べそかきアルルカンの詩的日常“手のひらの物語”

過ぎゆく日々の中で、ふと心に浮かんだよしなしごとを、
詩や小さな物語にかえて残したいと思います。

三冬尽くころ

2024年03月03日 18時14分21秒 | 掌のものがたり



ふと目をやると
残り雪の中に待雪草
天使の咲かせた
小さな白い花が
恥じらうようにうつむいて
ためらいがちに咲いています
三冬尽くころ
なにも告げずに
この町を去ります
吐く息はまだ白く
泣きたくなるほど青く澄んだ空が
ただそこに在るから



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