べそかきアルルカンの詩的日常“手のひらの物語”

過ぎゆく日々の中で、ふと心に浮かんだよしなしごとを、
詩や小さな物語にかえて残したいと思います。

青すぎる空の下 波音を聴きながら

2022年04月24日 11時19分09秒 | 叙情



ほどよく冷えた炭酸水に
うす切りの檸檬がひとつ

それはまるで
いくつもの季節を通り過ぎた
遠い日の想い出

小さな泡が
はじけて消える

青すぎる空にとけていく
一羽のカモメ
まぶしすぎる太陽

そういえばむかし
Jという名のカモメがいた

彼には言葉にならない思いがあった
ぼくには語るほどのものが
なにもない

水平線のあたりに霞んで揺れる
置き去りにした日々

潮風はすこし涙の味がする
そう気づいたのはいったい
いつのことだったか





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Fin

2022年04月01日 17時54分14秒 | 掌のものがたり



闇でした
そこにあるのは
ただ漆黒の闇でした
命が尽きようとするそのとき
はじめて微かな光を
目にしたような気がします
いまはもう
闇も光もありません
なのですこぶる
穏やかです




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