べそかきアルルカンの詩的日常“手のひらの物語”

過ぎゆく日々の中で、ふと心に浮かんだよしなしごとを、
詩や小さな物語にかえて残したいと思います。

あなたの頬をつたうひと粒の雫が

2010年01月06日 21時11分54秒 | 慕情

あなたの瞳を潤す涙のわけを
ぼくは知らない

せめてあなたの唇が
やわらかな笑みを取り戻すまで
ぼくはなすすべもなく
ただただ静かに寄り添っているだけ

あなたの胸にひそむ憂いのわけを
ぼくは知らない

せめてふたたびあなたの睫毛に
おだやかな木洩れ陽が宿るまで
ぼくは黙って手を取り
その横顔を見つめているだけ

けれどそうして癒されているのは
いつもきまってぼくの方
あなたの前では
ぼくは途方もなく無力なのです

あなたの頬をつたうひと粒の雫が
ぼくにはとても愛おしく
ただひたすらに愛おしく
どうにも忍びがたいのです




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コメント (6)
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