白夜の炎

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高木論文 「核施設と非常事態」(『日本物理学会誌』vol.50 no.10 1995)

2011-05-07 17:58:09 | 原発
 高木さんの論文自体は下記で直接読むことができます。

 http://ci.nii.ac.jp/els/110002066513.pdf?id=ART0002195281&type=pdf&lang=en&host=cinii&order_no=&ppv_type=0&lang_sw=&no=1304760555&cp=

高木さんの論文-今を警告

2011-05-07 17:54:37 | 原発

 「想定外」、16年前に警告。福島第1で故高木さん論文

「原子力資料情報室」元代表の高木仁三郎さん 福島第1原発事故を受け、2000年に死去した「原子力資料情報室」元代表の高木仁三郎さんが阪神大震災後に発表した論文がネット上で話題となっている。

政府や電力会社の決まり文句となっている「想定外」という姿勢に当時から警鐘を鳴らし、福島第1原発の危険性を指摘する“予言”のような内容。関係者は「今こそ読まれるべきだ」と話している。

論文は日本物理学会誌の1995年10月号に掲載された「核施設と非常事態―地震対策の検証を中心に―」でA4判4ページ。

阪神大震災のデータなどを元に、原発の耐震設計や老朽化、活断層などの問題を論じた上で、国や電力会社を「『原発は地震で壊れない』ことを前提にしてしまっているため、そこから先に一歩も進まず、地震時の緊急対策を考えようとしない」と批判する。

阪神大震災は核施設の「緊急事態」への備えのなさにも警告を発しているとし、その事態の一つとして「地震とともに津波に襲われたとき」にも言及。

「そのような事態を想定して原発の安全や防災対策を論じることは、『想定不適当』とか『ためにする議論』として避けられてきた。

しかし(中略)考えうるあらゆる想定をして対策を考えていくことが、むしろ冷静で現実的な態度と思われる」と指摘している。


 一方、大地震が直撃した際に「想像を絶する」事態となる核施設集中立地点として「福島県浜通り」を、廃炉への具体的議論が必要な「一番気になる老朽化原発」に福島第1原発を挙げている。

論文はネット上のデータベースで一般公開され、ツイッターでも「こういう警鐘は無視されてきたんだろうな」などと話題に。

原子力資料情報室の西尾漠(にしお・ばく)共同代表は「短い文章の中に今起きていることの問題がすべて詰まっており、あらためて読んで驚いた。

過去のこととしてではなく、今こそその言葉に耳を傾けるべきだ」としている。

(共同通信)

グズグズと抵抗する中部電力

2011-05-07 16:11:14 | 原発

 中部電力が首相の浜岡原発停止要求を受け入れるか否かについて、グズグズと抵抗している。

 そうやっている間に、「万が一」の事態になったら、どうするつもりですか、と中部電力首脳にたずねたい。

 「どうするんですか」。

 「万全といえるのですか」。

 「浜岡原発停止、結論持ち越し=中部電力

 中部電力は7日、臨時取締役会を開き、浜岡原発(静岡県御前崎市)の全面停止を求めた政府の要請について協議した。

 午後1時から約1時間半の会議では結論が出ず、8日以降に改めて協議することにした。

 今後の日程は現時点では決まっていないという。(2011/05/07-15:41)」

    ↑

 漫然としたガバナンスに染まりきった危機感のない経営者である証拠。

 間違いなく地震・津波対策はなっていない。

東大に対する東電の寄付

2011-05-07 15:57:39 | 原発

 以下のブログに東電による東大への寄付の学と、それに関連する東大教員のコメントが載っている。

 言うまでもないが、金がばらまかれれば、魚心が生じるのは世の常である。


 http://commutative.world.coocan.jp/blog3/cat88/2011/04/

中部電力に対する政府(経済産業大臣名)の正式の申し入れ文書

2011-05-07 15:49:51 | 原発
経済産業省

平成23・05・06原第1号

平 成 2 3 年 5 月 6 日

中部電力株式会社

代表取締役社長 社長執行役員 水野 明久 殿

経済産業大臣 海江田 万里

浜岡原子力発電所の津波に対する防護対策の確実な実施とそれまでの間の運転の停止について

 平成23年3月30日に貴社に対し緊急安全対策の実施を指示し、その実施状況に関する報告を受け、その内容を確認した結果、適切に措置されているものと評価します。

 しかしながら、浜岡原子力発電所については、想定東海地震の震源域に近接して立地しており、文部科学省の地震調査研究推進本部の評価によれば、30年以内にマグニチュード8程度の想定東海地震が発生する可能性が87%と極めて切迫しているとされており、大規模な津波の襲来の可能性が高いことが懸念されることから、貴社の報告にある津波に対する防護対策及び海水ポンプの予備品の確保と空冷式非常用発電機等の設置についても確実に講ずることを求めます。

 また、これらの対策が完了し、原子力安全・保安院の評価・確認を得るまでの間は浜岡原子力発電所の全ての号機について、運転を停止するよう求めます。

中部電力浜岡原発停止へ

2011-05-07 15:37:35 | 原発


 浜岡原発停止受け入れへ

2011年05月07日13時05分

提供:共同通信


 中部電力は7日、政府による浜岡原発(静岡県御前崎市)の全面停止要請の受諾に向け、最終調整。電力の安定供給策などを協議する臨時の取締役会を同日午後に開いた。

 終了後に水野明久社長が記者会見する予定。

 全面停止による経営への影響などを検討するとともに、夏季の電力需要ピーク時に安定供給を維持できるよう、火力発電や他の電力会社からの融通など代替手段を見極めた上で、要請受け入れを決断するとみられる。

 経済産業省原子力安全・保安院などは、中部電の電力供給量を最大3089万キロワット、夏のピーク時の需要量は2709万キロワットと予想。浜岡原発が全面停止すると、供給力が約360万キロワット減り、需給は一気に緊迫する。

ウサマ・ビンラディン殺害に対するアムネスティの批判

2011-05-07 15:28:49 | 国際


 「アムネスティ・インターナショナルは5月4日、米国およびパキスタン当局に対し、ウサマ・ビンラディン氏を殺害するに至ったアボタバードにおける軍事行動の詳細を明らかにするよう呼びかけた。

アムネスティはとくに、ビンラディン氏と一緒にいた人物の現在の状況と居場所、および同氏が殺害された際の状況の詳細を明らかにすることを求めている。

「軍事行動が行われた際、何人が邸宅にいたのか。彼らに何が起こったのか。そして生存者たちは現在、どこにどのような状態でいるのか。私たちは、これらの情報を米国およびパキスタン当局に要求しています」と、アムネスティ上級部長のクラウディオ・コルドーネは述べた。

パキスタンの諜報部員によると、米国軍が襲撃をおこなった際、18人が邸宅内にいた。

米国政府の職員によると、5人が殺害され、ビンラディン氏の妻を含む2人が負傷した。また、軍事行動が終わった際、負傷した女性たちは少なくとも6人の子どもたちとともに、邸宅に残されたという。

米中央情報局(CIA)のレオン・パネッタ長官は3日、米国軍はビンラディン氏を殺害する権限を全面的に有していたと述べたが、もし同氏が降伏していれば、殺害せずに捕らえていたと語った。

ホワイトハウスは、ビンラディン氏は武装はしていなかったものの、捕らえる際に抵抗したと述べた。

「ビンラディン氏が武装していなかったとすれば、彼がどのように抵抗したのか、そして彼を殺害するのではなく捕らえるための試みがなされたのか、という点が不明瞭です」とクラウディオ・コルドーネは述べた。

「ビンラディン氏が武装しておらず、差し迫った脅威でなかったのであれば、彼を裁判にかけるため、米国軍は彼を生きたまま逮捕するべきであったと、アムネスティは考えています」


ビンラディン氏は、人道に対する罪に相当する「テロリズム」の犯行声明を出すとともに、同様の行動を起こすよう他者に呼びかけていた。このような罪を犯した犯罪者は、国際法に沿った形で裁かれなければならない。


▼関連ニュースリリース

米国 : 漏洩したグアンタナモ収容所の情報は、公正な裁判と説明責任の必要性を強調している
http://www.amnesty.or.jp/modules/news/article.php?storyid=954

米国:ブッシュ元大統領が許可した拷問について刑事調査を始めるべきhttp://www.amnesty.or.jp/modules/news/article.php?storyid=877

米国 : 欧州各国はグアンタナモ収容所閉鎖支援の具体策を
http://www.amnesty.or.jp/modules/news/article.php?storyid=744」

浜岡原発停止の首相の決断を支持する―浜岡原発は即時停止を

2011-05-07 15:05:03 | 原発
 菅総理が中部電力浜岡原発の全原子炉の停止を要請した。

 ただしい決断であり全面的に指示する。

 近い将来まず間違いなく発生すると考えられている東海地震の震源域の中心にあり、なおかつ活断層上にある浜岡原発は、何はさておき停止させられてしかるべき原発でる。

 福島原発の事故が起きた現在、原発に関する今までのあらゆる安全基準は信頼性を喪失したといえる。

 また原子力保安院や原子力安全委員会等、安全を担保すべき機構がまったく役立たずであることも明確になった。

 今後は全く新たな体制を考え、新しい人材によって、新たな安全基準を考えていく必要があるが、それを待っている間に、新たな地震・津波が生じる可能性は否定できない。

 そう考えたとき、まずは最も危険度が高い原発から、順次停止するのは当然のことである。

 一部には「唐突だ」とか、「全体的な展望が示されていない」等の批判もあるようだが、見当違いも花場出しいというべきである。

 原発停止を求める決断は、どの時点で行っても「唐突」になる。首相の緊急の決断というのはそういうものである。

 問題はその判断に根拠があるか否以下であるが、この場合は明確にあるといえるだろう。

 原子炉建屋の強度から、非常時の電源確保、津波対策…福島で露呈した様々な問題に対して、電力各社の対応は全く緊張感を欠いたものである。

 数年後を目とどして…といった対応ばかりであるが、その間問題が発生したらどうするつもりなのか。

 
 無能で無責任な電力会社の判断に任すわけにはいかないという首相の決断は正しい。

 2―3年欠けて堤防を作りますからこの7月から3号炉の運転を再開したい、などと呆けたことを言っている中部電力には、ガバナンス能力が全く欠如しているといえるだろう。

放射線の教養度をめぐって・日本の専門家の問題点―武田邦彦ブログから

2011-05-07 14:59:30 | 原発

 武田先生のブログの引用です。

 日本の放射線の専門家が月々に発言を変えて、国民や政府を混乱に陥らせている、ということです。

 具体的に個人名をあげていただけるともっとわかりやすくなると思っています。


 「社会を混乱させる放射線医学・防御の専門家

福島原発の事故が起こって、わたくしがびっくりしたことの一つに、放射線医学もしくは防御の専門家が、これ程大きくその考え(および発言)を変えるとは思っていなかったことです。

わたくしは、原子力の燃料を研究し始めた若い頃、放射線の仕事をする限りは、放射線と身体のことをよく勉強しておかなければいけないと思い、第1種放射線取扱主任者という試験を受け、免状をもらいました。

この資格は、放射線を取り扱う専門家にとっては、最もレベルの高い資格で放射線を取り扱うところは、必ずこの資格を持った人がいなければいけないことになっています。

でもわたくしは、放射線と人体の関係を「研究する」という意味では、専門家ではありません。わたくしはあくまでも原子力関係の専門家であり、その仕事をするに必要なものとして放射線取扱主任者の試験を受けたのです。

・・・・・・・・・

わたくしは、福島原発事故が起こってから「1年に100ミリシーベルトまでは大丈夫だ」と言っている「その人たち」に、長い間、真逆のこと、つまり「1年に1ミリシーベルト以上は危ない」と教えられてきたのです。

放射線医学の専門家は、自信を持って次のように話してくれました。

「放射線による人体の障害は2種類あって、100ミリシーベルト以上では、放射線に被爆した人に何らかの障害が出る。明らかに出るのは250ミリシーベルト程度である。

これに対して100ミリシーベルト以下の被爆では、確率論的に患者が発生する。確率論的とは1人の人が被爆したから、その人が発症するというのではなく、10万人の集団が被曝すると、その中から確率的にある数の患者が出るということである。

確率論的に患者が出るかどうかということについては、長く議論されてきたが、1990年の ICRP の勧告以来、国際的には確立しており、日本の法律もすべてそれに準拠している。

放射線では確率論的に患者が発生するということを頭に叩きこんでおかなければならない
。」
わたくしにこのように教えてくれた先生がたは、福島原発の事故が起こると突然、態度を翻し、
「武田は専門家でもないのに、いい加減なこと言って人心を惑わしている」
と言い出したのです。


わたくしは年でもあるので、わたくし自身が批判されることについては全く気にしていませんが、とにかくビックリしました。

そして、この発言が多くの人を惑し、また政府の政策を狂わせた原因にもなっています。

・・・・・・・・・

もしも放射線の専門家が20年間にわたってわたくしに教えてくれたことをそのまま社会に発信していたならば、政府は「1年に1ミリ以上は危険である」という国際基準と国内法を守る政策を採ったでしょう。

それはとてもすっきりしているので、1年1ミリ以上になる可能性のあるところには、政府が数1000台のバスを手配して(ソ連がそうだった)避難することができたでしょうし、多くの人は一つの基準を守って安全な生活をすることができたと思うからです。

・・・・・・・・・

多くの放射線医学の専門家や放射線防護に携わっている人が真面目な人であるということは、わたくしはよく知っています。

だからこそわたくしは驚いています。

確かに個人的には、確率論的な患者の発生に対して批判的な学者もいましたけれども、全体としては完全に一致していたのです。

その一つの証拠として、わたくしのところに放射線医学の専門医になるための国家試験問題を送ってくれた医師の先生がおられます.

国家試験では「確率論的に患者が発生する」ということが正解である問題が毎年のように出ていたこと示していました。
国家試験に出るような確実な問題なので、それを福島原発の事故が起こったからといって、急に180度転換するというのは極めて奇妙なことです。

・・・・・・・・・

今からでも遅くはありません。

放射線医学もしくは放射線防護の学会や研究会は多くあります。

できるだけ早く臨時大会を開き、「確率論的に患者が出るということを否定する」のか、もしくは「従来の立場を貫く」のか、その理由は何か、それを社会に発信しなければなりません。

社会はこの関係の専門家の発言のために、大きく揺れ、また被爆者を出すことになりました。

早く「専門家集団としての見解」を明らかにして欲しいと思っています。

(平成23年5月7日 午前11時 執筆)」