べそかきアルルカンの詩的日常“手のひらの物語”

過ぎゆく日々の中で、ふと心に浮かんだよしなしごとを、
詩や小さな物語にかえて残したいと思います。

夕焼雲

2021年02月10日 22時48分58秒 | 叙情



きょうまでありがとう
夕暮れの淡い光のなかでそういって
あなたは右手をさしだした

てのひらのほどよい温もり
茜色に染まったきれいな空
ゆかしくやわらかな微笑み

あの日
さよならを言葉にしなかったのは
あなたの最後のやさしさ

いくつもの季節が足早に過ぎ去って
いつしか遥か遠い時の果て
きょうも夕焼雲がきれいです




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