べそかきアルルカンの詩的日常“手のひらの物語”

過ぎゆく日々の中で、ふと心に浮かんだよしなしごとを、
詩や小さな物語にかえて残したいと思います。

君影草

2020年12月26日 18時08分23秒 | 叙情


きょう花屋の店先で
スズランの鉢植えをみかけました
たまたま通りかかった小路に
ぽつんとたたずむ小さなお店です

聖母の涙とたとえられる
愛らしい花は
清らかに
慎み深く咲いていました

そのゆかしいたたずまいに
懐かしい面影が重なり
時のたつのも忘れて
ついついながめておりました

贈りものですかと
お店のひとにたずねられました
西洋のとある国では古くから
スズランの花を贈る習慣があるそうです

少し迷いましたが
首をふって家路につきました
いつのまにか
街灯がともりはじめていました

あなたはいかがお過ごしですか
やさしい時は
薄羽根のように風にさらわれ
いまはもう遥か遠い彼方です




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