べそかきアルルカンの詩的日常“手のひらの物語”

過ぎゆく日々の中で、ふと心に浮かんだよしなしごとを、
詩や小さな物語にかえて残したいと思います。

密やかな芽生え

2009年10月24日 17時37分41秒 | 慕情

それは突然のことでした
ふと気づけばわたしの中で
ほんの少しばかり何かが変わっていたのです

いいえそれとも
これまでわたし自信気づかぬうちに
そっと温めて続けていた何かが
ようやく芽生えただけなのかもしれません

まるで
やさしい夢から目覚めたときのような
甘酸っぱさとほろ苦さが
微妙に溶けあったような気分です

たとえばそれは
なにげなく開いた本のページから
思いがけず花びらがひとひら
はらりと舞い落ちたときのような戸惑い

たとえばそれは
なんとなく見上げた夜空に
すぅっと細い糸を引くように
星屑が流れ去る一瞬を目にしたときのような
淡いときめき

いまはただ
心の中で密やかにそっと
静かに 静かに願うだけです
この想いをたいせつに
たいせつに育てていければいいのだけれどと




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胸に埋めた憂いのために

2009年10月04日 17時36分35秒 | 哀愁

微笑みは耐え忍ぶために
優しさは償いのために
沈黙は真心を語るために
静寂は孤独を慈しむために
涙はすべてを忘れ去るために
胸に埋めた密やかな憂いは
いまもふつふつ息づいているから


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