べそかきアルルカンの詩的日常“手のひらの物語”

過ぎゆく日々の中で、ふと心に浮かんだよしなしごとを、
詩や小さな物語にかえて残したいと思います。

どんなときにも

2008年12月22日 22時05分40秒 | 慰め種

きみが思い悩んでいるときも
小鳥たちは葉蔭に憩い
幸せいっぱぁい と歌ってる

きみが悲しみに暮れて
頬を濡らしているときも
陽だまりの猫は寝返りうって
幸せいっぱぁい と欠伸している

きみがどんなに寂しいときも
野の花は風に吹かれて
幸せいっぱぁい とスウィングしてる

理解しようとしなければ
人生はもっと
簡潔で美しいものかもしれないよ

ぼくらはただ
惜しみなく降りそそがれている優しさに
気づくことができないだけかもしれないね





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ちょうどよい距離

2008年12月13日 16時25分22秒 | 慕情

ねぇ
ときにはこうして手をつなぎ
いつもの道を歩いてみよう
ぼくらには少しばかり
親密さが欠けているけど
これくらいがちょうどいい

ねぇ
ときにはこうして
何も語らず見つめあおう
小さなテーブルを挟んで向かい合い
頬杖ついたりなんかして
ぼくらには
これくらいの距離がちょうどいい

近づきすぎれば悲しみが増して
遠く離れれば寂しくなるから

だから ねぇ
ときにはこうして指をからめてみよう
ふたりで過ごしたなにげない時間を
ずっとたいせつにしたいから
いつの日かぼくらの距離も
やさしい想い出にかわるときがやってくるから




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失われた時

2008年12月07日 15時08分31秒 | 哀愁

錆びついて
動かなくなった短い針

歪んで
あらぬところを指し示す長い針

速くなったり遅くなったり
あるいはふと停まってしまったり

まるで速度のさだまらない感情の起伏
西陽にあたって色あせてしまった夢の断片

時の輪郭がぼやけてゆく

ふたりの恋の行方など
知りたくはないの




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どうしてこんなに

2008年12月04日 22時05分57秒 | 哀愁

澄みわたった空の明るさが
どうしてこんなに寂しいのでしょう

冷たい星の瞬きが
どうしてこんなに悲しいのでしょう

きょうまで歩んできた道を
ため息まじりに振り返ってみれば
まるで 淡く途切れがちな夢を
見ていたような気がします

ぽっかりあいた胸の空洞を
透明な風が吹き抜けることは
もうありません





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