べそかきアルルカンの詩的日常“手のひらの物語”

過ぎゆく日々の中で、ふと心に浮かんだよしなしごとを、
詩や小さな物語にかえて残したいと思います。

愛から遠くはなれて眺めてみると

2010年03月28日 16時57分58秒 | 慰め種

空の青さは無口です
そこに愛はありません
どこまでも深い空の静けさが
そこに在るだけ

野に咲く花は優しげです
けれどそこに愛はありません
寄る辺ない花の命の儚さが
ただそこに在るだけ

捨てられた仔犬は健気です
けれどそこに愛はありません
千切れんばかりに尾をふる仔犬の哀れさが
ただそこに在るだけ

なのに小鳥たちは飽きもせず
きょうも歓びの歌を鳴きかわします
満ちたりた惑いのなさで
まるでただそこに在ることが
愛そのものであるかのように



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さ・み・し・い

2010年03月14日 15時11分30秒 | 哀愁

わたしの中はさみしさで満たされている
いいえ わたしはさみしさそのもの
わたしはさみしさでできている

あなたに抱きしめられて
あなたの胸にこうして頬を寄せているときでさえ
わたしのさみしさはぬぐえない

しなやかなあなたの指が
やさしく髪を梳かしてくれても
わたしの中のさみしさは消え去りはしない

わたしはさみしい
あなたのそばにいてさえこんなにもさみしい
あなたがいるから
あなたの温もりを知ってしまったから
なおさらさみしい

けして満たされることのない渇望
もの憂げに横たわる空白
わたしはさみしい
わたしの愛はいまもさみしく脈打っている



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