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改革の中心は二つあります。
一つは旧制度の「給付建て」から「拠出建て」へ全面的に切り替えたこと、もう一つは、「自動財政調整方式」を導入したことです。つまり、年金受給世代に優先権を与えてきた旧制度とは180度違って、新制度では、21世紀の社会に生きる現役世代に優先権を与えたのです。
①「給付建て」から「拠出建て」へ
この制度の基本的な運用方式は、旧制度と同じ賦課方式ですが、制度改革にともなう新しい試みとして、「賦課方式」に「積み立て方式的な要素」が少々加えられました。新制度は、旧制度の「給付建て賦課方式」ではなく「拠出建て賦課方式」ですから、最初に、労使で折半する拠出保険料率が固定されます。固定された保険料率は18.5%で、そのうち16%が「賦課方式」の部分で、残りの2.5%が「積み立て方式的な要素」の部分です。
賦課方式の部分は、「概念上の拠出建て」という計算方法で計算され、現役世代が自分の支払った保険料に基づいて、年金受給年齢になったときに自分が受け取る給付を計算できるようになっています。
積み立て方式的な要素の部分は、民間金融機関の年金商品のなかから、現役世代が運用先を自己責任で選ぶことになります。ですから、運用成績しだいでは、現役時代に支払った保険料の総額が同じでも、年金受給世代に受け取る年金額に、多少の増減が生まれることになります。
②「自動財政調整方式」の導入
また、年金財源の安定化を図るために、経済・社会の変化に柔軟に対応できる「自動財政調整方式」が導入されました。年金財政が悪化し、年金の賃金スライド率を下げ給付額を減らすなどの変更が必要になったときには、この方式の導入によって、国会の議決がなくても給付水準の引き下げが自動的に行なえるようになりました。
固定された保険料率は、将来、経済・社会的状況が変わっても引き上げないことになっているので、万一、そのような困った事態が発生した場合には、年金受給世代が受け取る給付額が減ることになります。
新年金制度の特徴
ここで、新年金制度の特徴をまとめておきましょう。
①新制度はすべて就労所得に基づいているので、経済状況が良ければ年金受給額は増えるが、悪ければ減っていく。将来は、自分の生活の安心は自分の責任で確保する方向が打ち出されてきた。その結果、個人的な年金貯蓄が増えており、私的年金保険会社が活気を持ってきた。
②現役世代が支払う保険料水準は固定されるが、年金受給世代が受け取る給付水準は固定されないので、旧制度のように年金受給世代の給付水準を保障するために、将来、現役世代に大幅な負担を強いることがなくなる。つまり、この制度は、年金受給世代よりも現役世代・将来世代に重きを置いた未来志向型の制度である。
③現役世代の生涯所得が給付水準に反映されるので、受給世代に達したときに労働市場から引退するのを引き留めるインセンティブが働く。
④寿命が延びることは公的年金に対する財政負担の増加にはつながらない。
⑤旧制度と同様にすべての国民を対象にするが、新制度は将来の経済状況や人口動態の変化に対して、「自動財政調整方式」の働きで制度の柔軟性が確保される。
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