディン容疑者も武器を持っていたと説明していた。ところが3日の発表では「ビンラディンは武器を持っていなかった」と訂正した。

 非武装の人物が「抵抗したので射殺した」と説明することには無理がある。まして、オバマ氏はブッシュ前大統領の「対テロ戦争」という用語を使うことを避け、一貫して「テロリスト容疑者の人権」への配慮を強調してきた。そのオバマ氏が、武器を持たない容疑者をいきなり銃撃して殺害するという今回の措置を命令したのかどうか。

 米国内には、ビンラディン容疑者の殺害という措置を非難する声はほとんどないが、なお謎や非難が残る可能性も高い。

パキスタン当局は見て見ぬふりだったのか?

 第3はアルカイダの今後への疑問と懸念である。ビンラディン容疑者の殺害は米国では「ヘビの頭を斬った」と表現され、最高司令官をなくしたテロ組織はその威力も減らしていくだろうとの見方が大勢を占める。

 実際、アルカイダはこのところ守勢に立ち、イラクやアフガニスタンでも勢いが衰えてきた。さらには中東のエジプト、リビア、シリア、チュニジアなどの諸国では民主化が広まり、暴力の無差別使用を主体とするアルカイダへの支持が急速に減ってきた。

 とはいえ、なおアルカイダの最高幹部は多数が健在であり、今回のビンラディン容疑者の死に報復を誓うという動きも伝えられている。首謀者を殺されたテロ組織が逆にこれまでよりも大胆な攻撃に出てはこないだろうか。その懸念は高まりこそすれ、決してぬぐい去ることはできない。

 第4には長年、ビンラディン容疑者の隠れ家を許容してきたパキスタンという国家への疑問である。

 隠れ家があったアボタバードという都市は、当初ビンラディン容疑者が潜伏していると見られたアフガニスタンの山岳地帯からははるかに遠い、国境から150キロもの地点にある。しかも、パキスタンの首都イスラマバードから50キロの至近距離である。その上、アボタバードにはパキスタンの国軍士官学校があり、軍首脳の住まいも数多いという。

 そんな都市に、周辺の建物より8倍も大きい3階建てのビルが5年前に建設され、その中にビンラディン一家が住んでいたことを、パキスタン当局がまったく知らなかったはずはないだろう。

 米国はパキスタン当局には何の通知もせずに今回の作戦を断行したという。パキスタンではもともとアルカイダやタリバンというイスラム原理主義組織への支持が強かった。そんな国が今回の事件後、米国に対してどんな態度に出るのか。気になるところである。

 米国にとっては「一件落着」とも受け取れるビンラディン容疑者殺害作戦には、なおこうした課題や疑問が多々残ったままなのである。

 日本としてもアンテナの感度を高く保ちながらこうした動きを追っていくことが、自国のテロ対策や国家安全保障にとっても欠かせないだろう。」