べそかきアルルカンの詩的日常“手のひらの物語”

過ぎゆく日々の中で、ふと心に浮かんだよしなしごとを、
詩や小さな物語にかえて残したいと思います。

知らなければよかった

2009年11月28日 15時46分38秒 | 哀愁

過ぎ去った季節をふり返ることはできても
ふたたび呼び戻すことはできないのですね

日々の暮らしが少しずつ色あせて
ゆるやかに意味を失っていくようです

愛は哀しいものですね
愛することも 
そして愛されることさえも

こうして寄り添っていても
あなたの温もりがつたわってこないのは
愛が哀しいものでできているからなのですか

知らなければよかった
愛なんて



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さびしくて さびしくて

2009年11月23日 12時33分56秒 | 哀愁

凍てつく夜空に
星がきれいに咲いてます

このところなんだかさびしくて
さびしくて さびしくて
ふと胸をよぎるのは
いまは遠いあなたのことばかり

さびしくて さびしくて
泣きたくなるほど さびしくて
凍えた唇からぽつりと零れ落ちたあなたの名前は
白い吐息とともに揺らいで消えていきました

さびしくて さびしくて
心が押しつぶされてしまいそうなほど
さびしくて
ふるえる肩をひとりでそっと抱きしめてみたのです

さびしくて さびしくて
身もだえるほどに あまりにも
あまりにもさびし過ぎて
凍てつく夜空の星が
幾重にも 幾重にも滲んで見えます





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こんなとききまって雨が降るのは

2009年11月19日 21時22分34秒 | 哀愁

どこかへ行きたい
それがきみの口ぐせ

ここではないどこか遠くへ

寂しくなると
きみはつぶやく

誰も知らない遥か遠くへ

哀しそうに
きみはつぶやく

どこかへ行きたい
それがきみの口ぐせ

ほら
いつのまにか窓が濡れている

どうしてだろう
こんなとききまって雨が降りだすのは

どこかへ行きたい
だれも知らない遠いどこかへ

ため息まじりにまた
小さくきみがつぶやいた

雨音に耳をかたむけながら
心の中を手さぐりしても
なぐさめの言葉が見つからなくて

ごめん

とひとこと
ぼくもつぶやく

どうしてだろう
こんなとききまって雨が降るのは

どこかへ行きたい
遥か遠く誰も知らない高く空の広がる場所へ

雨の雫が心細げに
戸惑いながら冷たい硝子をつたい落ちてゆく





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息が止まるほどつよく

2009年11月03日 19時06分54秒 | 哀愁

つよく抱きしめて
息ができないほどつよく
それだけでわたしは
生きていられる

つよく抱きしめて
息苦しくなるほどつよく
それだけでわたしは
静かに耐え忍ぶことができる

つよく抱きしめて
息が詰まるほどつよく
それだけでわたしは
なにがあっても微笑んでいられる

つよく抱きしめて
息が止まるほどつよく
ほかにはなにも望まない
ただそれだけ

つよく抱きしめてもっと
この世に確かなものなどありはしない
あなたの愛さえ
信じるに値しないのだから

だからこそいまこの刹那
つよく抱きしめて
もっとつよく
そうして優しく
息の根を止めて




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