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動物や植物など、何らかの生物が生息できる場所を「生物圏」と呼んでいます。生物圏には、森林、農耕地、砂漠、湖、海洋などのように、お互いに他と区別できるまとまりがあります。簡単に言えば、このまとまりのことを「生態系(エコシステム)」といいます。ですから、生物圏とは、生態系という単位の集合体ということができます。
それぞれの生態系は外観が異なるし、その構成要素も異なりますが、すべての生態系には共通点があります。
生物の種類は異なりますが、太陽の光を受けて光合成により酸素や有機物を生産している点ではすべて共通です。また、太陽からの光エネルギーは有機物などの化学エネルギーに変えられ、無機物化(有機物が酸化して無機物になること)に伴って熱エネルギーに変化し、最終的には宇宙へ放出されます。これらの点もすべて生態系に共通です。
★人間が加わった「自然循環」
46億年の地球の歴史の中で、「自然循環」は人間が加わらないでも35億年もの長きにわたって持続してきました。そして、人間が加わった最近の数100万年(600万年?)も持続してきました。ところが、産業革命以後の150~200年間、人間は人間が加わった「自然循環」を人間自身の手で破壊し続けてきました。そして、現在、そのことにやっと気づき始めたのです。
生態学は、動物の一種である人間が「人間だけでは生き続けることができないこと」を教えています。私たちは、言葉の上では「人間中心」といいますが、実は人間は他の生物なしに生き続けることができないのです。生態系が生物集団の一つである「人間社会」を支えているわけですから、人間の経済活動が「生態系を劣化」させれば、経済活動のみならず、人間の生存条件が劣化し、人間社会そのものを支えられなくなるのは、自明の理です。
つぎの図は、10年以上前からマスメディアを通じて報じられていたほんの一握りの断片的な情報にすぎません。

一度失われた自然の回復には膨大な時間とコストがかかることに気づいて欲しいものです。人間が加わることで「自然循環」を豊かにすることもできますし、逆に、「自然循環」を破壊し、貧しくする(人間自らの生存を否定する)こともできます。ですから、私たちが経済活動をしっかり行おうとするなら、「経済活動の拡大」が環境問題の真の原因であることを理解し、これらの制約の中で「新しい経済活動を創造すること」が私たちの明るい未来につながるはずです。
もう一度確認しておきたいのですが、環境問題を議論するときに、決して忘れてはならない事実が2つあります。それは、
①「人間は動物である」という事実。
②「人間を含めた動物の生存を支えているのは基本的には植物である」という事実。
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