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べそかきアルルカンの詩的日常“手のひらの物語”

過ぎゆく日々の中で、ふと心に浮かんだよしなしごとを、
詩や小さな物語にかえて残したいと思います。

モリはね  ~いまは亡き愛犬モリのこと~

2017年10月13日 23時29分23秒 | 愛犬への詫び状

モリはね
仔犬なのにびっくりするほど
もりもりってウンチしたから
モリって呼ばれるようになったんだ

モリはね
まだ小さかったころ
とても弱虫だったんだ
家の外に出るのも怖がって
鼻をクンクン鳴らしながらいつもぼくに
抱っこ抱っこっておねだりしてた

モリはね
すぐに大きくなって
そのころはもう
怖いものなんかないよって
すごく偉そうな顔してた

モリはね
とても散歩が好きだった
じりじり暑い夏の日も
凍てつくような冬の日も
雨の日も 風の日も
雪が降ってもいつもずんずん
ぼくをひっぱって歩くんだ
でもごろごろ雷だけは
やっぱり苦手だったみたい

モリはね
道ゆく人から
あら男前ねぇだとか
凛々しい顔つきだねぇだとか言われて
ずいぶん得意気な顔してた
ほんとうは女の子だったのにね

モリはね
公園の芝生が好きで
あおむけに寝っ転がっては
背中をすりすりこすりつけてた
だからおまえはいつも
草と土の匂いがしていたんだよね

モリはね
ぼくが玄関の扉をひらくと
しっぽをぶんぶんふりまわして
しっぽだけではものたりないらしく
お尻までぷりぷりさせながら
全身に喜びをみなぎらせ
うれしそうに出迎えてくれた

モリはね
ボクが出掛けるとき
とても寂しそうな目をして
階段の踊り場の窓から
ずっとぼくを眺めてた
ぼくだって
おまえを置いて出かけるのは
すごくすごく辛かったんだ

モリはね
ボクが食べているものを
何でも欲しがって
いつもじっとぼくの顔を
つぶらな瞳で見つめてた
しかたがないから
いつだってぼくは
ひと口残して食べさせてあげた

モリはね
やがて年老いて
眠っていることが多くなった
散歩していても
ときどき尻もちをついたりして

モリはね
急に立ちあがれなくなった
その朝もいつもと同じように散歩したのに
夕方帰ってみると起きあがれなくなっていた
まぶたを開くことも
ほんの少し水を飲むことさえ
できなくなっていた
それはあまりに急だった

モリはね
それから次の日の夕暮れまで
ずっと辛そうに息をしていた
あまりに苦しそうだったから
もう頑張らなくていいんだよって
ぼくはモリの耳元で語りかけた

モリはね
最期はぼくの腕の中で
静かに息を引き取った
ながいながい溜め息をつくようにして
モリの命は静かに消えた
ぼくは時のたつのも忘れて
しばらくおまえの頭を
撫でつづけていたっけ

モリはね
生まれてすぐに捨てられていたんだ
そんなモリがぼくのところへ来て
でも 慰められたのは
実はぼくの方だった

モリはね
十七年間
全力でぼくを愛してくれた

モリはね
とてもわがままで
いたずらっ子で
甘えん坊だった

そんなモリのことが
ぼくは大好きで
これからも
ずっと ずっと大好きで

だからねモリ
またいつかいっしょに遊ぼうね
モリ モリ モリ
じゃぁ またね モリ
ずっとずっと大好きだからね モリ



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秋の陽に照らされた麦わらにも似た ~亡き愛犬へ~

2017年08月19日 10時03分58秒 | 愛犬への詫び状

抱きしめるといつも
おまえは秋の陽に照らされた
麦わらのような匂いがした

もっと
抱きしめてあげればよかった
もっと抱きしめていたかった

おまえのいない日々の暮らしは
こんなにも
味気ないものだったんだね

いまもまだ
やわらかな麦わらの香りが
ふっと漂うことがあるんだよ




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ぬれた瞳で ~亡き愛犬へ~

2017年07月16日 16時07分49秒 | 愛犬への詫び状

おまえはいつもそばにいて
一心にぼくを見つめてくれた
緑がかったその瞳はまるで
朝露にぬれた葡萄の粒のようだった

けれど
なでてあげる頭は
もうそこにない
さすってあげるお腹も
もうそこにない

名前を呼んでも
おまえの声は聴こえない
しっぽで床をたたく微かな音さえ
聴こえてこない

おまえはいつもそばにいて
ひたむきにぼくを見つめてくれた
そのまるい瞳にはいつも
おまえを見つめるぼくの姿が映っていた





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