とある日の午後
あてなく散歩をしていると
坂道の途中にある小さな公園の入り口に
木箱がひとつ置かれてて
『だれかつれてかえってあげてください』と
幼い文字の張り紙がしてありました
中をのぞくとすでに空っぽで
そこになにが入っていたのか知る由もなく
しばらくのあいだ
ぼんやり眺めていましたけれど
箱の中はやっぱり空っぽで
誰かの奏でる微かなピアノの旋律が
どこからともなく
風にのって流れてきました
あの曲は
トロイメライだったような気がします
いつにもまして静やかな
ある日の午後のことでした
★picture:Giorgio Morandi ★ ↓↓↓ ポチッっとね
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