べそかきアルルカンの詩的日常“手のひらの物語”

過ぎゆく日々の中で、ふと心に浮かんだよしなしごとを、
詩や小さな物語にかえて残したいと思います。

気まぐれに

2014年08月24日 18時48分54秒 | 叙情

見知らぬ町でバスを降りてみました

通りを歩いていてもすれ違う人とて稀な
静かな 静かな町でした
ひっそりとした
緑ゆたかな町並みです

少しゆくと
小高い丘の上に石垣が見えました
どうやら城跡のようでした
登ってみると町が一望できました

静寂が満ちていきます

しばらくのあいだ密やかな町の息吹を眺めていると
なにかしら急にこみあげてくるものがありました
わけがわからず
けれど戸惑うほどのことでもありませんでした

あたりに誰もいないのをよいことに
ためしにちょっと泣いてみました
空の高いところに風があるのか
ちぎれ雲がゆっくりと流れてゆきます

丘を下ったところで
とつぜんの夕立に見舞われました
雨は一瞬のことですぐにまた
眠たげな陽ざしが照りつけてきました

夏が終わろうとしているのですね



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コメント (2)
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