べそかきアルルカンの詩的日常“手のひらの物語”

過ぎゆく日々の中で、ふと心に浮かんだよしなしごとを、
詩や小さな物語にかえて残したいと思います。

とある日の静やかな午後のこと

2022年02月19日 20時02分11秒 | 掌のものがたり


とある日の午後
あてなく散歩をしていると
坂道の途中にある小さな公園の入り口に
木箱がひとつ置かれてて
『だれかつれてかえってあげてください』と
幼い文字の張り紙がしてありました
中をのぞくとすでに空っぽで
そこになにが入っていたのか知る由もなく
しばらくのあいだ
ぼんやり眺めていましたけれど
箱の中はやっぱり空っぽで
誰かの奏でる微かなピアノの旋律が
どこからともなく
風にのって流れてきました
あの曲は
トロイメライだったような気がします
いつにもまして静やかな
ある日の午後のことでした





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この空だけが

2022年02月04日 20時47分49秒 | 掌のものがたり



いつかまた会いましょう
そういって
小指をからませた日は遠い
約束はいまだ
果たせないでいるけれど
けさ夢をみました
きょうは久しぶりの青空です
いまはただ
この空だけがつながっている




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