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環境問題のまとめ  ④企業の生産条件の劣化

2007-12-24 14:36:08 | 市民連続講座:環境問題


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今日は経済活動の基盤である「企業の生産条件の劣化」についてお話します。特に日本では官民ともに「日本はモノつくりが得意分野だ。これで世界に貢献する」と言い続けてきましたので、よく考えてみてください。

次の図に示しましたように、物の生産には労働力のほかに、生産工程に原料」、「エネルギー」、「水」など資源の供給(インプット)が必要です。一方、生産工程からは、製品と共に必ず、「廃棄物(固体廃棄物、排ガスおよび排水)」および「廃熱」が排出(アウトプット)されます。



これらの条件(原料、エネルギー、水などのインプットおよび廃棄物と廃熱のアウトプット)のいずれか一つが、“量的あるいは質的”に有為に満たされなくなれば、21世紀の生産活動が持続できなくなることは疑う余地もありません。

上の図が示しますように、発生する固形廃棄物の処分場は最初は工場敷地内から、生産規模の拡大に伴って国内の近接地へ、そして国内の過疎地へ、さらに国外へと移動して行きます。

上の図で重要なことは、例えば、エネルギーの供給が十分であっても、その他の条件が一つでも有為に満たされなくなれば、生産活動ができなくなるという事実です。ですから、 「生産活動は最も少ない条件に縛られる」ということになります。



当然のことですが、生産量の増加は一般に廃棄物(固形廃棄物、排ガスおよび排水)の増加と廃熱の増加をもたらすことになりますので、「環境に配慮した持続可能な生産体系」で重要なことは原料やエネルギー、水などの供給側(インプット)よりも、むしろ排出側(アウト)である廃棄物や廃熱の処理・処分のシステムが社会の中に適切に整備されているかどうかにかかっています。

今後、「持続可能な開発」を模索する際に、廃棄物の問題は最大の関心事でなければならなりません。廃棄物という観点から見れば、中古品の輸出は「相手国での有効利用」というプロセスを経るものの、結果的には廃棄物そのものの輸出と同じことになるといってもよいでしょう。92年5月5日に発効した「バーゼル条約」は有害廃棄物の輸出に一定の歯止めをかけると期待されています。

先進工業国から発展途上国への有害廃棄物の輸出を全面的に禁止するこの条約改正案の採択を報じた95年9月24日の日本経済新聞によれば、「国連によると、有害廃棄物は先進国を中心に世界で毎年4億トン以上生み出されている。これが処理技術の不十分な途上国に持ち込まれると環境汚染を引き起こすという懸念から、条約加盟国は昨年春、拘束力のない輸出禁止決議を採択した。正式な条約改定には欧州連合(EU)や環境保護団体が熱心な一方、日本や米国、オーストラリア、韓国、インドなどはリサイクル目的の貿易を容認するよう主張したが、大多数の条約加盟国は全面禁止を支持した」そうです。

次の記事をご覧ください。2000年の日本の実態です。私が15年前のバーゼル条約発効以来、懸念して来たことが現実問題となりました。




次の関連記事をご覧ください。さらに、最近の状況が明らかになっています。

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